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【Making of “I am”】#05 展示空間
こんにちは。展示班統括の大江です。普段はプログラミングや電子工作を使ってインタラクション作品を制作しています。
先日の卒業修了制作展には多くの方が来てくださいました。本当にありがとうございます。
私のいた展示班は部屋割りを考えたり、壁材の手配をしたり、出展者がスムーズに展示を行えるように整える役目をしていました。
今回はその展示部屋についてのレポートです。
【課題】
今回の卒展で課題は、「成果物が同じ形式というだけで、同室にするとミスマッチが起きる」ことです。
例えば、同じプロダクト系の立体作品でも、ターゲットや造形によって完成形態が大きく変わります。それを「プロダクトだから」と行って同じ部屋にしてしまうと、部屋の中で雰囲気が合わず、違和感のある展示になってしまいます。
【取り組み・工夫】
上記の課題を解決するために、委員内で部屋割りの方法について考えました。
その結果、出展者がなにをどんなふうに作るのかだけではなく、どのような展示にしたいのかという展示の雰囲気をもとに部屋割りをしよう、ということになりました。
部屋割りは、出展者から「展示計画書」を描いてもらい、それをもとに決めていきます。今年はその計画書の記入項目に、雰囲気のわかる「画像」を提出してもらうようにしました。
提出された計画書をもとに、以下の手順で分類していきました。
①計画書を全て出力し、巨大なテーブルに並べる。
②特例の除外(暗室希望者、自然光希望者、上映作品、3号館を希望する大型作品、等)
③雰囲気が似ていることが明確で、同室にしやすそうな人をグループ化(白を基調とした部屋、自然物の多い部屋、など)
④雰囲気が揃うことを最優先にグループ分けを進める。この時点で人数は気にしない。
計画書を並べてグループを分ける
⑤部屋に当てはめる。一部屋あたりの人数を計算し、グループを部屋に入れていく。人数の多いグループを分割し、同室にできそうなグループはまとめる。
大きめの紙を部屋に見立て、グループを乗せていく
⑥部屋ごとに似た雰囲気の部屋を同じ階に配置し、違和感がある作品を細かく移動して微調整する
⑦データにまとめる
データ化する。
【まとめ】
今回大切にしたかったことは、来場者の方が違和感なく展示を見られるように作ることです。
「統合の個性とは何か伝える」という今年のコンセプトのもと、それが一番いい形で伝わるにはどうしたらいいのかを考え、今回の方法をとりました。
多様な作品が大量に展示されるこの学科の卒展だからこそ、同じ部屋でその良さを潰し合わず、さらに良くみえるように、部屋割りという展示の土台を準備をすることができたと思っています。
【取り組み・その他】
統合デザイン学科が新設されてから3代目の卒業生になります。去年、個人的に先輩方の設営のお手伝いをしました。そこで見聞きしたことは今年の展示を作る上で大変役に立っています。
今年も展示を実施するにあたり、多くの下級生の助けをお借りしました。ありがとうございました。
去年から今年、今年から来年へ、卒展が今後もアップデートされ続け、多くの方に来ていただける、より良い展示になることが今から楽しみです。
展示統括
大江なつみ
展示班
長倉史佳
部屋割補佐
有嶋庸子
搬入補佐
Diego Villamizar Arboleda
搬入説明補佐
松下悠萌
協力
多摩美術大学統合デザイン学科研究室
平安伸銅工業株式会社
サイン班各位