![ヘッダー-01](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17633730/rectangle_large_type_2_9b7dae2a614b0ac5926d3a386db8134b.png?width=1200)
【Making of “I am”】#01 メインビジュアル
はじめまして。メインビジュアル制作や、広報企画を担当させていただいた古林萌実です。
今回は卒展のメインビジュアルとコンセプトである「I am」が、どのようなプロセスで形作られたのかをご紹介したいと思います。
【コンセプトをつくる】
統合デザイン学科のデザインプロセスでは、そのデザインが解決する課題を見つけるところから始まります。今回、私は卒展全体のコンセプトをデザインするに当たって、2つの課題を意識しました。
一つ目は「統合の個性とは何かを伝える」こと。
大学2年次、他学科の友人に統合のイメージを聞いてみたことがあります。
その時返って来たのは、「白、黒、シンプル」という答えでした。統合のテーマカラーが白黒なことや、初期のパンフレットに掲載された作品の多くが1、2年で制作するシンプルで基礎を追求した作品が多かったことがそのイメージに影響していたと思います。
統合デザイン学科では、2年次までは広い分野で基礎的な学びをするのですが、当時は私もこの地道な学びの最中だったので、この答えを特に違和感なく受け止めていました。
しかし今、4年間を経て振り返ると、統合は「白、黒、シンプル」なイメージとは程遠い、本当に多様性溢れる自由な学科だと感じるようになりました。
1、2年の「白黒の学び」は私たちの骨格となり、3、4年で色んな筋肉を鍛えているうちに気がつけば各々の個性が出来上がっていくイメージです。
macで動画を作っている人の隣でミシンで服を作る人がいたり、一つのお題に対して映像で応える人がいれば、プロダクトで応える人がいる。私は統合のそんな所が刺激的で大好きで、3回目の卒業制作展を通して伝えたい統合の個性であると感じました。
二つ目は、「受験生のために道しるべを作る」こと。
私が統合に入学した時、学科の歴史はまだ始まったばかりでした。
指標となる先輩も当然いないので未来像が想像できず進路選択を不安に感じた事もありました。
卒展は受験生が自分の未来を決める情報収集の場でもあります。
受験生たちに統合デザイン学科を選択した場合の4年後、6年後の未来を伝えることは、まだ数少ない卒業する私たちにしかできない使命です。
この事から、「その一例となる私たち卒業生一人一人の等身大の姿を、指標として示したい」ということに考え至りました。
上記であげた課題を元にコンセプトとビジュアルを検討、制作していきました。統合には学科の公式ロゴがあり、統合デザイン学科を表している黒い一本のバーが入っています。
テーマの方向性を決める会議の中で、バーをそのまま立てて「I」(一人の学生)に見立てるというアイデアが出ました。
このアイデアに上記の課題を重ね考える中で、卒業・修了制作展は「それぞれが統合デザイン学科でどんな自分の一面を見つけたのか、その等身大の姿を披露する場である」という定義づけと『I am(私とは)』というテーマが生まれました。
【コンセプトを伝える】
上記で定めた「I am」を軸に表現の検討を重ねました。
カラフルな背景(統合)から自分なりの色を見つけた事を表現してみたり
色展開で多様性を表現することを試みたり
手に持たせることで「I」の意味を強めようとしてみたりという過程を経て、
最終的には、白い空間の中で、己の色を見つけたバー達がしっかりと前を向き佇む様子に決定しました。
(ここまで紆余曲折ありました。)
白い背景は統合を表し、アクリルのバーはまだ何にも染まらないピュアな学生を、バーの中の色は、統合(白い背景)で見つけた学生それぞれの色を表現しています。
統合生の多様性を視覚的に分かりやすく伝えるとともに、最終的にポスターが貼られた周辺が、パッと華やぎ、今までの「白、黒。シンプル」なイメージの統合からは意外性を感じるような鮮やかなビジュアルを目指しました。
「等身大の私たち」を伝えるために今年はSNSにも力を入れました。
メインビジュアルに並ぶ「I」たちが、学びの中でどのように自分の色を見つけたのか、9人の学生にフォーカスを当て、バーと連動させてご紹介しています。
美大を志す多くの予備校生が作品投稿のために活用するインスタ投稿をベースに、その他のSNSも特性に合わせて展開しています。是非ご覧ください!
【おわりに】
卒業・修了制作展としてビジュアルを作る取り組みは前年度の卒業生である
2期生の代で始まりました。
唯一の前例の壁は大きく、先輩方のバトンをきちんと受け取って次に繋げなければ、という気持ちで3ヶ月制作に臨みました。
後輩のために記録を沢山残してくださった先輩方、機会を与えてくれた委員長の有嶋、叱咤激励してくださった先生方、そして一緒に形にしていってくれた委員の仲間のお力で形にすることができました。
この広報活動が、一人でも多くの人の上野毛に足を運ぶきっかけになれば幸いです。
広報企画・ビジュアル制作
古林萌実、(協力:小宮山梢)
note、Twitter運営
有嶋庸子
Facebook 、Instagram運営
相澤遥菜子
撮影
糸井萌、有嶋庸子、渡辺由香
SNSエディトリアルデザイン
安野信
文章校正
相澤遥菜子、有嶋庸子、白木加奈
DMエディトリアルデザイン
大槻愛彩
制作協力
加藤匠馬、小林和貴、渡辺由香
インタビュー協力
長倉史佳、笹原美裕、小野泉、山本さら、大槻修士、中村恵、小林和貴、弥富妙、梶垣諒