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車窓は変わる ~国鉄電車185系の車窓から~

古い電車に乗ってきました。

 私は現在17歳の男子高校生です。趣味はボウリング、数学、一人旅、鉄道です。先日、とある鉄道旅に行ってきました。

 前にも記事を書いたのかもしれませんが、鉄道旅と聞いてイメージするものは年代によって全く異なっていると思います。まだJRが国鉄であった頃と、静かで揺れない電車が多い今とでは全く別物であると勝手に思っています。

 スマホもイヤホンも高性能なカメラも無かったそんな時代の旅は、不便でつまらなかったのかもしれませんが、たまにはそれを経験してみたいなと平成中盤生まれの私は思ってしまうのです。昔は特急電車でも窓は空くし、座席も狭い、うるさい、などなど現代の人にとっては二度と乗りたくないものでしょう。

 ただ国鉄時代の古臭い電車にほとんど乗ったことのない私は、景色をボケーっと見たり、読書をしたり、おしゃべりをしたり、生のオルゴールが流れてきたり、と昔特有の旅の風景を体験してみたかったのです。

おんぼろの電車

 今回下の写真の電車に乗ってきました。関東圏の鉄道ファンならわかる方も多いでしょう、185系C1編成。

 濃い緑のラインが1本、の単調なデザイン。実はこの模様は、今からさかのぼること約40年前のデザインなのです。まだ東北新幹線が東京まで来ていなかった頃のお話です。

 この電車は製造からもう40年たっているおんぼろですが、私はこれに一度でいいから乗ってみたかったのです。物好きでしょう(?)

 車内には「古い電車特有のにおい」(わかる人なら分かるかも)がプンプンしてました。この匂いがたまらなく好きです。
 発車するとオルゴールのチャイムが鳴ります。今では全く効かなくなった「鉄道唱歌」。オルゴールの「鉄道唱歌」は聞くのが初めてでしたし、ずっと聞きたかったメロディでした。聞いてると涙目になるほどうれしかったですね(ガチ)。

 ガタンごとんごとんがたんごとん……、ブォォォォ……という音が薄っぺらい壁を通り越して直に聞こえてきます。私の最寄り路線を走る特急あずさではまず体験できません。

 音やにおい、薄暗い車内を堪能しているとあっという間に目的地(鹿島神宮)に到着しました。

 鹿島神宮の観光中にスマホの電池が切れました。これで復路の電車はスマホなしの旅路となりました。

 現代人お得意のSNSを失ったので、帰路は行路よりもぐっと昔にタイムスリップした気がしました。

鉄道の本当の楽しさ

 鉄道ファンはよく写真撮影のマナーが悪すぎるとよく批判されます。なぜこんな行動に出るのかというと、電車が老朽化で間もなく見れなくなる電車や、「今しか見れない」瞬間をどうしても写真で納めたいからでしょう。

 そもそも「鉄道」というのは、日常生活に溶け込んだ「ただの日常の一画」でしかないのです。鉄道ファンではない人にとって、その風景はただのバックグラウンドにしかならないでしょう。

 その「バックグラウンド」に熱い情熱を持つのが「本物の鉄道ファン」だと勝手に思っています。毎日乗ってる見ている電車、毎日使ってる路線、その車窓、その沿線の風景や観光スポット、など日常生活にとけこんだありふれた景色を大事にできるのが、本当の「鉄道好き」なんじゃないかなと思ってます。

 確かに珍しい電車の写真を撮りたくなるのはわからんでもないですけどね。。。。。。

「今」の電車を楽しむ

 さて話を戻しますが、私の乗ってきた電車は恐らく今夏で引退します。そうすれば、生のオルゴールやあの匂い、車窓は二度と体験できないでしょう。私も旅の最後はとても名残惜しかったです。

 きっと、今当たり前に走ってる電車もいつかは見られなくなります。それどころか、沿線の観光地や町だって30,40年後には大きく変わっているのでしょう。

 今ある景色を存分に楽しむのがやはり大切なんだなと改めてこの旅で感じました。スマホばかり触って、身の回りに目を向けないのはやっぱりもったいないな、とも思います。。。

読んでいただきありがとうございました。

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