ある凡人の数学者人生が始まるまで 0
『数学ゴールデン』という漫画の第一巻が発売された。
自分の実力はまだまだであると自覚しているが数学に熱い情熱を持っている高校生、小野田春一が数学オリンピック日本代表を目指す青春物語。
面白かった。そして、泣いた。
主人公が天才として描かれていないこともあって、どうしても自分自身を主人公に重ね合わせながら読んでしまう。
実力は中途半端なんだけど、数学を愛し情熱を持っている。
自分と一緒だ。数学オリンピックに挑戦した高校生時代を思い出さずにはいられない。
春一は漫画の主人公だから、数学オリンピック本選を突破できなかった僕をきっと超えていくだろう。
でも、僕の人生は数学オリンピックが全てでは当然ない。
実は数ヶ月前、自分のこれまでの人生を振り返ってちょっとした文章を書きしたためていたのだが、『数学ゴールデン』を読んでその存在を思い出した。
本当は公開するつもりのなかったものである。しかし、これも何かの機会であるし、試しに少しずつ公開してみることにしよう。もしかしたら、途中でやめてしまうかもしれない。
ちなみに、『数学ゴールデン』で泣いたのは140ページだ。このページに書かれている主人公の言葉が目に入るやいなや、僕の涙腺のネジは一瞬にして外れた。
その理由は続く文章を読み進めていくと分かるかもしれない。