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空気を読むことすらAIに取って代わられた。そのあとの価値の話

【接客業で培った、あなたのコミュニケーションスキルが活かせます!】

よく転職サイトなんかでこんな文言を目にします。 

こういった文言を見るたび思います。

これを書いてる企業の人って飲食店で働いたことがないのかなーって。 
もしくは、今まで本当にちゃんとコミュニケーションができる飲食の人としか出会ったことがないという幸運な人なのかもしれない。 

飲食の人は大抵、おそらく50%くらい、素では人見知りです。(自分調べ) 

だとしても、“接客してる人=コミュニケーションできる人”というイメージがつくのは、たとえどんなお客様が来たって話せるからです。 

もっと突っ込んで言うと”話せる仕組み”があるからです。特にチェーン店。 

アルバイトが初めてで、今まで接客なんてしたことがないっていう高校生の子でも、そのお店に立った日から喋れるようになる魔法。

それはマニュアルです。 

一時期、マニュアル接客っていうのは良くないイメージで使われる言葉でしたが、仕組みとしては役に立ちます。もちろん、本当の意味で「話せる」訳ではないのですが。 

そして、 本当のところ話すのが苦手な大人でも、制服を着て、お店に立って、このマニュアル通りに話せば、そのお店の店員さんとして見られて、
そのお店の人として振舞うことができる。

自分ではない、誰かを演じていれば、話は苦手でも接客をすることができるって言う側面があります。まあ接客業に限らず多かれ少なかれ、誰しもそういう部分はあると思います。 

でもそれでもやっぱりマニュアル接客で”コミュニケーションスキル”って、なかなか培われないかもしれません。例えば皆さんもこんなことされた経験があるかと思います。 

レストランで席に案内されたら、 棒読みで読まれる季節商品のおすすめ。
お客様はメニューを見ちゃって誰も聞いてない。 

言ってる人も”席に案内したらこれを言ってね”って決まってるから言ってまーすという雰囲気丸出しで、そのまま早口の棒読みをまくしたてて去っていく。

おすすめ商品、絶対売れないですね。 

ただ飲食の人ができるコミュニケーションがあるんです。
ちゃんとできるぞ、って自慢できるやつ。
それが、”察すること”
つまり、「非言語コミュニケーション」です。 

レストランの接客の基本の中に、”お客様から言われる前にやる”
というのがあります。「すいません」って呼ばれたら負け!みたいなやつです。

例えばお冷グラスが空っぽになって「すみませんお冷ください」って
言われたら負けです。

または、客単価高めのレストランの例、
“グループの中で誰を抑えるか”

カップルお二人で来られた場合、男性の方がお金を払ってくれる人ではあるけれども、女性を楽しい気分にさせた方が男性の評価が上がる。 こういった場合は、女性を気持ちよくさせる接客を行う。

...といった具合に、別に尋ねるわけではないんですが、関係性を察して接客スタイルを変えていく。

または、お料理・お酒のおすすめの仕方。

先ほどの季節商品のようにお店がこれを売りたいっていうものはあるけれども、そのグループの雰囲気や関係性によっても、どのくらい料理を押していいか、どのくらいお酒を勧めたらいいのか、グループの中で誰に言うと一番注文してくれそうか。 

それも探ってきます。 

あとは料理の進行が進む中、

 例えば女性が席を立った瞬間に男性に伝票は出す、男性は何も言わずに伝票にカードを差してくれて、女性が戻ってくる前にお会計を終えて伝票を引いて何事もなかったように過ごす。

これを成功させる間には一言も会話を交わさない。

これがいわゆる接客業の”できる人”の能力。 
非言語コミュニケーション!

ここで何が行われてるかって言うと、何も煩わせない、ということ。 

お客様がお連れの人と楽しい会話を交わして美味しい料理を食べて、お酒も進んで、気持ちよくお会計をして帰る。

それまでの間にそれ以外の事を煩わせないために、どう動けばいいかというのを考えられて培われた能力。

でもそれってなにがゴールなんでしょう。
なぜそんなことをしてるんでしょう。
「お客様が、その食事の時間を楽しく過ごしてもらいたい」為です。

しかし、この”できる人”の能力が、だんだん存在感を消しています。
なぜかというと、機械に任せた方ができる、世の中になってきたからです。

接客コミュニケーションの究極の形

ホリエモンが「飲食店の究極の形はスナック」って言っていました。

今からの飲食店は、料理を運ぶのも、注文を取るのも、オススメ商品をサジェストすることまで!AIが肩代わりしていきます。
デートでスマートに会計するのだって、事前に済ますことも可能。
お店でちょっとハラハラするやり取りをする必要がなくなります。

そうして、飲食の接客に残されたお仕事、飲食の接客の究極の形はスナックのママなんだな、と思います。
そのお店にいるママとおしゃべりすること自体が、お店に来る価値になる。そういう接客ができる人が、お店の価値になる。

非言語コミュニケーションの重要性はどんどんAIに取って代わられていくから、これから飲食の人は”言語コミュニケーション”を学ぶことがスキルになる。

本当に「コミュニケーション」が活かせます!

の時代が来てしまうんだな。

言語のコミュニケーションは、楽しませることや相手にアクションを起こさせることがゴール、と思っていました。
BtoBの営業さんが、一番”ビジネスコミュニケーション”として優れているイメージ。

しかし、究極の形はスナックのママだったんだな。。。
嫌味なく相手にツッコむ練習しておかないとな。。。
あと、水割り自分で作りなさいよ!とか?
でもそこまで行くのは相手との関係性ができてから、だよね?
その関係性ってどうやって作るの?そこまでの道のりってやっぱりおしゃべりできることが必要なのでは?あれれ?


…...ちょっと近所のスナックに行ってきます!

以上!
深酒にはご注意!

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