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飲酒運転の罰則・罰金の基準は? 「酒気帯び」と「酒酔い」は違う! 

2024年11月1日以降、自転車の飲酒運転の罰則が強化されることをご存じでしょうか。

そもそも飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」があります。
ニュースでよく耳にするワードですが、似ているようで定義が異なります。
まずは2つの違い、自動車と自転車のそれぞれの飲酒運転の罰則を紹介します。


飲酒運転の件数推移

飲酒運転による交通事故の件数は直近5年でみると、一時期減少傾向でしたが令和5年度は2,346件で昨年より増加しています。
死亡事故件数は減少傾向が続いていますが、決して起きてはいけない事故ですから目指すところは「飲酒運転根絶」ではないでしょうか。

「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違い

飲酒運転は「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2種類に分類され、いずれも道路交通法に定義と罰則が規定されています。

💡「酒気帯び運転」の定義
呼気中アルコール濃度が1リットルあたり0.15mg以上、または血液1ml中0.3mg以上含まれる状態で運転することを指します。
酒気帯び運転は道路交通法で禁止されており、罰則の対象となります。

目安としてアルコール1単位分には純アルコール20gが含まれている為、瓶ビール中瓶1本、日本酒なら1合で基準値を超えてしまいます。

💡「酒酔い運転」の定義
アルコール濃度の検知値には関係なく、酒に酔った状態で運転が困難だと思われる状態で運転をすることを指します。
つまり、アルコール濃度ではなく、アルコールが及ぼす体への影響によって判断されるため、アルコール濃度が0.15未満であっても運転困難だと判断されれば取り締まりの対象になります。

「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」は判断の基準が異なりますが、共通して道路交通法で厳しく禁止されおり、「飲酒運転」として犯罪として扱われています。

運転者の体質によっては、酒気帯び運転には当たらないが酒酔い運転に該当するということもあり得ますので、1杯でも飲んだら運転は控えましょう。

飲酒運転の罰則・罰金

飲酒運転の罰金・罰則は、運転者本人だけでなく、車両提供者、同乗者にも科せられます。

運転者の行政処分

車を運転していた本人には重い処分が下され、酒気帯び運転については呼気中アルコール濃度によって行政処分の重さが変わります。

運転者と車両提供者の罰則・罰金

同乗者の罰則・罰金

お酒が体内に残る時間

サントリーホールディングス株式会社によると、アルコールが肝臓で分解されるスピードは、体重が約60〜70kgの人で1時間に5〜7g程度といわれています。

したがって、500mlのビール1缶(アルコール含有量20g)のアルコールが分解されるまでに約3〜4時間必要です。
なお、体質的にお酒に弱い人や女性は、分解にさらに長い時間が必要となります。

つまり、缶チューハイ3缶飲んだ場合は、半日以上アルコールが体内に残っている状態になります。また、睡眠中はアルコールの分解速度が遅れるので、翌朝でも前夜のアルコールが残っている恐れがあります。
この状態で運転すると「飲酒運転」になってしまうかもしれません。

次の日の朝から車を運転する、もしくは自転車を使用する人は、適度な飲酒を心がけましょう。

自動車保険の補償は?

飲酒運転で事故を起こした場合、「車両保険」「人身傷害保険」「搭乗者傷害保険」は補償の対象外となります。

約款に免責事項として、「道路交通法第65条第1項違反またはこれに相当する状態」の場合は保険金は支払われない旨の記載があります。
なお、被害者救済の観点から相手方への補償「対人賠償責任保険」「対物賠償責任保険」「自賠責保険」は補償の対象となります。

飲酒運転により車両保険・人身傷害・レッカー搬送免責?!

実際に、被保険者が飲酒した翌朝に被保険自動車で対人事故を起こし、車両保険・人身傷害・レッカー搬送が免責となった判例があります。

大阪高裁令和元年5月30日判決

概要
被保険者は事故前日に少なくとも500mlの缶ビール1缶と焼酎の水割り3杯を飲んでいた。
翌日午前8時30分ころ、進路前方に停止していた原動機付き自転車の側面に衝突して相手方を跳ね飛ばし死亡させた。事故後の飲酒検知において呼気ーリットルにつき0.06mgのアルコールが検出された。

判決
事故の前日の晩に決して少量とはいえない程度の飲酒をしたのであるから、翌朝、身体に相当程度のアルコールを保有していることを認識することが可能であり、運転を控えるべきであったということができる。それにもかかわらず、控訴人は、本件車両を運転し、本件事故を惹起するに至ったのであるから、本件免責条項の適用を否定すべき特段の事情は認められないというべきである。」と結論づけました。
したがって、飲酒運転による免責事由となり、車両保険・人身傷害・レッカー搬送などの保険金は支払われませんでした。

行政処分に該当しない0.06mgのアルコールであったものの、通常保有する程度以上に アルコールを保有することが、顔色、呼気等の外観上認知することができる状態が道路交通法第65条第1項(酒気帯び運転等の禁止)に該当するとの判決に至り、車両保険・人身傷害・レッカー搬送の保険金は免責となりました。

お酒が体内に残る時間を紹介しましたが、飲酒しても一晩眠ったからといって全て分解される訳ではありません。
運転する前日の飲酒は控えめにしましょう。

自転車の「酒気帯び飲酒運転」の罰則強化

2024年5月に改正道路交通法が成立し、自転車の「ながら運転」と「酒気帯び運転」の罰則が強化され、2024年11月1日より施行されます。

今までは、自転車の飲酒運転の場合「酒酔い運転」のみが罰則の対象でしたが、この改正道路交通法により、「酒気帯び運転」も罰則の対象となります。
また、運転者本人のみでなく、車両の提供をした人、同乗者や酒類提供者も罰則の対象となります。

自転車の飲酒運転の罰則・罰金

2024年11月以降に改正道路交通法が施行されることで、運転者のみならず自転車を提供した人も運転者と同等の罰則対象となります。


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