見出し画像

ゴールデンウィーク中の交通事故死亡者数、今年は減った?増えた?

コロナ禍による外出自粛が叫ばれていますが、昨年と比較して外出している人が増えているというような報道もあります。昨年のゴールデンウィークは外出自粛の影響で交通事故も減少したのですが、今年はどうだったのでしょうか?事故件数の増減とは正確には結び付きませんが、利用可能なデータの制約から交通事故死亡者数の比較を行います。

全国の1日あたり交通事故死亡者数は微減

今年のゴールデンウィーク(4/29~5/5)の交通事故死者数は7日間で37人、1日あたり5.3人でした。昨年のゴールデンウィーク(4/29~5/6)の交通事故死者数は47人、1日あたり5.9人だったので、昨年と比べて1日あたり0.6人減少していることになります。ちなみに、コロナ禍前の2019年は4/27~5/6の10日間で66人、1日あたり6.6人でした。

画像1

NEXCO中日本によると、管内のゴールデンウィーク期間の交通量は2020年と比べて約2倍に増えています(2019年比では約4割減少)。交通量は増えたものの交通事故死亡者数を増やすほどではなかった、交通量が増えたことでスピードが抑えられて死亡事故に至る事故が減ったといったことが考えられます。

過去5年間のGW期間中の交通事故死者数

コロナ禍の前と比較するとゴールデンウィーク期間中の交通事故死者数はどうなったのでしょうか?過去5年のゴールデンウィーク期間中の交通事故死者数を比較します。

画像4

平日の挟まり方が異なるものの、2017年~2019年と比べてゴールデンウィーク期間中の交通事故死者数は減少しているようです。ちなみに、日別の交通事故死者数は以下のようになっています(平日が白背景、土曜日が青背景、日曜日・祝日が赤背景)。

画像5

4月の交通事故発生件数の比較

交通事故死亡者数ではなく交通事故発生件数はどうだったのでしょうか?利用できるデータの制約でゴールデンウィーク中に限定したものではなく4月のデータの比較となりますが、コロナ禍の前の2019年、最初の緊急事態宣言が発令されていた2020年、まん延防止等重点措置や3度目の緊急事態宣言が発令されていた2021年について比較します。

日本全国の4月の交通事故発生件数は、2019年が32,632件、2020年が20,805件、2021年が25,074件でした。全国的に外出自粛が行われていた2020年と比べて今年の交通事故発生件数は約20%増えています。一方でコロナ禍の前の2019年と比較すると23%ほど減少しています。

画像2

2020年と2021年の1月~4月の交通事故発生件数を比較すると、1月~3月は2021年の方が発生件数が少ない、しかし3月は1月、2月と比べて差が小さいという状況なので、外出自粛の度合いが交通事故発生件数の差に表れていると考えられます。

画像3

交通事故発生件数の増減数・増減率が大きい都道府県

2020年と2021年の比較で4月の交通事故発生件数の増減数・増減率が大きい都道府県を紹介します。

画像6

画像7

交通事故増加率トップ5の都道府県はいずれも2021年に緊急事態宣言あるいはまん延防止等重点措置が発出された地域です。しかし、岐阜県や広島県など後に緊急事態宣言あるいはまん延防止等重点措置の対象となった県でも交通事故が減少しているところもあります。隣接する都道府県からの感染の広がりもあるため、必ずしも交通事故発生件数とリンクするわけではないということでしょう。

ちなみに、交通事故発生件数が減少した都道府県は12県あり、上表の福島県、広島県、宮城県、宮崎県、岐阜県、岩手県のほかに、山口県、愛媛県、和歌山県、新潟県、鹿児島県、島根県で交通事故が減少しています。

最後に

人手の増加が交通事故死者数には表れていませんが、4月の交通事故発生件数にははっきりと表れています。不要不急の外出は避け、外出する場合も安全運転を心がけて交通事故を起こさないように気をつけましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?