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第1回 今日から車使うのやめませんか?

 はじめまして。
 主に環境問題の観点から、今後、住みたいと思える世の中について思うことを書こうと立ち上げました。

 第一回目は、脱車社会についてです(タイトル「車社会をぶっつぶせ!」にしようか迷いました。さすがに過激すぎると思い、やめておきます)。車の中でも主にマイカーのあり方についてです。


 コロナ禍で行くところが減り、かといって運動不足も困るということで、とりあえず用事見つけて近所を散歩、などという人も多いかと思います。

 しかし、家を一歩出たとたん、(心の声)・・車が我が物顔で脇すれすれを掠めていく。しかも、汚いエンジン音をたてて。ということで・・・いらいらするから出たくない。車を運転するとどんな人も多少エゴイスティックになるのではないか、人間の嫌な部分を見る期気がする・・道路沿いは言うまでも無く、駐車場がある集合住宅では、深夜に騒音・振動が気に障る・・・・なぜ、歩行者や自転車に対して、こんなにも車が優先されているのか、車がもっと少なければ、街は今よりはるかに快適になるだろうに・・

 かねてから、もやもやしていたので、前半で、車社会の問題点を整理、後半でどう変えていくべきか案を述べます。(前提として、私は、公共交通に恵まれている一方、坂が多く狭い道路が多い首都圏の大都市に生活していますので、そういった街での車利用のあり方についてのお話と思ってください。)

目次
<前半>車社会の問題点
1 交通事故 2 生活環境の悪化によりストレスを与える 
3 地球温暖化 4 社会的な土地の損失 
5 運動不足 6 移動できる密閉空間
<後半>現代の車社会に対する処方箋
1 車乗り入れ禁止区域の拡大 2車のダウンスペック 
3 エンジン車の排除 4 交通法規の厳格化 
5 車に頼る必要がない社会の構築
<まとめ>

車社会の問題点


 まず前半で車社会の問題点を挙げていきます。

1 交通事故

 説明不要ですね。近年減ってきているとはいえ、死亡者数が全国で毎年3千人程度、負傷者が同40万人程度という数字は、私は決して少ないとは思えません。過激なことを書けば、どんな人も車を使うということは、自動車事故で人が亡くなることを、ほんの少しであっても、容認していることだと思うのです。

2 生活環境の悪化によりストレスを与える


ⅰ)危険・安心して歩けない:

巨大な鉄の塊が人のすぐそばを高速で動きまわるわけで、事故を起こさなくとも、一台の運転は、周囲の歩行者などに相当のストレスを与えます。ストレスを自覚していない歩行者も多いかもしれませんが。人間も、慣れているとはいえ、動物の一種であり、自覚の有無に違いはあれどもストレスにならないわけが無いのです。特に、住宅地への車の乗り入れは、車に乗っている本人以外には相当なストレスとなります。道路が狭い住宅街であれば、車に脇を越される、あるいはすれ違いのときのストレスは相当です。それと、家の周りで子供が安心して路上で遊べないというのもとても冷たく、レベルの低い社会だと思わざるを得ません。

ⅱ)騒音・振動:

ガソリン車のエンジン音やタイヤと路面の摩擦音などとにかく車は騒音を立てます。やはり、夜のエンジン音は耐え難いものがあります(とりわけ騒音がデカイ車種もありますね)。騒音も問題です。住宅駐車場でアイドリングしているだけで、家のドアが震えることもあります。ちなみに、騒音と振動は、「典型7公害」に含まれます。

ⅲ)大気汚染:

自動車による大気汚染は決して過去のものではありません。1台からの排ガスは新技術などによって減っていますが、自動車の総数が増えているため、大気中の粒子状物質(PM)、NOxは現在も濃くなる一方なのです。これらは発がん性が指摘されているものでもあります。(タバコを吸わなくてもかかる肺がん、肺腺がんに罹患しやすくなるという報告も!)

3 地球温暖化


 ガソリンやディーゼルといった化石燃料を燃やすことで生じる二酸化炭素だけでなく、走行に伴って生じるガスの中に、温室効果を持つものがあるのです。それが、メタン一酸化二窒素です(それぞれ二酸化炭素の25倍、298倍の温室効果を持つ)。
 ざっと※を参考に、計算してみると、最新の燃費のいい車(20km/L)で20km走ったとすると2.5kgの二酸化炭素が出る計算になります。これは、都市ガス1.2m3(15℃、1.02気圧)を燃やしたときに出る量と大体同じです。1.2m3というと一人暮らしなら1週間自炊して、シャワー浴びて、とできる量です。(※参考:環境省『温室効果ガス総排出量算定方法ガイドライン』)


 温室効果ガスだけではありません。車の排熱、さらには車のために必要不可欠であるアスファルト舗装の路面が吸収する太陽熱によるヒートアイランド現象もあります。
 私は幹線道路を自転車通勤していたことがありますが、個人的な印象として、ほとんどの車が一般乗用車で、しかも中に大した荷物も入れずたった一人が乗った、通勤と思われるものがそのほとんどという感じでした。

 そこで気づくことが、4,5人も乗れる車に一人で乗っているということは、自重(=車本体の重さ)を動かすためにほとんどのエネルギーが使われているということ。

 なんという無駄!!

4 社会的な土地の損失


 マクロな視点で見て、広い道路が車のためだけに必要ですし、駐車場も必要になります(個人的に、ただ車を止めるだけという、土地の利用法としては究極的にもったいない使い方だと思っています)。

 また、ミクロな視点で見ると、通勤がまさにそうですが、4,5人も乗れる車に1人という状況は、たった1人で大きな空間を占有しているということです。ただでさえ狭い道路なのに、ドライバーだけが1人で幅を取るという状況ですね。(改めて考えると、なぜ標準的な車のサイズって、こうも無駄にデカイんですかね?)

5 運動不足


 車の所有も、ある部分では依存だと思っています。

 マイカーを使うのが当たり前になると、つい楽をしてしまう人も多いのでは。それでいて、肥満や体力低下が問題になるというのは、自己矛盾もいいところです。

 他にも、車に轢き殺される動物の数とか、害はまだまだありますが、今回は都市部における社会的な事項にとどめて、次に、解決法や妥協点を述べてみます。


現代の車社会に対する処方箋


 自動車産業に従事している方々もいることは分かっていますが、今後、マイカーの保有・使用などによる弊害を減らすために、可能なことを考えてみました。

 仕事での運転は仕方ないとして、少なくとも都市部では、自家用車の使用/不使用は選択の余地があります。

1 車乗り入れ禁止区域の拡大

ⅰ)大都市の中心部:

 駅周辺など都市中心部の乗り入れを禁止するということです。少なくとも、まず自家用車から排除してほしいものです。

 自家用車って、結局、特に都市部では、乗っている本人にしか利益をもたらさない割に、本人以外には、確率的なことも含めて(事故を起こすなど)、大きな迷惑を撒き散らすものなわけです。

 ヨーロッパ先進国の各都市では、まずガソリン車の乗り入れ禁止を打ち出しているところも多いようです。ノルウェーの首都オスロでは、「道路を車のものから人のものに返そう」ということで、中心部の車乗り入れを段階的に禁止し始めています。

 ノルウェーの例「newsweekjapan」 https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/01/1-112.php

 車が減れば、道路も駐車場も減らせる。都市の、ますますのコンパクト化が可能になり、さらに車に頼る必要が減るという好循環が生まれます。

ⅱ)住宅地区:

 エンジンの騒音振動で眠れない日がなくなること、近所の住宅地で自由に遊んでも、決して車に轢かれない社会が実現することを強く望みます。日本にそういう条例を制定する自治体があっても良いと思うのですが(是非住みたいです)。もう少し、自治体ごとに独自のカラーを打ち出してもいいとは思います。

ⅲ)時間で区切って乗り入れ制限:

 歩行者天国の時間を増やしたり、あるいは月に1度でいいから、自家用車禁止デーなどのキャンペーンをやってみる、とかでもまずはいいと思います。

2 車のダウンスペック


ⅰ)小型化:

 マイカーが必要という人も当然いるでしょう。そういう人たちのために日常使いの車として、今の標準的なサイズよりだいぶ小さな車が普及するといいと思います。

 繰り返しになりますが、4,5人も乗れる車に一人で乗って・・という車が多いのに気づくと、なぜ今の車はこんなに無駄に図体がデカイのか、と思わずにいられません。CMで「中が広々・・」とか言っているのをよく耳にしますが、その分、外が狭くなって迷惑するんだよ!と声を大にして言いたい!中を広くする余裕があるなら、全体を小さく設計しろよ!ってね。自動車会社の皆様、お願いしますよ・・。

 遠出や数人(4人以上くらいを想定)で乗る機会は多くの人にとっては限られているはず。そういう時はレンタカーで十分ではないですか?と単純に思います。


ⅱ)スピード設備のダウンスペック:

 日常生活で出すスピードですが、時速100km出せれば十分なはずです。高速道路の速度上限も100kmですし。なぜ、普通の乗用車が150kmも200kmも出せるスペックが当たり前となっているのでしょう。
 せめてもう少し小さい、速度の出ない車が標準となってほしいものです。オーバースペックになればなるほど装備が重くなり、自重を運ぶのにエネルギーを食うわけで、使わない設備を運ぶのに日々燃料を使っているわけですね。まさに愚の骨頂・・・。

 もう少し、今当たり前となっている車の設計、ゼロから考え直すときが着ているのではないでしょうか?

3 エンジン車の排除


 温室効果ガス排出ゼロに向けた流れですが、欧州先進国の多くが2030年ごろにガソリン車、ディーゼル車の販売禁止を決めています。温暖化対策で車の規制強化は避けて通れないでしょう。

 大気汚染や騒音の問題も、エンジン車の排除で改善されます。

4 交通法規の厳格化


 最近の八街市の小学生の痛ましい事故現場(飲酒運転は論外だが)、でも、まず速度制限強化、さらには一方通行にするなど、なぜ、法規をもっと厳しくしないのかと思わざるを得ない道路が多く存在します。

 人間というのは、出せる速度は出したくなる生き物と思っておくほかなさそうです。

 ちなみに、ロンドンでは、約24kmという速度制限を検討するようです。「Forbes JAPAN」https://forbesjapan.com/articles/detail/43611?internal=article_topics

5 車に頼る必要がない社会の構築


 カーシェアの充実、コンパクトシティ、自転車の通路・駐輪場の拡充などを進めるべきです。


 ほかにも税制を変えるなどの方策が考えられますが、割愛します。このような方策を実施することで、自動車の私有のメリットが相対的に下がり、合計台数が減ることを願っています。

まとめ


 車の個人所有の時代は少しずつ終わりに向かっていると思います。ただ、その速度があまりにも遅い!特に日本が遅い気がして仕方がありません。この社会は自動車に、生活も経済も依存し過ぎているのではないでしょうか。 

 最後に、私のスタンスを整理します。路線バス・緊急車両は必要ですし、仕事で使う(業務用の車のことです)のは仕方が無いとして、まず自家用車を減らせ!(日本の自動車保有台数に占める自家用乗用車の割合は約75%(出展(一財)自動車検査登録情報協会 令和3年4月末データ))


 一般人が今日からできることとして提案させてください。
 ゼロではない「人をひき殺す可能性」に目をつぶり、確実な温暖化への寄与を積み重ねながら、多大な人への迷惑(騒音振動、大気汚染、幅を取る、ストレスを与える)をかけ続ける。こんなことを抱えてまで、自分自身が車を運転する意味は何か良く考えてほしいと思います。

 月に何日乗りますか?

 一週間のうち何時間、停めたままにしていますか?(ひと月あたり、片道30分の通勤または送り迎えを月21日、週末の買い物で片道30分を4回、月1回の遠出片道2時間として、月の時間720時間で割ると約4%!停まっている時間が圧倒的に長いのです!)

 本当に自家用車を保有する必要がありますか?

 車使うのやめませんか?

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