介護職員に必要な知識・バイスティック7原則【日本インストラクター技術協会】
バイスティック7原則は、社会福祉学者であるバイスティック博士によって定められた原則です。この原則は介護者と利用者と間に、より良い援助関係を築けるように作られたもので、介護職員ならば必ず覚えておく必要があるでしょう。今回は、バイスティック7原則について詳しく解説していきましょう。
バイスティック7原則
個別化の原則
個別化の原則とは、利用者一人一人の存在を尊重し、個別に対応していく考え方です。その人が抱えている問題や課題を理解することで、利用者さんとの間に信頼関係が生まれより良い人間関係を築くことが出来るようになります。個別化の原則は、利用者の満足度を高めたり、間違った先入観や偏見を取り除くことに役立つと考えられます。
意図的な感情表現
意図的な感情表現とは、利用者の心の自由を促すことで、ストレスや不安を取り除くことを目的とした原則です。利用者の中には感情を押し殺してしまい、自分自身を追い込んでしまう方も多くいらっしゃいます。
そこで利用者が感情を表に出しやすい環境作りをすることで、心の壁を取り除き感情を表現しやすい状況を作り出すことが出来るようになります。いかに介護者と利用者の間に信頼関係を築くことが出来るかが、この原則の最大のポイントになります。
統制された情緒関与
統制された情緒関与とは、利用者さんの感情表現に共感し、その感情を客観的に判断し、感情をコントロールしていくことで問題解決へと導いていくことを目的とした原則です。介護の現場ではつい感情的になってしまう場面があります。
ですが介護者と言う立場を常に忘れずに、利用者さんのどの感情に対しても自らの感情をコントロールしていく能力が求められるのです。どんな状況に陥ったとしても感情の一線を越えることは、介護者としてあってはならないことなのです。
受容
受容とは、利用者のもつ欲求や個性をありのまま受け入れていこうという原則です。人の個性派さまざまあり、中には今まで出会ったことのないタイプの人や、あまり好みではないタイプの利用者にも出会うことがあるでしょう。
介護者も人間ですので無理して好きになる必要はありませんが、介護職員としてその人を受け入れることは必要になってきます。その人の感情や考え全てを尊重し受け入れようと言う考えこそが受容の原則と言うことになるのです。ですが、あまりにも非常識的な言動や、自傷他害のある行為は例外ですので対処するようにしましょう。
非審判的な態度
非審判的な態度とは、自分の価値基準で判断してはいけないという原則です。介護者は利用者と一対一になる場面も多く、その都度自分で解決しなくてはいけない問題に直面することもあります。
その時に介護者の価値観を押し付けるのではなく、利用者が自分で問題解決できるように、利用者の思考や行動を支援する役割にまわりましょう。利用者に指示するのではなく、状況を冷静的確に教えてあげるのがベストかもしれません。
利用者の自己決定
利用者の自己決定の原則とは、利用者自身が判断し自分の人生を選択することを尊重していく考えのことをいいます。そのために介護職員がすることは、利用者が自信をもって選択してもらえるような環境を作り、あくまでも介護職員はサポート側にまわるように務めなければいけません。介護者が利用者に命令したり指示したりすることは、この原則によって否定されています。
秘密保持
秘密保持の原則は、利用者の情報を責任をもって扱い、その情報が流出することを避けなければいけません。秘密保持は、利用者との信頼を築くうえでもとても大切なものなので、必ず守ることが義務付けられた原則でもあります。
そもそも話したことをペラペラと話すような相手に本音を言おうなんて思いませんし、利用者も不信感を持ってしまいますよね。利用者の秘密を言わないことはもちろんのことですが、普段の会話も気を付けなければいけません。会社や上司の悪口を言ったり、悪口ばかり言う人も信用を得られないので注意しましょう。
日本インストラクター技術協会には福祉心理アドバイザーの資格があります。こちらの公式サイトから確認できるので、チェックしてみてくださいね。