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#46 適正なリスクとは〜難破船と3人の乗客〜
ユダヤ人はノーベル賞受賞者を多数輩出した優秀な民族であり、
これまでの長い歴史の中で幾度も迫害を受けてきたため、
「頭の中の知識、知恵は誰にも奪われない」
をモットーに、子供の頃から教育にとても力を入れています。
そのユダヤ人の経典に「タルムード」というものがあります。
タルムードは3000年以上、ユダヤ人に代々受け継がれてきた人生の教訓が詰まっていて、その中に
「リスク」について書かれたお話があります。
ある時、帆船が嵐に合い、フルーツがいっぱいなる島に漂着した。
帆船はそこで修理をすることにしたがお腹をすかせた3人の乗客はそれぞれ違う行動を取った。
乗客Aは島の奥まで進みフルーツをお腹いっぱい食べた。
乗客Bは修理が終わって船が出てしまわないように、船の近くで修理を待った。
乗客Cは船が見えるところにあるフルーツを食べながら、少しばかりお腹を満たした。
船の修理が終わり、再び出航した船に乗れたのは乗客B,Cだけで、島の奥までフルーツを食べに行った乗客Aは船に取り残され、島で一生を終えることになった。
船に間に合ったのは乗客B,Cだったが、船がいつ出航するのか恐れてフルーツを食べなかった乗客Bもほどなくして、船の上で亡くなった。
この短い話にはリスクについて、大切なことが詰まっています。
つまり
「リスクは取りすぎてもダメだし、取らなさすぎてもダメ、適正なリスクを取りなさい」
ということです。
投資に例えると、
お金の知識がないのに、トレーダーの猛者がひしめく短期投資の世界で、全資産を「ぶっ込む」のは、何も考えずに島の奥まで行って腹いっぱいフルーツ食べた乗客Aです。
また
「投資って怖いよね」
「やっぱり堅実に貯金よね」
「みんな、そうしてるから」と
元本割れにビビりまくって、全くリスクを取ろうとしない人は乗客Bです。
もしハイパーインフレになれば現金は紙切れになってしまいます。
では適正なリスクとは何でしょうか。
それが、このnoteで散々お伝えしている、
「長期分散投資」です。
資産を株、債券、ゴールド、不動産、現金など様々な資産クラスに分散し、投資時期も積立をすることによって、時間的にも分散します。
また、これまでのnoteにも出てきたように、
「計算」をして、正確な現在の状況、今後の試算、全体像の把握をした上で自分の最適なリスクを取ろうとします。
日本にも
「石の上にも三年」
「石橋を叩いて渡る」
「転ばぬ先の杖」
などリスクや慎重さを表す言葉はありますがリスクの大中小は表されていません。
むしろ日本人は
「みんなと一緒が安心」
というマインドが強いため、リスクを全く取らないまま老後を迎え、収入がなくなった後になって、
「こんなはずじゃなかった。」
「もっと準備しとけば良かった。」
などと言います。
そのように言う人は例えタイムマシーンが出来て、30年前に戻ったとしてもリスクはとらず、行動せず、また同じことを繰り返すと思います。
みなさんも、そうならないよう、様々なリスクを想定し、想定外のことが起こっても、まぁこれくらいなら大丈夫よね。
というリスク管理はしておきましょう。