立秋
夏の夕方は心地よい
陽はいくぶん和らぎ、
無限の青いキャンパスに織り成す天女の羽衣
影と光の濃淡ある田んぼと木陰の公園に置き忘れた玩具
少しの暗さが日中よりも細部まで明瞭に
突然、暗闇へと突き落とす冬とは違い
光と闇の狭間を夏は用意してくれる
あぜ道を勢いよく自転車で走り抜けるあなたは
いつの間にか、電動自転車の私でさえも追いつかない
このままどこかに行ってしまうのではないか
寂しさや安堵の感情より、この後ろ姿が麗しく
ずっと見ていたくなる
「ママー!!、かき氷のシロップ買ってくれた?メロンの方」
ごめん、忘れた。