目標なんて小さくていいのかも。
ひょんなことから、アド弁当カレンダーたる企画に参加している。Twitterで募集をしていたので、やりますと手を挙げてみた。誰も友達はいないし、実際に何分か会話した人が1人だけ。それがこの方コスモ・オナンさん。
【募集】
— コスモ・オナン❄️ (@chikazukuze) November 24, 2020
12/1〜25まで、20代後半の人達で毎日バトンタッチでnoteを書くアドベントカレンダーをしたいです。
テーマは「キャリア」「プチ自慢」「今後の目標」です。
書いてくれる方はリプください。
コスモオナンも真面目に書きます🥰 pic.twitter.com/VTW0QsOSw6
ライター講座の懇親会で初めて会った時の会話は、
僕「かえでさんですか?」
コスモさん「いえ、コスモです。」
あの時はすいませんでした。
企画者の方々参加させてもらってありがとうございます。
連載をまとめたマガジンはこちら
ではでは、「今後の目標」の話になります。
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1.今後の目標
目標を聞かれたら
全ての商業施設にうちの来店客数と男女を計測するIPカメラを使ってもらい、データドリブンに必要不可欠な会社にしたい。海外シェアNo.1の製品を勧める身としてプライドを持ち、日本に導入するプロになりたい。
昔はこんな感じでそれっぽい文章を書いていた。
今の目標はというと
**
「おしゃれでお茶目なおじいちゃんになりたい」**
広信さん(89歳)最高に格好いい
嘘じゃない。本心だ。
なんでこんな目標なのか、少し過去に遡る。
2.昔の話
僕は大学を卒業し、ライフセービングをしていたから有利だろうという軽い理由で消防士になった。ポンプ隊、テロ対策部隊を経て、消防法専門の部署に異動し、その後のSNS運用とマスメディア対応で消防のキャリアを終えた。現場仕事も肌に合わず、今後この組織と一緒に生活する時間と気負いがもったいなくなり、転職を決意した。
次は、来店客数と男女を計測するAI搭載カメラのフィールドエンジニアになった。人数と男女のデータを扱うことは必須だろうし、何よりデータドリブンの入門として優しいと思って転職した。
ただコロナの影響によるストレスか、職場での人間関係か、10月にうつ病と診断されちゃった。自分でもびっくりしている。
医者には復職は勧めないと言われ、手当をもらわなければ、生活できない関係上、現在は失業手当をもらいながら細々と生きている。
こんな状態で自己分析や内省を繰り返しても、きらびやかな目標、ましてやキャリアについては、これぽっちも出てこなかった。一年前に考え直した自分の新天地での目標も一年足らずで梯子を外された形になってしまった。
うつ病のせいか、今までの興味のあったことも楽しめなかったし、IT業界への興味もなくなっていました。無です。む。
3.欲の権化として生きてみた結果
心身を休めるのが今の1番の目標なので、何もしなくていいと思っていたが、休み方がよくわからない。うつになるまで働いちゃうんだから、休むことに関しては素人なわけだ。
自分にいい休みかたがわからなかったので、ひたすらやりたいことを飽きるまで繰り返した。
YouTubeを見たければ、飽きるまで見る。
寝たい時に寝る、昼寝も躊躇しない。
食べたいものがあればすぐに食べに行く。
ムラムラすればすぐに解消する。
酒を飲みたきゃかっこむ。
美術館に行きたければすぐに行く。
会いたい人がいればすぐに会いにいく。
会社勤めの時なら、自制できない人間になりたくないし、そういう奴は弱っちいと思っていたので、今までなら絶対にしないことをやった。
いざそれにも飽きてきて、その生活のなかで楽しんでいたことが2つある。おしゃれを楽しむこと、そして1人でふざけることだ。
おしゃれが好きなのは、服を変えることで少年が仮面ライダーに変身するかのごとく、気分を纏うことができるからだ。1日の気分に合わせて試行錯誤するのが好きだった。そして同じ服でも違う雰囲気にできるところが、彼らのいいところ。こいつやるなぁとかいいながら服を楽しんでた。
1人おふざけは、「ぶっしゃーん」「スパパパ」と効果音付きの料理をしてみたり、雨に唄えばのジーン・ケリーのように、歌って踊って生活していた。
映画の主人公になった気分でたまらん。すごい楽しい。どう思われているかは知らん。
この2つを掛け合わせて「おしゃれでお茶目なおじいちゃんになりたい」を確固たる目標として掲げるに至った。
4.あなたらしくって言われても。
正直なところ、目標を立てるのがかなり苦手だ。5年後、10年後にこうありたいとはっきり考えられた試しがない。その時その時の好奇心に従っていただけだし、それを楽しんでいるのも事実。だけどやっぱり気にしてしまう自分もいた。
昔の同期は確固たる目標のもとライフイベントを着々とこなし、マイホームを買い子供もいる。そんな彼らを羨ましく思うこともあった。
都度自分の中の最良を選んできたつもりだが、これといった目標がないことは気にしていた。
今の社会は、どこもかしこもあなたらしくで溢れている。
適職、転職、新しい生き方、フリーランス、ネットの波に乗り、人の生き方が毎日大量に流れてくる。それに加えて今年はコロナでニューノーマルときたもんだ。特に明確な自分の輪郭がないことが正直つらかった。
「あなたの本当になりたいものは?」
自分を分析しようとするWeb記事、診断、書籍はかたっぱしから読んだし、やってみた。20/10/〇〇にこのサイトにアクセスしました。この文字をなんど見たか分からない。だがぼんやりしたままここまできてしまった。
そしてこの言葉は一見受容のように見えて、明確な答えがない僕には圧のように感じていた。本心100%でやりたいことはあるのだろうか。本当の定義はなんだろうか。人間の心ってそんなに白黒はっきりしてるもんなの?職業を選べるようになったのも19世紀ぐらいの話だしそこんとこどうなの?
卑屈だ。
そんなひねくれ者の僕が出した答えは
「おしゃれでお茶目なおじいちゃんになりたい」
のほほんとした目標である。
人様に説明できるようなカタカナと数字の多いそれっぽい目標を今まではずっと求めていた。でも今はこれでいい。小さくても今は絶対だと言い切れる。漠然としていた僕にとって、新芽のように少し愛おしい。
より大きな目標を持つまで時間がかかりそうだけれども、まずはこれを譲らないで生きていくことに決めた。
これでいい。これがいい。
「あなたらしい」に少し近づけた気がする。
そんなお守りを持ったような温かい気持ちで新年を迎えられそうだ。
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