自分の整理整頓
「人は片付けられなくなる」
気持ちではなく機能として。
初めて孫からもらったもの、結婚祝いのプレゼントや誕生日プレゼントなど、歳をとるごとに嬉しい出来事がものとなって家に増えていくだろう。
思い出を引っ張り出して感傷にひたるなんてこともできる。過去に思いをはせるのも歳を重ねたからこそできることだと思う。
だが、事実として人は毎秒毎秒歳を取っていく。筋力は弱まり、歩いたり掴んだりすることが、だんだんできなくなってくる。
毎日のゴミ捨てができずにゴミがたまる。
それにつまずいただけですぐに人は亡くなる。
人の死は本当にあっけない。
急な出来事に悲しむ家族、やるせなさがあふれる横たわる人。
その現場を見る度に悲しかった。胸に詰まる思いがあった。
自分に必要なものは何かと丁寧に考えることは、快適に生きる術だと思う。
ミニマリストが流行ったのも、「もの」が溢れ、それに対するアンチテーゼとして「こころ」の充足を求める人が増えたからだ。
ミニマリスト(minimalist)とは「本当に大切なもの以外を削り、自分が大事にしていることに全精力を注げる人」のこと。
自分にあれもこれもと付け足していくと抱えきれなくなってくる。そして飽和し破裂する。
やりたいことを決めるよりやらないことを決めようという論調にもうなづける。
このままだと救いがないが、これらを防いでくれるのも老いることだと僕は思う。歳をとることで自分の輪郭がはっきりしていく。諦めること、自分のできること、好きなこと、自分が確かなものとなっていく。
今僕自身もモヤモヤしているが、抱え混みすぎないように、自分に過不足ない生活、それを手に入れるための努力は惜しまないようにしたい。
僕の大事なものへの自問自答は日々続いているが、答え合わせまだまだ先のようだ。
とりあえずは、頭も部屋も掃除しよう。
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