パリオリンピックの開会式に驚愕!これは悔しい!!
今年ははや2024年、パリオリンピックの開かれます。その開会式がどのようなものを企画されているか皆様ご存知でしょうか?これまではスタジアムで行うことが前提のようになっており、その中での創意工夫がなされてきました。ところがパリオリンピックではその前提を大きく覆し、その会場は何とセーヌ川!パリの街全体を会場として、選手は各国それぞれ船に乗ってセーヌ川を通って入場するそうです。
(表紙画像の出典:https://www.paris2024.org/en/ceremony/)
約160槽の船が次々と入場し、10,500人の選手が各国の船に乗って街中をセーヌ川を通じて行脚するそうです。パレードは東から西へ6kmにわたって行われ、パリ植物園のそばにあるオステルリッツ橋から出発し、街の中心にある2つの島、サン・ルイ島とシテ島を回り、8~10の橋やゲートをくぐる。船上で選手たちは、コンコルド広場、アンヴァリッド、グラン・パレといった競技会場の横を通過して、イエナ橋までパレードし、トロカデロ広場でセレモニーのフィナーレを迎える予定だそうです。
もちろん近くで見たい人はチケットが必要になりますが、少し離れてもよければ無料で街中のあらゆるところから人々が観ることができ、その数は60万人以上になるのではないかと言われています。もちろんこんな人数はスタジアムには全く入りきらず、開会式の観戦者数としては圧倒的に過去最大、そして背景としてパリの美しい街並みが見える形になります。
これは本当に悔しい。。。このアイディアこそ東京オリンピックでやるべきだったかと思います。晴海の選手村から次々と選手の乗った国別の船が出発し、一回浅草に集合する。そこからパレードを始めて隅田川沿いに多くの観客が集まり街全体でオリンピックを盛り上げる。これまで誰も見向きもしなかった水辺に注目が集まり、これだけある東京の使われていない水辺の魅力を再認識する機会になったと思います。
その映像は世界中に発信され、隅田川に掛かる様々な特徴的な橋からその両脇にスカイツリー、浅草寺、スーパードライホール、国技館、清洲橋、永代橋、中央大橋、勝鬨橋、聖路加ガーデン、築地、浜離宮、竹芝、そして遠景に東京タワーを眺めながらレインボーブリッジを抜けてお台場でグランドフィナーレを迎える。その映像を見た世界は、渋谷や新宿のイメージが強かった東京に対して新しい魅力を認識し、改めて東京のポテンシャルを感じたと思います。そして、そこで「東京はこれから水都東京として復活します!」と高らかに宣言すれば、これからは東京に投資するべきとより多くの人々と資金を集められるチャンスになったかと思います。
競技会場はベイエリアに多く集積させていたため、実は選手輸送は陸上交通でなく、水上交通の方が効率が良かったのではないかと思います。オリンピック予算を使って大型の船を用意し、各会場近くで乗り降りできる船着場を整備、それがレガシーとしてオリンピック後の新しい公共交通としての水上交通網(東京B-LINE)のベースとなり得たかと思います。
1964年のオリンピックでは高速道路や新幹線がレガシーとなり、その後の東京、そして日本の経済成長を支える重要なインフラとなりました。今回の東京オリンピックのレガシーは一体なんだったのでしょうか?水路を核とした東京オリンピックの開会式や輸送システムが構築できていれば、相当に意義深いレガシーを残せた可能性があるかと思います。
因みに高速道路の一部を人々に開放して公園化、東京のど真ん中に緑のループを創るという東京G-LINE構想も東京オリンピックを通じて東京の本気を世界に発信できるとして、「首都高ナイトマラソン」も提案していました。東京が改めて世界をワクワクさせるためには、このくらいのことをやっていく必要があるのではないでしょうか?
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