【学習会レポート】フォトジャーナリスト佐藤慧さんと考えるイスラエル・パレスチナ問題ってなんだろう?
こんにちは、Inspire Highのプログラムディレクターの宮崎です。Inspire Highのさまざまな情報を発信していくために公式noteを始めました。イベントレポートやプログラムの裏側、学びについてなど発信していきますので、よろしくおねがいします!
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今回は5月9日のライブ配信セッション「元イスラエル兵士オリ・ジヴァティと考える なぜ争い終わらない?」を前に、フォトジャーナリストである佐藤慧さんをお招きして、イスラエル・パレスチナ問題についての学習会を開催しました。
大人でも知らない人の多い「イスラエル・パレスチナ問題」ですが、10代のメンバー60名がZOOMに集まってディスカッション。その一部をご紹介します。
ゲスト:佐藤慧(さとう けい)
NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)所属フォトジャーナリスト、ライター。同団体の代表。世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長であると信じ、紛争、貧困の問題、人間の思想とその可能性を追う。著書に『しあわせの牛乳』(ポプラ社)、同書で第二回児童文芸ノンフィクション文学賞など受賞。
1.そもそもこれは”戦争”なの?
イスラエル・パレスチナ問題について細かく説明すると何時間もかかるものですが、パレスチナの人々はどんどん住む場所が制限されています。場所が点在しているため、町から町へ移動するだけでもイスラエルの検問を受けなければならないそうです。通行許可証がなければ移動もできない。そんな現実があります。
2014年の1年間でパレスチナ側は2000名以上の人が亡くなり、イスラエル側では14名が亡くなったそうです。数字だけでは比べられないものの、この数字から「イスラエルとパレスチナは対等に戦争している」と言えるかどうか、と佐藤さんが問いを投げかけます。
佐藤さんとしては、イスラエルは国際法に違反しており、虐殺行為を行っているという立場を取られていました。
これは戦争なのか、それとも一方的なものなのか?
さまざまな情報を調べて、考えてみるといいかもしれません。
2.考えるための2つのキーワード
イスラエル・パレスチナ問題の詳細はここでは書ききれないので、ぜひ調べてもらえればと思いますが、キーワードは以下の2つでした。
[Keyword01]「イギリスの3枚舌外交」
これは「国境の問題」に関係します。イギリスの外交政策によってイスラエルとパレスチナの国境が問題になります。これがイスラエル・パレスチナ問題の原因になっています。
[Keyword02]「聖地エルサレム」
これは「宗教の問題」に関係します。エルサレムはキリスト教、イスラム教、ユダヤ教それぞれの聖地です。同じ土地を聖地にしていながら、なぜお互い争っているのでしょうか?
これら2つのキーワードから、イスラエル・パレスチナ問題の複雑さ、根の深さが浮き彫りになってきます。ぜひ調べてみてください。
3.佐藤慧さんの4つの見方
今回の勉強会を通じて、佐藤さんが大事にする考え方は4つありました。
1.原因にも原因がある
国境問題、宗教問題など原因の奥にさらなる原因があるということ。
2.憎しみの背後には恐怖がある
理解できないことで恐怖が生まれ、そこから憎しみが生まれてしまう。
3.偏見は人を殺す
偏った見方が積み重なって「ジェノサイド」になる「憎悪のピラミッド」というものがある。
4.「知る」ことで「あなた」になる
少しでも知ることで、自分の見方になり、自分で考えられるようになる。
「一人ひとりの草の根の運動が世界を変えるとぼくは信じています。大きな国や政治ではなく、ひとりひとりの小さな一歩で変わると思っています」
佐藤さんの話から、イスラエル・パレスチナ問題を通して、いろんな視点が得られました。これは戦争なのか?憎悪はなぜ生まれるのか?国境ってなんなのか?
「いろんな引っかかるキーワードがあると思います。それを大事にしてください。そこから考えたこと、思ったことをぜひオリさんに投げかけてみてください」
10代のメンバーからは、
「恐怖が憎しみを、偏見が殺人を生む。。。つらい現実。」
「知らない間にバイアスがかかってしまいますよね。」
「これおそらくどっちが悪いとも言い切れないんだろうなぁ」
「自分が当たり前だと思ってきたことが正しいものではないと気付くのって難しいですよね」
などの感想がありました。
さまざまな問いが生まれるこの問題に対して、元イスラエル兵士のオリさんはどんな考えを持っているのでしょうか?
5月9日のセッションをお楽しみに!
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