オリジナルデータ
URL : https://www.unilever.com/investors/results-presentations-webcasts/latest-results/
2024年7月25日(木)、ロンドン市場オープン前に公表
ユニリーバは安心して決算発表を迎えられる会社の1つ。
ここ最近、決算発表後に株価が下がった記憶がありません。
生活必需品を扱うグローバル企業は、強いです。
ここ3年くらい、ニューヨーク市場に上場しているADRの株価は50ドル前後を上下していましたが、7月26日の終値でついに60ドルを超えてきました。私はテクニカル分析はしませんが、それでも株価チャートの形がすごくいいのは分かります。23年10月を底に上昇基調。
H1 2024 full announcement
First Half Highlights
いつものように、事業の売却や買収の影響を除いた基調的な経営指標を示すUnderlying performance(表の左側)に注目。
全事業で売上が伸びています。事業分離を計画しているアイスクリームは0.6%と控えめですが、それを除く4部門の売上の伸びは前年同期比プラス3%以上。会社全体ではプラス4.1%。
営業利益率は前年同期比プラス17.1%の61億ユーロ(1ユーロ=170円換算で10,370億円)、営業利益率も前年同期比プラス2.5%の19.6%。
おまけに1株配当を前期の€0.4268から€0.4396に増額!2020年第4四半期以降3年以上据え置かれていた配当がついに増加に転じました。言うことなしです。
(2025年末までに完了予定
Chief Executive Officer statement
CEOになってちょうど1年のHein Schumacher氏。
氏のコメントで重要なところは太字の部分。
Outlook
2024年の見通しは、
First Half Review : Unilever Group
会社全体の経営成績はこちら。
上の表中に出てくる略語はいつものアレ。繰り返しになりますが念のためおさらいすると、
USG : Underlying Sales Growth、基調的な売上高成長率
UVG : Underlying Volume Growth、販売数量の売上成長率寄与
UPG : Underlying Price Growth、販売価格改定による売上成長率寄与
A&D : Amortization & Depreciation、減価償却費用
2Qは価格上昇率が下がる中で販売数量が増えています。名目成長ではなく実質成長できてるのが素晴らしい。
First Half Review : Business Groups
事業部門別の経営成績はこちら。
上の表中の略語「UOM」は Underlying Operating Margin、日本語だと調整後営業利益率、といったところでしょうか。
事業部門別の経営成績も良好。大まかに言うと食品系より石鹸、洗剤系の方が強い。
Nutrition(栄養)部門は販売数量の変化はフラット、アイスクリーム部門は1%のマイナス。ユニリーバのアイスクリームの売れ行きは最近あまり良くなさそう。だから事業売却に至ったのかも。
First Half Review : Geographical Areas
世界各地での売上はこちら。
ぱっと見た感じだと「どこも堅調、言うことなし」ですが、もっと細かく見ると中国とインドネシアは売り上げが落ちています。中国は景気が弱い感じ、インドネシアはボイコットです。インドネシアはイスラム教徒が多いので、欧米諸国のイスラエルでの軍事行動に抗議して「欧米ブランドを買わない」という行動に出ています。
その他
2023年に比べると、新興国通貨は少しユーロ安方向、ドルはほぼフラット、ポンドは少しユーロ高方向に動いていますが、そこまで大きく動いている感じではありません。安定していていいですね。日本円とは大違い😭。
参考情報