[雑記] 糖尿病って名前が悪い!
突然ですが、糖尿病というのは、名前が悪い!と思うのです。
日本語というのは、言葉を知らなくても漢字を見ればだいたい意味が分かることが多いです。でも、糖尿病を知らず健康や医療に関心のない人が「糖尿病」という字面だけを見るとたぶんこうなっちゃいます😅。
糖尿病、ああ、おしっこに糖分が出てくるのかな?ふーん、それで?何か困ったことある?トイレ掃除がメンドイとか?糖分吸収効率悪いせいで大飯喰らいで食費がタイヘンだとか?
勘違いも甚だしい🤣。
糖尿病の怖いところは、当初自覚症状がなく、放置すると命に係わる、または生活の質を著しく損なう合併症を引き起こすことです。
この合併症、しめじ、と言われます。
し: 神経系にダメージ。感覚が鈍くなり傷とかに気づきにくくなる。傷が壊死して手足の切断に至ることもある。糖尿病性神経症。
め: 目にダメージ。失明してしまう。糖尿病性網膜症。
じ: 腎臓が機能喪失。一生人工透析が必要な身体になってしまう。
健康食材であるしめじにはいい迷惑。ではありますが、症状も、し→め→じ、の順番に症状が進むことが多いのだそうで、語呂合わせで覚えるには都合がよいですね😆。
もっとも、必ずこの順番というわけでもなく、そこは個人差がある(※)ので過信しない方がよいでしょう。
※元外交官で作家の佐藤優氏は、著書「教養としての病」の中で、人工透析の経験を綴っていますが、この間、五体満足な状態で池上彰さんと対談しているのを見ました。つまり、「じ」は来たけど、「し」と「め」は来てない、ということなのでしょう。
手足を失ったり、視力を失ったりすれば、生活の質が著しく損なわれるのは容易に想像がつくでしょう。
人工透析も、いちど始めたら死ぬまでやめられません。週に3回、1日おきに、病院に行って4時間ベッドに拘束される余生を過ごさなければいけません。しかもひどく疲れるそうなので、4時間の拘束が終わった後の1時間くらいはほぼ何もできないと思っていた方がよいでしょう。病院の行帰りにも時間かかるし。かといって、透析をやめれば尿毒症で死亡する。はっきり言って、逃げ場がない。
こんな高血糖の悪弊が昔からひろく知られていれば、小学校で「給食残すな何が何でも喰え、吐いても食え」という虐待まがいの教育を受けずに済んだかもしれないのに。ふんす😤
ま、それはともかく、糖尿病を悪化させればこんな悲惨な末路が確定しているのだから、多少恐怖を煽ってでも危機感を持つような病名を付けた方がいいと思うのです。たとえば、
老化加速病
とか。健康に興味はなくても美容に興味のある人には刺さるでしょう。
一方で、もう見てくれなんか気にしないもん、という人たちに刺さりそうなのは、
慢性過剰血糖中毒
血糖性全身血管硬化狭窄症
全身毛細血管死滅症
とかでしょうか。中毒、とか、死滅、とかエグイ言葉が入っていた方が、「絶対なりたくない!」と思ってもらえそうです。がんのような、どんなに気をつけててもなる時はなる病気と違って、「なりたくない!」と頑張ればだいたいならずに済む病気ですから、そう思わせることがすごく効果的。
しかも幸いなことに、罹患してしまった後でも、不治の病ではないんですよね。point of no return に至る前に生活習慣を改めて適切な血糖コントロールをすれば、健常者と同じように生活できて、いっさい合併症で苦しむこともなく健常者と同じように天寿を全うできて。むしろ健康に気をつけて生きているから、そこらへんの健常者以上に健康かもしれない😅。
ゆえに、どれだけ早く気づいて、危機感を持てるかが勝負。
残念ながら気づいても放置したり、長続きしなかったりするケースも多いようなので、いかに本人が危機意識を持てるかが勝負なのかもしれません。
きっかけは、なんでもよくて。
健康診断でも、「最近なんか調子が悪いと感じる」でも、「今の生活は明らかに不摂生だ!」と一念発起する、でも。
総理大臣が所信表明演説で「今日から糖尿病を『老化加速病』と呼ぶことにします!」とでも宣言すれば、それだけで一念発起する人はいるんじゃなかろうか?
参考文献
渡邊昌著、最新版 糖尿病は薬なしで治せる、角川新書
佐藤優、片岡浩史著、教養としての「病」、インターナショナル新書