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「第29回かわさきロボット競技大会」の振り返りについて

 試合の動画を見直す決心ができるまで時間がかかりました、びりーです。

 2024年8月25日(日)に第29回かわさきロボット競技大会(以下、本大会)が開催されました。私はこれで11年目の本大会ですが、初めてドライバーとして参戦してきました。
 結果は決勝トーナメントに進出しましたが、1回戦で負けてしまいました。でも、ありがたいことにかわロボ実行委員会賞を受賞しました。
 このときの試合の振り返りを簡単にまとめました。内容は試合中に何を考えていたのか、敗因とその対策です。  


参加した機体について

 参加した機体はシールド回転の「Full Noise」です(図1)。立命杯や中島杯でも使っていましたので、だいぶ手に馴染んできた機体です。

図1 参加機体「Full Noise」

 本大会は運営さんがYouTubeで試合を配信してくれました。試合時間をメモしましたので、動画を一緒に見るとわかりやすいです。といっても、実はこの日2試合しかしてません。理由は次章へ……


予選リーグの振り返り

 予選リーグはGブロックでした。1戦目は芝浦大学SRDCの「Fabulas」さん。でしたが、トラブルがあったようで機体が動かず。自分の入場審査となり勝利しました。「Fabulas」さんはこれで2戦目であり、1戦目は普通に戦えていたからもったいなかった……ただここで弊チームが負けたら、ブロック代表がFabulasさんに決まっただけに緊張しました……
 
 予選リーグの2戦目は立命館大学RRSTの「力(ニュートン)」さん。でしたが、今度はこちらのアンプのスイッチが断線し機体の電源が入らず。アンプの予備を9階控え室に取りに行ってもらうも間に合わず、相手の入場審査となり敗北しました。
 1戦目でも控室でも動いていたのにこのタイミングかよと絶望しました……ただ練習会のときに一度ノーコンになってて、たぶんこのときスイッチの配線が半切れ状態だったのだと思います。まあ、アンプの予備くらいフィールドまで持って行けという話ですね。

 これでGブロックは3チームとも1勝1敗で並びました。各チーム1勝1敗で並んだ場合、参加者マニュアル42Pには「勝ち試合の試合時間が一番短い」チームがブロック代表になるとあります。なので自分は「勝った試合のみ」の試合時間でブロック代表が決まると理解してました。この場合、弊チームはFabulas戦の「2秒」、力さんは弊チームとの試合の「2秒」、Fabulasさんは力戦との「数十秒」なわけです。なので、力さんと「2秒」で並んでいるつもりでした。が、運営さんがGブロック代表は弊チームであると連絡をくれました。詳しく聞くと勝った試合と負けた試合の、両方の試合時間の合計でブロック代表が決まりますと返答頂きました。弊チームは合計4秒になる訳です。
 このマニュアルの表記の仕方ってほとんどの人が勘違いすると思うんですよ……うちのセコンドも間違えてましたし。来年また予選がリーグ戦かどうかわかりませんが、この件はアンケートに書こうと思います。

 結果として、1試合もすることなくGブロックの代表になりました。本当に、力さんには不甲斐ない試合になって申し訳なかったですし、それでいてブロック代表になったのもすっきりしないし、もうリーグ戦を最初からやり直させてくれと思いました……

敗因:アンプのスイッチの断線、予備をフィールドに持って行ってなかった
対策①:予備はあるだけフィールドに持って行け
対策②:ノーコンを起こしたときはアンプを疑え

決勝トーナメントの振り返り

①ブロック代表戦:対「ハチロク」戦 (3:03:00~)
 大同大学ロボット研究部の「ハチロク」さんと対戦しました。ここで勝てば決勝トーナメント進出です。ハチロクさんは転倒スタートのツインミドルロッドです。中島杯で対戦し、敗北しています。
 
 試合開始後、左回りルートを選択。自分はスタート後にスピードが乗りやすい右周りルートを使用して相手に接近することが多いです。
 ただ、ハチロクさんはスタートダッシュに合わせて迎撃してくるだろうと思い、左回りルートを選択しました。中島杯では右回りルートで迎撃されました。左回りはスピードに乗りにくい欠点がありますが、右回りルートを想定する相手の不意を突くことができます。

 ハチロクさんは右回りルートの迎撃に一瞬向かいましたが、すぐに左回りルートに対応してきて自分の左脚を狙ってきました。ただ、自分のアームがハチロクさんのカウンターはじくのが一瞬早く、体勢を崩すことに成功。そこから場外にできました。

 自分の左脚を狙ってきたと書きましたが、試合中は気づくこともなく、カウンターが見えたぞ突っ込め!と夢中でした。突っ込んだ瞬間が図2です。動画のキャプションを拡大したため画像が2010年代前半です。すいません。

図2 ハチロクさんに突っ込んだ瞬間

 完全に下を取られてるので危なかったですね。ハチロクさんがアームを上げるのがあとコンマ何秒か早かったら、こちらが吹っ飛んでいたでしょう。何はともあれ、中島杯の雪辱を果たすことができました。

②決勝トーナメント第1回戦:対「宙(ソーラ)」戦(4:19:15~)
 決勝トーナメント第1回戦では立命館大学RRSTの「宙(ソーラ)」さんと対戦しました。宙さんは転倒スタートのミドルシングルロッドです。なかなか珍しい構成。2023年の立命杯で自分はシールド機を使用して対戦し、敗北しました。
 
 (1本目)試合開始後、慣れた右周りルートで接近。宙さんは即座に反応して迎撃してきました。ここから宙さんが手堅く、我慢強かった。安易に近寄ることはせず、じりじりとゆっくり近づいてきてこちらの脚元を狙ってきます。フェイントかけてもあわててくれません。左右に頭振って、隙を窺いますがアーム先端をこちらに向け続けてきます。途中、宙さんがリングにアームをひっかけたのが見えたので突っ込みましたが、スタートするタイミングが遅かった。図3が宙さんがアームをひっかけた瞬間、図4がひっかけたアームをこちらに向け直した瞬間です。画像は変わらず2010年代前半です。すいません。

図3 宙さんのアームがリングに引っかかってます
図4 すでにこちらにアームを向け直しました

 いや、宙さんが立て直すのがめっちゃ早い。自分は宙さんの左側(相手から見て)のカウンターを狙いに行ったのですが、宙さんは左脚だけを動かして斜め後ろに下がっています。自分がダッシュした勢いをそのまま利用され、まるで闘牛のように場外されてしまいました。

 (2本目)1本目の宙さんの戦い方があまりに硬く、鉄板でも相手にしている気分になりました。どうしたら勝てるのか見えなかったです。
 緊張と焦りで冷静に思考できず、2本目は1本目と戦いを変えることもできませんでした。スタートダッシュで突っ込む→迎撃される→頭振る→突っ込んでいなされて場外の流れがそのまま再現されました。せめてスタート後は左回りルートにすればよかった。

 ドラテクに関する反省点として、自分の機体の左右の振り方が雑すぎる点があります(特に2本目)。守りの上手いロッド機を相手にしたときは隙が見えるまで、滑らかに頭を振らないといけないのに、ぎこちないし途中で動きが止まっているし。
 試合前に気付くべきだったのですが、宙さんのカウンターは転倒スタートにしてはかなり短めで、かつ上向きです。なのでこちらがアームを当てても衝撃を受け流してしまうんですね。試合を見ているとこちらのアームが当たっても姿勢が崩しきれていません。
 視点の位置が練習会と違うのも違和感が大きかったです。本大会はフィールドを机の上に置くため、相対的に練習会のときよりも下の視点からフィールドを見ます。そのせいで宙戦で自分が突っ込んで迎撃された図4の辺りがとても見にくかったです。十字山とリングのふちの間がどれだけあるのか把握しにくく、山に回転したアームを当てるのを恐れて、山の内側コースを責められなかった。

敗因①:焦りすぎ
敗因②:相手をよく見てなかった
敗因③:山を挟んで左右に振る練習が足りない
敗因④:ロッド機に対する戦い方の研究が足りない
敗因⑤:低い視点に慣れてなかった(練習会では正座で操縦しましょう)

終わりに

 いろいろありましたが、決勝トーナメントに進出し、かわロボ実行委員会賞も受賞できました。立命杯や中島杯でもドライバーをやりましたが、本大会は緊張感がまるで違いましたね。負けた試合を見直しているときも内臓がよじれるくらい悔しさが沸き上がりました。やればやるほど、うちの正規ドライバー担当のすごさに気が付きました。

 大会の最後に運営さんから来年からルールをシンプルにするとアナウンスがありました。現在のルールは30年間の積み重ねで現状に即してない部分があったり、複雑怪奇化した部分があると思います。なのでシンプルなルールに整理整頓することで新規団体が増えてくれればいいなと思います。

 運営の皆様、試合をしてくださった皆様ありがとうございました!!



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