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広告費をかけないSHIROの躍進の理由がわかりました!
先日、Xの投稿で
SHIROでの購入体験が特別なものではなくなった
というコメントが話題になっていました。
SHIROで買い物したけどショッパー100円買わないとそのまま手渡されるだけで新商品の紹介もサンプルの提供もないし、前やってくれたショッパーに香水つけてくれるのもないし、体験価値がダダ下がりだな
せっかくの高価な化粧品を
袋もなく裸のまま渡されるのに抵抗がある人が多いようで
さらには試供品や紙モノ色々が無い!といきどおる人も。
気になったので
エシカルなブランドとして確立しつつあるSHIROの
ブランド戦略の歴史を調べてみました。
北海道砂川市から
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北海道砂川市、観光土産品の製造や、卸販売を目的として株式会社ローレルが創業。ハーブや石鹸などの通信販売が好調で、のちに大手企業から化粧水開発の依頼を受託。
それが1998年のこと。
ここから徐々に化粧品雑貨のOEM業務を請け負い、
2009年自社ブランド「LAUREL」を立ち上げる。
2015年にはブランド名を「shiro」へ
2019年には「SHIRO」へリニューアルしています。
ざっくりとヒストリーですが、
意外にも歴史の長いブランドであることがわかります。
「いいものは自然と売れる」
OEM(他社ブランドの製品を製造すること)の中から
"本当に自分たちの欲しいもの"を作るために自社ブランドを立ち上げ
徐々にOEMの比率を減らしていきます。
"「いいものは自然と売れる」と信じているから。"
の言葉通り、順調に売り上げを伸ばし
知る人ぞ知る"特別なブランド"としての価値を確立していく。
そんなshiroに2019年に事件が起きます。
#改悪
「shiro」から「SHIRO」へ
リブランディングを実行した時に
それまでの世界観を崩したと非難を受けることになります。
「#改悪」なんてハッシュタグが横行するほどに
SHIROは叩かれたのです。
"前の方が良かった"
"大文字は強くて嫌い"
"使っていた商品が廃盤になった"
ロゴの変更理由として
"ロゴを小文字のshiroから大文字のSHIROにし、書体も変更したのは、存在感のあるいでたちのほうがグローバルでは伝わりやすいのではないかという視点から"
とのこと。
確かに、華奢な小文字より
大文字の方が存在感があります。
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余談ですが、翌年ローンチされた資生堂「BAUM(バウム)」も
同じような大文字書体を使っていますが、参考にしたのかもしれません。
エシカルを貫くブランド姿勢
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ロゴの変化はさておき、
SHIROは一貫してエシカルな取り組みを重要視し、
それを発信し続けてきました。
エシカル:
英語で「倫理的な」という意味
環境や社会、人に対して配慮することとして使われる
冒頭の紙袋の有料化や
余計な装飾を省いた梱包などは
エシカルを公言するSHIROにとって
重要な取り組みのようです。
ここで私が感じたのは
"いい子は目ざわり"
という、学校のクラスで感じる嫉妬や妬みの感情です。
何か良いことをしようとするSHIROに対するアンチの感情がSNSに出てきてるのでは無いかと感じました。
徹底したプロダクトアウト
ちょっと専門的な話をしますと
SHIROは完全なるプロダクトアウト型の戦略です。
プロダクトアウト・・・企業が作りたい、売りたい商品を販売する戦略
マーケットイン・・・消費者ニーズを重視した商品を開発し販売する戦略
しかも自社生産が可能なので
ものすごいスピード感で商品を作っていると言います。
広告手法はリスティング広告とインスタライブ。
顧客割合は購入者の65%は新規、35%は継続。この構造は3年ほど変わっていないとのこと。
ほぼ広告費をかけずに新規を増やし続けています。
ここから私が立てた仮説は
1.商品を作り
2.発信し
3.たまに叩かれる
4.それが広まり、SHIROのことを調べた一定数が新規顧客となる
というもの。
自分に合う化粧品は年齢によっても変わっていくものです。
そんな化粧品ジプシーや予備軍に対して常に発信し続け
それがエシカルに興味のある層へ刺さる。
発信し続けることで話題性が増し、またアンチも巻き込んで拡散されて行く。
SHIROが商品に真面目に向き合い、真摯に作り続ける以上、
この構造は変わらず、新規客を取り込み続け、成長し続けることでしょう。
(今後は海外への展開を本格化させて行くでしょうが、海外でのマーケティングはどうするのか、気になるところです。)