Googleの3rd Party Cookie規制またまたまた延期

Googleの3rd Party Cookie(3PC)規制が3たび延期となった。

英国の競争・市場庁(CMA)との調整に時間がかかることが大きな要因のようだが、これは3PC規制に対するGoogleの目論見が規制当局によって弾かれているということである。上記の記事から一部引用する。

グーグルは代替策として、個人を特定できない形で関心に応じた広告を配信する「プライバシーサンドボックス」と呼ぶ仕組みを提案している。だが代替策への移行が同社に有利に働き、競争環境を損なうおそれがあるとして英競争・市場庁(CMA)が21年に調査を始めたことで計画の見直しを迫られた。

どうやら、3PC規制の代わりとして用意しているPrivacy Sandboxが、まだGoogleにとって有利なものであると見られており、その課題の解決ができていないとCMAにより判断されているようである。

Googleはこれまでに圧倒的に優位に立つようビジネスと展開してきた。詳細はアタラの杉原氏が書いた下記の記事が詳しい(有料会員限定記事)。

これによると、Googleは広告の両面、つまり広告主側とメディア側のシステムを完全に手中に収めており、圧倒的に優位な立場にある。市場の独占という意味ではこれは健全とは言い難く、ここが各国の規制当局から目の敵にされている原因であろう。実際の現場でも、よくよく見てみるとGoogleからの広告配信ではないように見えても、裏側を見てみるとGoogle広告に接続しているというケースはよくある。こういったケースを詳細に分析していくと、結局はほとんどの広告配信がGoogle広告となる。

さて、本マガジンの第1回でこれ以上の実施期時期の延期はないと書いた。規制当局の事情次第では、という条件付きの見方ではあったが。結局、Googleとしては規制に対応すべく3PC規制を実施しようとしているものの、当局から跳ね返されているという状況である。状況から勝手に判断すると、規制後でもGoogleが市場を支配するという構図は変わらないと見られていることだろう。今後も同様の状況が続けば、4回目の延期も考えられなくもなく、引き続き注視していくしかない。

(了)


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