たね


夜中に目が覚めた、
癖で画面に手を伸ばす。本当は何時だっていいのだけれど。喉が乾いてることに気づいて少し動いたら部屋がぬるくて、スーツのまま入っていた布団の中が気持ち悪かった。
胃が重くて、暑くて、意味の無い音が口から漏れる。

体調が悪いとき、自分の胃の中を想像する。
食べたものがぐずぐずに半固形のまま混ざって、脂が固まったり、溶けたりを繰り返している。
空気の潰れる嫌な音が鳴る。
1回、綺麗に洗いたいなとよく思っている、しばらく断食をしてない。


無性に果物を食べたい。最近はブルーベリー、柿、キウイ、りんご、きんかんを食べました。
皮も種も、ついてるシールまで食べる。
そういう時も、胃の中を少しだけ想像する。
意識的に呑み込んだ種が芽を生やして、わたしのお腹を突き破って出てきて、
シールとか髪の毛とか吐き出すのがめんどくさかったガムとかが排水溝みたいに詰まる。。
そんなことはたぶん、有り得ないのでわたしの胃を重く、居心地悪くするだけなんだけど。
わたしを構成する行為すべてに痛みがあるといい。ごめんなさいをしながら種を飲み込むと、想像上で、ごとり、と重い音が鳴った。

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