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自分を傷つけないということ

僕の高校時代は控えめに言っても暗黒時代で、あんまり記憶に残ったことがない。あれだけやった微分も積分も物理も全然覚えてないし、それ以外の生活でもゲームばっかりやっていたように思う。

そんな高校時代でも、一つだけ鮮明に覚えていることがある。

国語の先生が卒業を間近に控えた僕らに話をしてくれた時に

「自分を傷つけることだけはやめてください」

と言ったこと。

当時は「うんうん」とわかったようにうなずいていたけれど、今この歳になり、子供も生まれ、実感としてわかる。

自分が悪い

僕は何か問題が怒ると、自分が悪いんでしょといつも思っていた。でもそれは問題に対する逃げのようなもので、そう考えた事で状況が良くなることなんてなかった。自分のせいにする事で問題の終結を図るという短絡的な思考がそうさせていた。結果的に自分を傷つけて終わり。そんな事を繰り返していた。まあ、ヤケになるってこういう事だと思う。

自分を傷つけると周りも傷つく

自分を傷つけている人を見て、悲しくなる事に気付いたのは結婚してから。妻は責任感の強い人で上手くやれないことがあると、自分のせいだと自分を責めていた。僕はいつもそんな事は無いよと言いながら、悲しい気持ちになっていた。その時に、ああ、自分を傷つけると周りも傷つくんだと初めて知った。それ以来、自分が悪いという事を思わずにいようと考えるようになった。別に問題が起こったとしても、それは結果として問題が起こっただけで、自分が悪いと責める必要などどこにもないのだと今になって思える。

息子にも伝えたい

今、僕には息子がいる。まだ言葉もわからないけれど、改めて伝えたい。

自分を傷つけないでね

彼の人生にはこれからいろんな問題も起こるだろう。思い通りにいかないほうが多いと思うし、その度に傷つくこともあるのだろうと思う。

でも、どんなことがあっても自分を傷つける必要なんてどこにもなくて。自分の人生を楽しんで生きて欲しいなと心から願うばかりです。


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