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修士論文を書いてたらおくちが臭くなった話

 私が修士論文を書いていた時期は、同じ大学院で出会って学生結婚した1つ年下の夫と結婚生活が始まった時と重なる。
 学生結婚といっても、ふたりとも30過ぎて進学したから通常の学生とは10コくらい歳が離れてて。それが居心地良くもあり、悪くもあり。

 だから、私の足は段々と研究室から遠のいた。そして、ふたりの愛の巣である学生のための世帯寮が私の研究室になったのである。


 夫は私とコースが違って、取らなきゃいけない単位もたくさんあったから、いつも学校に行っていた。だから、残された私は日中はほとんどひとりで愛の巣にこもってパソコンとにらめっこをしていたのだ。

 私、めっちゃストレス感じてた。

 迫りくる論文提出期限。
 やべー。怖えー。ヒー。

 なんて焦ってたら、口が臭くなったのである。もちろん、ストレスで胃がやられた影響に違いない。

 おくちが臭いことを指摘してくれたのは、我が愛する夫である。夫曰く、「おくちがサーベルタイガーで目に染みる」とのこと。

 解説しよう。
 まずは、サーベルタイガーを紹介する。
 写真の彼だ。


※画像はお借りしました。

 見て。彼の牙。いかにも殺傷能力高そうでしょ。
 
 夫の発言を夫自身が解説している。
 「口臭じゃなくて、その奥からくる臭いのが尋常じゃなくて、目に刺さるほどくさい。」だって。

 

 むかーし、後藤久美子が『ゴクミ語録』って本を出した。そこに、嫌な芸能リポーターに向かって「おじさんの口臭い」って指摘したって書いてあったのね。「口が臭い」って 人をいちばん傷つける言葉だ、ってことを私はその本から学んだんだ。

 が、おくちが臭くなった私としては、指摘してくれる人の有難さを思うんだよ。言えるような関係性って難しいけど。

 


 

 


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