見出し画像

【ウクライナ情勢考察】アメリカからの軍事支援額が、2021年度のウクライナの国防費を超えたらしい

☆☆☆
 記事作成者はただの一市民に過ぎず、軍事専門家でもなければ国際政治専門家でもありません。一市民の考察としてお読みください。
☆☆☆

 2022年7月2日(土)。今日のNHKnews7であった報道だ。最後の方にちょこっと出てきた。「アメリカがウクライナに対して追加の軍事予算を決めた。この結果、ウクライナの2021年度の国防費を超える支援額となりました」らしい。

 NHKが言っているので、遅ればせながらの確実な報道ということになるだろう。巷ではKDDIの回線がダウンして復旧が一向に進まないのが日本における大事件となっている。

 その裏で、アメリカはウクライナに対してウクライナの2021年度の国防費を超える支援額を送っているのである。

 アメリカが何も支援しなかったらどうなっていたか。ウクライナは国防費が底をついてロシアの中間的電撃戦は7月で幕を下ろしていた、ということになる。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は「2014年に一方的に併合されたクリミア半島、ウクライナ東部を含めて全国域内を奪還するのが目標だ」と明確に目標を明らかにしている。

 しかし、お金を握っているのは既にアメリカということになっている。軍人は送ってはいないがかつてのベトナム戦争を思い出させる。結局アメリカはなんの戦果もあげることが出来ずに、ベトナムは社会主義国へと普通に移行していった。

 こんなことを、日本の、一市民が言っていいのか疑問だが、ウクライナ人の特に無理矢理に国民総動員令によって駆り出された男性の市民軍人などは、本当に戦争がしたいのだろうか。

 「祖国を守る」これは国民を一致させるスローガンであり、どこの国であろうとこの気持ちを第一に考えて防衛守衛を徹底するのは当たり前なのだ。常識なのだ。しかし、

 ロシアが初めにキーウの周辺に軍備を配置せず、東部とクリミア半島だけを狙っていたならば、

 時間の猶予がなく、アメリカが何も軍事的支援をしていなかったら、
 
 ウクライナは7月には東部とクリミア半島、黒海は全てロシア側に支配されていた可能性が充分に高い。

 簡単に言えば、その国力だけではウクライナは負けた結果を歩むはずだったのだ。

 長期戦になり、塹壕の中でウクライナの市民兵は何を考えているのだろうか。

 「祖国を守る」そのスローガンは必ず全員が共有しているだろう。しかし、既にウクライナが2021年度に持っていた一年間の総軍事費を超える軍事費をアメリカがわずか約4ヶ月で出していると知ったならば、本来ならば負けていた戦だったと知らされてしまったならば、早く戦線から退きたいと誰もが思うのではないのかと考えてしまう。

 「祖国を守る」というスローガンは絆でありほだしでもある。「祖国を守ること以外を考えては非国民」というレベルでウクライナの市民兵は戦っている。

 マクロで見てしまえば、アメリカ側の視点で見てしまえば、ウクライナを戦場としたアメリカの代理戦争のような構図になっているのかもしれないのに。ベトナムを戦場としたソ連とアメリカの戦争のように、ウクライナ市民兵は駒として扱われている可能性も全く否定できない。ウクライナ人は《《選択する自由が無い》》状態にあるのは事実であると思う。《《降伏する自由が無いところに、》》今回のウクライナ情勢の数ヶ月が経った後の様相で一番怖いところである。

 ロシアも失敗している。先ほど書いたが、いきなりキーウを占領してゼレンスキー大統領を脅しにかけたのは完全に失敗だった。ロシアも何も得することが無かった。そして、ロシアが電撃戦を失敗したことにより、アメリカの介入を許し、かつてのベトナム戦争のような代理戦争へと変貌を遂げた。これは、戦争が長期化して一番困るのはウクライナ市民そのものであり、ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めたそのこと以上に、ウクライナ側にとっては欧米の支援があるために《《降伏することができない》》という、最も苦しい状態に置かれてしまっている。

 ロシアのウクライナ侵攻が最も事の発端で悪いことであるが、電撃戦を失敗しウクライナ人に選択の自由を与えることが無くなったことも、ロシア側の電撃作戦失敗におけるウクライナ側の損失でもある。人が一番大事なのは当たり前なのだ。長期戦になり、逃げる自由も降伏する自由も奪われたウクライナという国家は、かつての太平洋戦争中の日本のようになってしまう。「一億総玉砕」「神(天皇)のために死ぬのは良いことだ」そのようなスローガンでどれほどの命が失われていっただろう。

 「命がもったいない」とはワンピースで使われたセリフだが、長期戦になると何が勝ちで何が負けか分からず、また、軍事支援を行っている国は代理戦争という形でかつてのライバル国の兵力を削りに来る。その犠牲となるのはウクライナ人、その人たちなのだ。

 戦争が早く終わってほしい。本来ならば終わるはずだった。「NO WAR!」「戦争反対!」と世界中でデモが起こるくらいに、欧米側に時間的猶予を与えてしまったロシアの特別軍事作戦の電撃戦の失敗は、皮肉にも「NO WAR!」が叫ばれれば叫ばれるほど長期戦の様相をなし、ウクライナ人そのものを苦しめていることになっている。

いいなと思ったら応援しよう!

井上和音@統合失調症・発達障害ブロガー
よろしければサポートをお願いします。