西尾幹二「ドイツ語は古典語であり、一般大学生には不要」

ドイツ文学専攻の学者、西尾幹二死去。

ナチスドイツの暴虐を厳しく批判する西尾幹二

西尾幹二 - Wikipedia

彼の本業は電気通信大学教員であり、理工系学生にドイツ語を教えていた。

あるとき、学内報に「ドイツ語を学ぶ意義」を書かされて、困ってしまった。

「思考の訓練のためには、外国語は一つだけでは足りない。英語と何かもう一つ学ばないと、思考が深まらない」
みたいなことを書いたのだが、それは本音ではなかった。

西尾幹二の本音とは、
「ドイツ語はドイツ人以外にとっては古典語である。実用性はない。ふつうの大学生が学ぶべき言語ではない」
ということでした。

身過ぎ世過ぎのためとはいえ、電子工学や情報工学を学んでいる電気通信学部の学生に、彼らには全く無駄であるドイツ語を教えねばならなかった西尾幹二の心境はどうだったのだろう。自分の好きな分野だからこそ、無意味な教育は、耐え難かったのではないか。

西尾幹二の本は、「国民の歴史」なんかよりも、こういう地味な本の方がずっとおもしろいです。本人が好きなことを好き勝手に書いているからです。

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