井上たつの

生理にまつわる不調がひどすぎて34才で子宮卵巣全摘しました。PMS、PMDD、適齢期、タブー視からの無知、いろいろややこしかったですが人生はこれからだぜ! 毛穴からマイナスイオンがでてるので場が和む人間です。人の親切だけで生きていけそう。

井上たつの

生理にまつわる不調がひどすぎて34才で子宮卵巣全摘しました。PMS、PMDD、適齢期、タブー視からの無知、いろいろややこしかったですが人生はこれからだぜ! 毛穴からマイナスイオンがでてるので場が和む人間です。人の親切だけで生きていけそう。

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2022年8月が終わり(記録終)

最後まで記録せずにバタバタと過ごしてしまってた。 結果は大団円というか、4ヶ月以上経った今それなりに元気です。これから先何かがあるとすれば数年〜数十年単位になりそう。なので、一旦産婦人科の通院記録は終わりです。 前の記事に、退院後の自宅安静2週間が過ぎた4月末まで書いた。それから数日して5月初めに経過観察の診察があり、経過はめちゃくちゃ良好とのこと。出血があったのも「治りかけてるところが肉芽みたいになって、動いてるうちに擦れて出血したのだと思う、これからもあるかもしれないけ

    • 「人生の夏休み」(超短編小説)

      「夏休みを所望します」 「お、ついに井上もとるのか。どれくらいの予定?」 「一週間の予定です。二十五世紀に、三日ほど。あとはこちらでゆっくり過ごすつもりです」 「そんだけでいいの?GWと変わんないじゃん。一ヶ月にしときなよ、飽きたら仕事出てきていいからさ」 「では一ヶ月申請させてもらおうかな…途中で出てきてしまうと思うけど」 「なかなかそれが、名残惜しくなるのよ」 “人生の夏休み制度”ができて日本は変わった。思いきりがよくなり、「とりあえずやってみよう」と前のめりな国になっ

      • 1年経ちました

        去年の4月11日に全摘手術をして、今年のGWが今日終わりました。 下書きいっぱい溜まってるけど、ひとまず変化を。 すっごい明るくなった。 ちょっとの風邪ならこじらさず治るようになった。 いろんなことをめっちゃ忘れるようになった。 自力で生活できてる気がする。生きるのにめっちゃお金がかかることを知りつつある(知らない税金の振込み用紙が時々届いてる最中) 自分は男の子でも女の子でもないって思う。井上でありたい。よくわかんないけど、性自認は変わっていくかもしれない。 雨には弱い

        • 思い上がりとわかっているけど

          「手伝って」と言われてないのにやってしまうことがある。そのときに「頼んでない」と言われもするし、積もった頃怒られたりもするし、巡り巡ってその人のためになってなかったりする。井上は多かれ少なかれ「やってあげた」と感じ、いい気持ちでいるのであんまり他人に手出し口出しはするべきじゃない。わかってはいるのだけど。 夏から気になっていた知らない人に、ついに声をかけた。たくさん考えたけど、出来ることがあれば聞きたいしなければそれでいい。普段から偉そうに見えるらしいから、上から目線に感じ

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        2022年8月が終わり(記録終)

          目の下のキリトリセン

          2020年2月の来月は、2022年9月だった。 それまでに井上は25世紀の手術を受けたし、ベルリンで十年前に十年後を不安がってた人は十年後も十年後を不安がってる。 「多分こうして70、80になってって、90はどうなんだろうと思ってるんやろうなあ」 「次の来月はいつになりそうなん?」 「えっとー、2048年かな」 「忘れへんように墨で刻むわ、目の下に」 「いかちいな」 便利だから時間は不可逆で等速と思い込んでるし、地球は自転してるとうっかり思ってる。 ホントでもウソでもいい。

          目の下のキリトリセン

          2週間自宅安静

          熱だけ持って帰ってきて、だんだんと頭痛以外の痛みは薄れてゆき、歩いたりはしゃいで歩いたり笑って歩いたり歩かなかったりして微熱は治らんまま2週間が過ぎようとしてた矢先に少量の出血と少しのジクジクした下腹部痛が始まった。 まあーーーびっくりしてびびって、え?生理?いやいや子宮も卵巣もないわーいって思いながらはだおもい買って震えながらトイレ行って、退院するときに「ドバーッて血がでたり、お腹がめっちゃ痛くなったら救急でも来てください」って看護士さんに言われたのを思い出して、「とりあ

          2週間自宅安静

          退院したよ!のご報告

          誰にあてたわけでもないけど、たまに読んでくれてる知人(いるんかな)と、どうにもならなくてもやもやもやもや性のことで悩んでる人達と、「性自認は十人十色」と言ってくれるアライの人達へ。 やったったで!!!(笑) 34歳、健康な女性の体から健康な子宮と卵巣を全摘しました。 週5で働けへんのが怠けてるとか、自己管理したら体調不良なんかないはずとか、子どもがほしくないなんておかしいとか、ひきこもっとけとか社会のお荷物とか、たまたま体に恵まれた人達には言わせとけばいい。想像力のない人

          退院したよ!のご報告

          なんとかって名前の手術

          うまくいってると報告する現状がないように思えて、今日手術である。書き出せたのは、朝から浣腸と点滴でやだなぁしんどいなぁと思ったから。報告なんて泣き言なのかな。 保険が効かないのと、特別理由もなく「かわいそう」と言われたり残念がられたりする以外はメリットだらけの手術、ここまできました。 病名は「月経前不快気分障害」。 めっちゃ過去と向き合って深層心理とかトラウマとか全部解決していったら生理痛PMSPMDD等軽くなって問題なく社会生活を送れる(向き不向きは別にして)かもしれな

          なんとかって名前の手術

          愛とは

          ゆとりでさとりでずっと適齢期な日本人女性(田舎生まれ)として、 愛とは 信頼関係のうえで成り立つもので全てを尊重し間違ってたら指摘しつつまた立ち直るのを信じ抜き自分と違うやり方・考え方に「そう思うんやねぇ」とうなずく 利益や損得、ステータスを排除したらそんなシンプルなこと。ドクターヒルルクが裸で「武器は持ってない!安心しろ!」と言うのが一番近い具体例と思う。 社会的な自立と個人の自立を混同せず、やりたいことやれたらいいよね、ハム太郎。

          倫理委員会の許可がおりました

          「帰れない」じゃなく「帰らない」選択をした初めての年末年始。 年末に施術する病院の精神科?心療内科?を受診して、通院中の心療内科の先生と大病院の産婦人科の先生からのお手紙(カルテ?)を踏まえて確認しながらお話して、後日心理士さんと心理テストをして、またそれを踏まえて倫理委員会の会議があって、一月半ばに両方の産婦人科の先生から診察で「倫理委員会通ったよ」と言ってもらえました。 あとは、経理部みたいなとこで費用の算出をしてもらってから入院・手術の日程決めて、逆算して検査や説明(

          倫理委員会の許可がおりました

          倫理委員会が継続審議にした理由

          書いてなかった。 執刀医も「最初から一回のプレゼンで通るのは難しいと思っていた」とのこと。 なぜなら、倫理委員会はいろんな科のお医者さんの集まりで男女ともにいるのだけれど、お医者さんとはいえ男性は「生理ってそんなにしんどいの?」と一般人くらいの知識の人もいれば女性も「PMSしんどいよね、わかるー」と自分のこととかまわりの人の症状を知ってるくらいが関の山感。まあ人間の体ひとつに数多の科があるくらいだから、お医者さんとはいえ専門分野以外のこと、しかもレアケース(?)なのでまずは「

          倫理委員会が継続審議にした理由

          初めましての精神科医

          施術予定の病院で、「患者(井上)は自分で判断できてるか」を確認するために精神科の先生に会った。これまでの症状や治療、そして結果なんかを地元の心療内科医と大病院の産婦人科医に送ってもらっていたので、初診はその照らし合わせみたいな感じだった。もちろん意識は混濁してないし、会話はできている。 先生は「僕はあなたが判断できていると思うけれど、僕の言葉だけでは弱いので次は心理士と心理テストを受けてもらってそれでダメ押しをします」と仰った。 心理テストは、例えば統合失調症などで幻覚や幻

          初めましての精神科医

          レールに沿わないなら自分で考えなくちゃいけない

          死ぬほど受け身でも死ぬまで生きられるのが日本だけど、大体みんな大なり小なり自分で選択しながら生活してる。例えばお仕事では完璧主義の上司の言う通りに動いてて自分の意思はないように思ってても、ばんごはんのメニューとか洗剤の種類とか選択の連続。そういう選択は自分のために自分でした選択だから、責任が全部自分。ひとつひとつは小さな負荷でも積み重なるといっぱい考えて選び続けたことになるからいつのまにかしんどい。 みんながんばってる。はよ「遊ぶ金ほしさに働きたいです」って面接で言える時代こ

          レールに沿わないなら自分で考えなくちゃいけない

          機能性月経困難症が施術の決め手にならない理由

          教えてもらったんだった。 施術の理由はPMDDということになっている。なぜなら、機能性月経困難症はピルやリュープリン注射など今まで井上が試してきたことで治るものだから。 また、精神科の再診が必要な理由も、「身体表現性障害」と言って、メンタルの不調が身体の不調に出てくるやつだった場合身体の不調をひとつ(今なら生理痛)解決しても、また違う不調(頭痛とか腰痛とか?)を訴えてきてイタチごっこになっちゃって根本的解決にならなかったらあかんから、ということらしい。 確かになー。元気なと

          機能性月経困難症が施術の決め手にならない理由

          「パンツ」

          短い詩かエッセイを、と言われたのに超短篇みたいなのを書いてしまった。けど気に入ってるので残しとこう。 「パンツ」 「ゆうちゃんの畳みよるパンツは、おはぎみたいじゃな。おはぎ、畳みよんか?」 大真面目にその日乾いた洗濯物を畳んでいたら、ハコが昔話でも読むみたいにたっぷりとそう聞いてきたから焦って「ちがう!キチンとしまうからこうなの!」と返した。両端から三分の一ずつ縦に折って、股の部分が中にくるようにくるくるするのをおはぎと言われてふつふつ沸いてくる笑いをみぞおちのあたりで痙

          「パンツ」

          クリパ

          概念を壊そう。 パーティーにおいて大事なのは、楽しいかどうかである。奇祭好きなきのこちゃんとクリパという名目でお出かけしようと決めてから、2人の希望したスケジュールは「裁判傍聴」と「消火器の飾り付け」だった。 きのこちゃんは手際がよい。消火器がセロハンテープだけでこんな神々しくなるなんて思わなかった。飾り付けが終わったら、コスプレ会場のように消火器をバシャバシャ撮影した。「実際火事なったら消火器使ったことないし多分逃げるよな」って話してたけど、きのこちゃん帰ってから家の中に