リセールバリューの考え方。ぼくの実体験。
こんにちは
井上です
ぼくは昔から物持ちがいい方で、身の回りにも10年以上使っているものが、けっこうあります。
基本的に、欲しいと思ったものはすぐに買ってしまうタイプではありますが、こだわりのないものは壊れるまで使うことが多いです。
そして、欲しいと思って買ったものは大切に扱うので、より長く所有することになります。
この記事では、そんなぼくが、本当は手放したくなかったものを売った際のエピソードと、そこで学んだリセールバリューの考え方について書いていきます。
リセールバリューとは
リセールバリューとは「一度購入したモノの売却時の価値」を指します。もともとは、主に自動車の中古価格のことだったようですが、近年ではいろいろなモノ(高額な時計やカメラなど)についても、この言葉が使われている印象です。
簡単な例を、自動車で説明します。
Aさんが購入した高級輸入車は、新車価格が2,000万円。輸入車は販売台数も少なく、Aさんが購入したのは人気のモデルで、カラーは一番人気のブラック。10年後に売却する際は1,500万円で買い取ってもらえました。
Bさんが購入した軽自動車は、新車価格が100万円。できるだけ安く済ませたかったので、ノーマルのグレードを選択し、店頭在庫があったイエローの車を購入しました。10年後に売却する際は、10万円での買取となりました。
購入してから10年経ち、
Aさんの自動車のリセールバリューは1,500万円。
Bさんの自動車のリセールバリューは10万円となりました。
言い換えると、
Aさんの自動車の価値は購入時の75%に下がり、
Bさんの自動車の価値は購入時の10%まで下がったということです。
つまり、この例ではAさんの自動車の方がリセールバリューが高いといえるでしょう。
どちらが得か
Aさんの自動車の方がリセールバリューが高いという事実は、ご理解いただけたと思います。
では、実際にみなさんは(自動車が欲しいかどうかは置いておいて)どちらがお得だと感じ、自分ならどちらの選択をしますか?
ぼくの考えはこうです。
この場合、自動車を資産と考えるか、体験と考えるかで、随分と印象が変わります。
「資産」だと考えた場合、Aさんは資産の内2,000万円を自動車に変えました。そして、高級輸入車のある生活を過ごし、10年後に売却。資産の価値は75%に減少しました。
Bさんは資産の内100万円を自動車に変えました。そして、軽自動車のある生活を過ごし、10年後に売却。資産の価値は10%まで減少してしまいました。
時間が経っても資産価値の落ちづらい、2,000万円の高級輸入車の方がお得に思えます。
体験の価値
では、自動車を購入し10年間乗ることを「体験」だと考えるとどうでしょう?
Aさんは2,000万円の自動車を1,500万円で売却しました。つまり10年間でこの体験に支払った金額は500万円(50万円/年)です。
いっぽうBさんは100万円の自動車を10万円で売却しました。つまり10年間の体験に支払った金額は90万円(9万円/年)です。
高級車は安全で快適ですし、見た目や性能もこだわって作られています。そのため、運転だけでなく所有する喜びも満たしてくれます。周りから羨望の眼差しで見られることもあるでしょう。
その体験を年間50万円で10年間続けることができます。
軽自動車は低燃費で維持費も安いです。小さいので駐車場に困ることもありませんし、近所に買い物にいく用途であれば十分すぎる性能を発揮してくれます。セカンドカーとしての選択もありです。
その体験を年間9万円で10年間続けることができます。
あなたならどちらの体験をしたいですか?
「資産」と考えた時と違って、答えが分かれると思います。
理由は、みなさんの価値観がそれぞれ異なるからです。
自分が満足できるのは
このように、リセールバリューについて考える際は、数年後の資産としての価値だけではなく、「その期間に、自分がどのような体験をすることができるか」そして自分の価値観と照らし合わせて「満足のいく選択であるか」を考えるのが重要であるといえます。
今後、高額の買い物をする際は、この2つの視点を意識すると選択の幅が広がると思いますので、意識してみてください。
※例では車両価格だけで簡単に解説しましたが、自動車の場合は、駐車場、ガソリン、保険、車検、税金なども含めて検討してください。
ぼくの実体験
最後に、井上の実体験をご紹介します。
ぼくは2年前、本当は手放したくなかった自動車を泣く泣く売却しました。
ぼくはこちらの自動車を新車価格400万円で購入しました。
そして5年後に売却する際に330万円で買い取ってもらえました。
資産の価値は82.5%に減少。
5年間の体験を70万円(14万円/年)で手にすることができました。
結果論ですが、どちらの視点においても、かなり価値の高い買い物をできた自信があります。何よりも、妻との思い出がたくさんできた、すばらしい愛車でした。
(そんな愛車を手放すに至ったお話は、またの機会に投稿します。)
正直なところ、計画的に売るつもりで買ったわけではなかったですし、売る直前まで愛車のリセールバリューがそんなに高いとも思っていませんでした。
ぼくはこの経験を経て、リセールバリューを意識した買い物の大切さを知りました。今では、これも経済的自由を目指す上で必要な知識のひとつだと考えています。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。