本当に難しいのは面接ではなく、職を選ぶことだ。
こんにちは。
井上です。
37歳現在サラリーマンをしているぼくですが、今後は転職をするのか、起業するのか、このまま別の収入源を得るのか、日々模索しながら生活しています。
そんな中、やはり人生最初の就職活動については振り返るべきだと思い、この記事を執筆しました。
あわせて、自分の面接に対する考え方もまとめる良い機会となりましたので、共有できたらと思います。
2010年の春、阪大の外国語学部を卒業したぼくは、京都にある半導体メーカーに就職しました。
文系卒なので営業職での採用、外国語学部卒なので後々は海外営業部もあるかも?というような感じで社会人としてのスタートを切りました。
2008年のリーマンショックにより、2010年卒の学生が挑む就職市場は冷え込んでいて、その年は新卒を採用しないという判断の企業も多くありました。実際、友人や同級生たちも就活にかなり苦戦していて、就職のために留年する学生もちらほらと見受けられました。
まだまだ世間知らずのぼくは、とりあえず名前を知っている会社=大手企業にエントリーし、自己分析やエントリシートの書き方に関する書籍を読み、周りの学生の真似をして企業説明会に参加するなど、就活生らしい活動をしていました。
当時のぼくの積極性のなさがよく現れているのですが、インターンシップやOB訪問みたいなことは一切していません。
あと、大学選びの時と同じで、まだまだ自立心のなかった大学生の井上は、企業選びも「実家から通えるところ」という基準でおこなっていました。
東京に面接に行っている友人たちすごいなあ、よくやるなあ、くらいに他人事としてとらえていたのを覚えています。
就職が難しい年といわれているだけあって、なかなか周りから就職が決まったという話は入ってきません。100社エントリーしたのに全部ダメだったとか、お祈りメールだとか、そんな話がネットでもリアルでも聞こえてきます。
ぼくはどうだったかというと、大学のネームバリューのおかげで基本的に書類選考は突破できていました。そして面接も昔から得意で(あまりそういう場で緊張しないラッキーな性格)どの企業との面接でも、用意してきた志望動機をその場の流れにあわせて再構築して、すらすらと話せていた自信があります。
ぼくはその後の人生でも、基本方針を変えずに今まで生きてきましたが、面接や会社の朝礼など、人前で話をする時に話す内容の要点は事前に考えてありますが、細かいところはその場のアドリブで話しています。
話す事をすべて台本のように作る方がいますが、それだと独り言を音読しているだけで、コミュニケーションにはなりません。
相手がいる以上、反応はさまざまですし、事前に完全に予想することは難しいです。台本を頼りにしすぎると、一度レールを外れると戻ってくることはすごく難しくなると思います。
集団面接の時に、一生懸命に丸暗記してきた志望動機をお経のように音読していて、途中で口をはさまれ、しどろもどろになる学生をたくさん見ました。
ぼくは「丸暗記をしたくない」というサボり心から、この手法を利用してきましたが、結果、人前で話すのが苦ではなくなったので、自分にはこれが合っているのだと思います。
そんな自分も、なかなか最終面接までは漕ぎ着けませんでした。
面接は上手くいったつもりなのに、みんなはもっと優秀なんだろな、と少し自信をなくしつつも、10社以上面接する中でひとつの気づきを得ました。
それは面接とは企業と学生のマッチングの場だということです。
自分はどの面接でもだいたい同じことを話しているのに、A社は二次面接にすすめるに、B社はお祈りされる。これは、企業が求める人材や学生象と自分がマッチしていないのだと、自分がダメなわけじゃないんだと気づきました。
もちろん、企業がもとめる基準(学力や経験)を満たせていないケースもあったとは思いますが、基準は公開されておらず明確ではないので、それは考えても仕方のない事でしょう。
このことに気づいてから少しは気が楽になりました。(もちろん就職先が決まらないプレッシャーはずっとありましたが…)
そして、この時の気づきはその後の転職の際はもちろん、近年になって人を採用する側になってからも活かされています。
現在は中小企業にいるので、求人に対しての応募も多くなく、人材不足から仕方なく妥協して採用することもあります。
それでも基本的に面接はお互いのマッチングの場だと考えていますし、ぼくは面接の最初にその事を相手に開示するようにしています。
面接時の力関係で言うと、どうしても雇い主である企業が強く、求職者は弱い立場になりがちです。
面接とは企業とあなたのマッチングの場であり、お互いがいいなと思えて初めて雇用関係を結ぶ、このような習慣が広まれば、転職や就職のハードルが下がり、それぞれが理想の仕事を見つけやすい環境になるのではないでしょうか。
人生最初の就職活動の結果、15社ほどエントリーをして、2社から内定をもらうことができました。
この2社の面接が特別上手くいったかと言うと、そんなわけでもなく、他の面接と同じことをしただけです。
やはり、自分と企業がマッチしただけなんだなと、自説を裏付ける結果となりました。
学生の時におこなう就活は、かなり特殊な条件下で行われます。「新卒カード」などと言われるように、社会に出たことがないからこそ、日本中にある企業の門戸を叩く機会が与えられます。
ぼくは15社ほどしか見ていませんが、就職活動と面接についての考え方が確立されたいい機会だったと思います。
今後、転職活動をする際は、年齢や職歴が条件となり、挑戦できる企業の幅はどんどん狭くなっていきます。果たしてその中に、自分がのぞむ生活を送れる仕事があるのでしょうか?
仕事を選ぶことができる自由。仕事を選ばないことができる自由。
こういった選択ができるよう、これからもさまざま模索していこうと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。