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アバルト595ツーリズモを3年乗って手放した総括

先月、愛車「アバルト595ツーリズモ」君を手放しました。

愛らしいルックスに気持ちの良い変速フィールで、とっても気に行っていたのですが、車検タイミングを機に別のクルマ(WV)に乗り換えました。

これから新車・中古でこのクルマの購入を検討される方の参考になればと、購入してみてわかったことなどを書き留めます。


お尻もかわいい

■いくらで買った?

3年前新車でコミコミ430万円ほどでした。本体が390万で、ドラレコとかオプション色指定とかトータルケアプランとか。頭金30万ほどで、月7万円くらいの残価設定ローンで買いました。ちなみに3年前当時、標準色のグレー以外は発注後にイタリアで生産されて運ばれてくるらしく半年待ちました。

■いくらで売れた?

走行距離9千キロ、細かな傷少々、という状態で、195万で売れました。残価設定ローンというと、なんとなく設定したディーラーさんに売るしかないような印象があるかもしれませんが、実際には単にローンが残っているという状態で、どこに売却するのも自由です。

ネット上のうわさでは、ディーラーよりも買取専門店のほうが売価が高いということだったので、一括見積サイト(MOTA)で3社に見積もりを出しつつ、購入したディーラーさんにも見積もりを取りました。

結果、ディーラーさんが一番高くて195万円の提示、他はA社が160万、B社が175万、C社は他社価格を聞いてリタイア、という感じでした。
ちょうど今、中古車相場が崩れているタイミングで、売りにくいクルマは価格が乗せづらいのかもしれません。

残価が170万でしたので、差額25万が入金された、という感じです。
結果、3年で235万円の買い物だったということになります。

1か月あたり6.5万円でアバルト595ライフを楽しんだということですね。
個人的にはとても満足です。

ディテール凝っている

■故障はした?

輸入車、特にイタリア車を購入する時に気になる方が多いのが故障をするのか、ということだと思います。
結論からいうと、故障ゼロでした。
新車ということで、経年劣化しやすいパーツなどの不具合も無かったことと、さすがに現代の技術においてはイタリア車の量産車のクオリティも高まっているということかもしれません。無茶な走行はしなかったというのも良かったのかもしれません。

ちなみにこれまで10年落ちのジャガー、10年落ちのアルファロメオ、10年落ちのプジョー206などにも乗りましたが、どちらも特に故障に見舞われず。もしかして運が良いのかもしれません。

とはいえ、日本車などと異なり多少の不具合を感じた点はありました。
以下、記載します。

ワイパーのビビリ

初期セッティングのワイパーでは、圧が強すぎるのか、小雨の時などはスムーズさに欠けて「ズズズ」っという感じで動くことがありました。ディーラーさんに聞くと、純正品はビビリ必至ということで(ご愛嬌)、ボッシュ製の互換品に替えるとよいと勧められました。勧められた互換品に替えたところスムーズになりました。

↓これです

ブースト計のビビリ

アバルト595にはスポーツモードの時に起動するブースト計が付いています。左ハンドルと右ハンドルとでは付いている場所が違うようですが、僕のクルマは右ハンドルで、ダッシュボードにちょこんと目玉のおやじのように立っていました。
このブースト計が、購入後2年半経った時にビビリ出したのです。
ねじが緩んだのかな?という感じで、本体を右に少し回してみたりして一瞬は直ったりしたのですが、またなる。
気になり始めるとずっと気になってしまい、走行中ブースト計を左手で押さえながら走行したこともありました。
ディーラーさんに問い合わせたところ、設計上隙間ができやすい構造のようで、たまになる人がいて、中の部材を加工するなどして対策するのだそう。

約3週間ほどそのまま不具合が続いていて、そろそろ修理してもらいにいこうか、と考えていた矢先。あら不思議、自然と直ってしまいました。

その後売却までの半年間、再発しませんでした。
ちょうど部品の隙間が熱による膨張か何かで埋まったのかもしれません。
ほんのちょっとしたことで起きていた不具合、ということですね。

3人で高速に乗るとタイヤの空気圧計が点灯する

家族3人で高速道路に乗ると、だいたい継ぎ目を何度かゴトゴト通過した時点でタイヤの空気圧低下アラートが出ました。
高速道路での出来事であり、「高速走行中にバーストしたらどうしよう」などと初回は結構焦りました。
後日ディーラーさんでメカニックの方に話すと「そういうものなんです」と教えてくださり、「そういうものなのだな」と理解しました。
タイヤが結構扁平で、ちょっとした変化を感知しやすいのかもしれません。「高速で不安になる」という点で、不具合に含めましたが、不具合ではなくむしろ正常にセンサーが機能している証拠なのかもしれません。
その後の定期点検の際にも、特に空気圧が問題になることはありませんでした。

ギアをバックに入れ少しバックしたときに一時期異音が鳴った

新車から乗り始めて2年半経った時、バックにギアを入れ、少しバックしたときに「ギギギ」という異音が鳴る症状が起きました。
なんとなく、バックの時のギアのかみ合わせ的な影響で、何度かこすれれば自然解消する感覚があったため、そのまま放置していたところ、自然と直りました。

横からもご査収ください

■なぜ買った?

購入理由ですが、デザインに惚れた、というのが第一の理由です。
実はこれの元になっているフィアット500が出たときに、夫婦でその横を通りがかったのですが、二人で同時に「息子に似てる!」と叫んだのです。
息子は当時3歳。そう、まるで3歳児のような顔つきなのです。
そして、あるとき買うつもりはなかったのですが興味本位で試乗に行き、その場で即決したのでした。

■良かったところは?

シフトフィーリング

個人的に最近の日本車のCVTのフィーリングには慣れず、当時乗っていた日本車に対して、気持ち悪い感覚がぬぐえずにいました。

それがアバルト595では最高なんです。
例えるならば、絡んでいた痰が一気に出た、みたいな(汚くて失礼!)
適度なカクンというショックとともに、エンジン音が変化し、グイっと前に出る。これが癖になります。

これは以前乗っていたアルファロメオも、プジョー206もなのですが、いずれも海外のAT車はシフトフィーリングが抜群なんですよね。

可愛いところ

小ささも相まってアバルト595は本当に可愛いです。
前からも横からも、後ろからも可愛いし、中も可愛いんです。


可愛すぎてハロウィンの飾りまでしてしまった


黄色というのも良かったところで、あまり黄色いクルマって走っていないのですが、出張から帰ってきてクルマに乗り込もうとするときとか、買い物して駐車場に戻ってきたときとか、黄色の明るさに元気をもらえました。

これはぜひ現物で聞いていただきたいのですが、エンジン掛けたあとの「ボボボ」という音がとても心地よかったです。
ちなみに、595には3グレード存在していて、ツーリズモは真ん中なのですが、音的にはツーリズモがちょうどよいと感じます。
いちばん上の「コンペティツィオーネ」だと音が大きすぎて、朝晩に出発する際にはご近所になりかねないと判断しツーリズモにしました。
(座面もツーリズモの革張りほうがコンペティツィオーネのバケットシートより好み)

加速

アバルト595は、一般的なスポーツカーと比べればパワーは無いですし、0₋100kmのタイムも速くはないのですが、持ち前の車体の軽さと音、そしてシフトフィーリングでとっても快適な加速感を提供してくれます。
高速に合流する時やETC入った後の加速など、とてもスムーズで楽しかったです。

意外と後席に乗れる

外から見ると後席に大人が乗るのは難しいように見えますが、実際には結構ちゃんと乗れます。具体的には170センチくらいまでの方であれば、膝前も頭も問題なく乗れます。
この点は3人家族の私にはとても重要なことで、購入前に何度か後席に座るシミュレーションをして買ったのでした。
もちろん3ドアですので助手席のシートを倒して乗り込むのですが、シート上部に倒すためのレバーが付いていて使いやすく、またシートは倒れながら前にスライドするのでスムーズです。
そしてツーリズモの席は、後席から膝が当たると少したわむようにできており、ストレスが軽減される工夫があります。

ハンドルの持ち心地、切り心地

ハンドルの形状や材質はとても手にフィットし、運転が楽しくなります。ハンドルの切れ味はどちらかというとフニャフニャで、現代車という感じです。最初不思議な感覚でしたが、慣れると疲れにくくいい感じです。

握り心地のよいハンドル

バック入れたときのアラーム音

バックにギアを入れたときのアラーム音が独特で好きでした。ずっとなるのではなく2回だけ鳴る、というのも運転手のTPOをわきまえてる感じで〇。

バックセンサー便利

残念ながらバックカメラは無いのですが、バックセンサーは付いており、駐車の際などにとても重宝しました。

■不満な点は?

次に不満な点を列挙します。

エアコン性能がそこそこ

エアコンは全く効かないわけではないので、こんなもんかなと思っていたのですが、乗り換え後の某ドイツ車と比較すると効きが悪かったんだな、と実感します(笑)。効き始めるのにもタイムラグがありました。(5分くらい?)猛暑日や極寒日はもうちょっと効くとよいと思います。シートヒーターも無いですしね。。

ロードノイズ

扁平タイヤということもあると思いますが、ロードノイズは結構拾います。
特に高速や橋などの継ぎ目のところ。ガツンとショックが来ます。
一人でドライブしている分には気にならないのですが、家族を乗せていると気を使いました。
やはり家族で楽しくドライブできるのが理想なので、ちょっとこの点は不満でした。車の大きさ的にも仕方なさそうですが。。。

3ドア

これはこの可愛いプロポーションを保つために仕方のないことなのですが、やはり後席ドアが無いというのは不便でした。
特に雨の日とか駅での待ち合わせとか。すぐに乗り込めないのです。
あと、助手席に既に一人乗っている中で、一人追加で乗りたい時。
一度助手席の人に降りてもらう必要があります。

先進設備はほぼ皆無

ACCやブレーキ補助などの機能、フロントカメラやバックカメラなどはついていません。価格帯で考えれば付いていてもよいと感じます。
その分のコストを走りの調整やエンジン、足回りなどに回しているということだと思うのですが、オプションでもよいので設定できると良いと思いました。まあこの点は時代とともに改良されるのでしょう。

以上。色々書きましたがとても良い思い出です。ありがとうアバルト君。

新横浜駅にて。





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