おすすめの本の紹介
お久しぶりです。
もう少しで薬剤師2年目になってしまいます。
全然成長していないのに、後輩がやってくるのは恐怖でしかないです。
今回は僕がこの1年で役に立ったと思う書籍等をランキング形式で紹介したいなと思います。
第3位 薬がみえる
学生時代から愛用していましたが、やはり薬剤師になっても活躍します。
あれだけ一生懸命勉強した薬理学の作用機序もきれいさっぱり忘れてしまったので、手軽に復習できるこのシリーズはかなり重宝します。
利点はなんといっても「わかりやすさ」です。わかりやすい反面、内容は浅いですが、内容の浅さは自分で調べればいいのです。浅いといっても内容は深いです。どっちなんだって話ですが。
欠点としては、特に薬剤になってから感じるものですが改訂頻度が遅い!!というより未だに全巻初版です。毎年新薬が出ているし、なんなら最近の新薬は作用機序が意味不明な薬が多いので、一番調べたい薬が載っていません。
第2位 同効薬比較ガイド
僕はこの本を最初は舐めていました。「こんなの調べればいいじゃん。特に用法用量なんて添付文書見れば書いてあるし自分でまとめればいい。お金がもったいない。」と。
しかし、働きだして思ったこと、それは学生の頃と比べて圧倒的に時間がない。いちいち調べてまとめてる時間がもったいない!!まとまっている本が売っているなら買ってしまえ!!タイムイズマネーじゃ!!ということで買いました。用法用量を覚えるのにかなり活躍しました。ちなみに用法用量は全然覚えていません。
利点は同効薬の違いがわかる、まとまっているから比較がラクチン。あとはこの本と似たような同効薬の本が売っていますが、向こうは3冊なのに対してこちらは2冊なので1冊分安い!!
欠点はちょいちょい載っていない薬があること、きれいにまとまっている分省略されている部分もあり、結局添付文書を見ることになる場合があること。あと注射薬は載っていないのでそこは欠点なのかもしれないし、そもそも薬局向けに作られた本なのかもしれないです。
第1位 添付文書・インタビューフォーム
いやほんとにマジで添付文書は重宝しました。なんでも書いてありますよ。
さすが薬機法に基づいて作成されている公文書って感じです。たしか第52条だったはず。
最近はわかりやすい書籍やわかりやすいサイトがたくさんありますが、結局は添付文書なんですよ。用法用量だって添付文書が絶対なんです。ガイドラインや経験則で添付文書通りでないことも多々ありますが、原則は添付文書です。
用法用量は薬剤師として働いていれば何となくわかるようになります。この量は大丈夫って。でも最高用量とか、投与日数とか、減量基準などはちゃんと覚えられていないことが多いんですよ。少なくとも僕は。
適応、用法用量、注意事項、相互作用、禁忌、薬物動態などなど、とりあえず添付文書を見ます。
添付文書通りに調剤するだけの薬剤師なんて!!と学生の頃は思っていましたよ。しかし、働いてみて思ったことは、薬の種類多すぎて添付文書の用法用量すら把握できてないよぉぉ!!です。
なのでコツコツ添付文書を見て日々勉強しています。もちろん余裕があればガイドラインなども見ますが、今は添付文書です。
調剤するときに毎回添付文書で調べていたら仕事が回らないので、今は全力で調剤に必要な知識をインプットしています。
「治療薬マニュアル」や「今日の治療薬」なども便利ですが、新人の時は添付文書を見る癖をつけたほうがいいと個人的には思います。
余裕があれば、食後投与の薬などは「何故食後なのか」「食前投与だとどうなるのか」なども調べておくと疑義照会などで役に立つ場合があります。
後日、添付文書について記事を書きたいと思いますが、今回のランキングはこんな感じです。
ここからは番外編。
良書だし、重宝しているし、何回も読んでいるけど、今のところ業務で役にたった感じがしないのでランキング外になった本たちです。
1冊目 薬の比較と使い分け
この本との出会いは5年生の薬局実習中に参加した日本薬剤師会学術大会です。この本はわかりやすく本当に素晴らしい。国試の勉強の時にもかなり使っていました。この薬とあの薬は何が違うんだろうと思ってこの本を開くと大抵は書いてあります。参考文献もしっかりと記載されているので良き!
ただ薬剤師になってこの本の知識が役に立った経験がまだないため、ランキング外になりましたが来年またランキングを作ったら必ずランクインするでしょう!!
2冊目 検査値×処方箋の読み方
この本も薬局実習中に購入しましたが、とても良い本です。
レベルが低いという声も稀に聞きますが、新人や薬学生が勉強する分には最適な1冊です。最近は処方箋に検査値を記載する病院も増えているらしいので病院・薬局問わず読んでみるといいかもです。
最近改訂版出たし買いましょう!
3冊目 薬剤師のための疾患別薬物療法
普通に良書。欠点は5冊そろえると金額がすごいことになるくらいです。
よくガイドラインを見ましょう!とか言ってる人がいますけど、全部が全部無料で最新版を見られるわけじゃないんですよね。仮に読めたとしても長くて長くて年越ししてしまいます。
でもこの本は良くも悪くも簡潔にまとめられています。僕は特に悪性腫瘍の本がお世話になりました。僕が買った頃はまだ発売して時間が経っていなかったので最新のガイドラインに基づいていましたが、だんだんと内容も古くなっていってしまうと思うので定期的に改訂してほしいですね。
せっかく勉強するなら最新のガイドラインがいいですもんね。
この本の唯一の不満は章末問題の答えがないこと。勉強してから解くから多分あっていると思うけど、やっぱり答えは欲しいです。
4冊目 これからの薬物相互作用マネジメント 臨床を変えるPISCSの基本と実践
この本も学生の時に出会いましたが、凄さに気づいたのは薬剤師になってからです。
何故学生の時に凄さを理解できなかったかというと、学生の時って「薬Aと薬Bは相互作用を起こします」とは勉強するけど「併用するとAUCが何倍になります」とかは覚えないじゃないですか?
だがしかし!今は重宝していますね。具体的にAUCが何倍に上昇するかを知っているだけで信頼性が増します。
「先生、AとBは併用するとAの血中濃度が上昇して禁忌です。」だけだと、「どうしても併用したいんだけどどれくらい上昇するの?」って質問されたときに死にます。
新しい薬でデータに乏しいものの相互作用を推測するときにも活躍します。
原著論文は難しいですが、この本に載っている式自体は単純でわかりやすいので是非読んで臨床で活かしてみてください。
薬剤師は理系なので、「これはヤバイ」とか「これはダメ」だけではなく、「何かと比較してこれだけ上昇/低下するのでダメ」などと具体的に数字を使いましょう。
近年、相互作用のガイドラインが発出されたりもしているので波に乗りましょう!
ぼく個人の意見としては、薬剤師は薬物動態学が強みです。薬理学は薬って付くけど医者も知っていることが多いです。薬物動態を頑張りましょう!
今日はここまで。独断で作ったランキングなので、紹介していない良書もまだまだたくさんあります。
また今度紹介します。