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仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:新人地方公務員へのメッセージ

 今回は、新年度から新たに地方公務員となる学生の皆さんに向けて、私からのメッセージを述べたいと思います。地方公務員として仕事を始めるに際して、ぜひとも心がけてほしいことを3つ述べます。

 第1に、プロフェッショナルとしての自覚を持ってほしい、ということです。これは、私も30年前の4月1日に、当時の市長から訓示を受けた際に聞いた言葉です。社会人となれば生活に必要なレベルの給料を受け取りますので、プロフェッショナルとなることは当然なのですが、特に公務員の場合は税金から給料をいただくことになります。

 「税金を取られる」とよく言われますが、逆に言えば公務員は自分の給料として税金を取っているという理屈になってしまいます。しかし、税金は「納税」つまり、納めるものです。気持ちよく納めてもらえるようにするためには、公務員が給料に見合った仕事をしなければならないと思います。そこで、プロフェッショナルとしての自覚を強く持っていただきたいと思います。

 第2に、市長になったつもりで仕事をしてほしい、ということです。市長は地方公務員にとって最も上の上司、会社で言えば社長です(実際、知事や市長を「社長」と呼ぶ職員もいます)。つまり、地方公務員は部下であり、上司の指示に従って仕事をすることを求められています。公務員法にもそのように規定されています。

 しかし、部下が指示を待つ受け身の姿勢であってはいけません。むしろ積極的・主体的に仕事をレベルアップさせていくことが求められます。仕事と一口に言っても、大きさや重要性はさまざまです。上司がすべてを把握し、指示を与えてくれるわけではありません。自分で動けるところは動き、上司の指示がある仕事でも自分なりの創意工夫を加えて、よりレベルの高い仕事をめざしてください。

 何も大それたことを求めているわけではありません。コピーを速く正確に取ること、デスクの整理を工夫して探す時間を省くこと、などでも良いのです。小さなことの積み重ねが、大きな成長をもたらしてくれます。

 第3に、自分の親より年上の上司とのコミュニケーションに飛び込む勇気を持つことです。30年前、大学を卒業したばかりの私の上司は50代後半で、親よりも年上でした。もちろん初めて接する方なので、とても緊張したことを覚えています。何を話せば良いのか分からず、戸惑いもありました。

 しかし、それこそ上司も親のように温かく見守っていただきました。上司や先輩も、新人が最初からバリバリ仕事ができるとは思っていません。組織の一員として迎え入れ、雰囲気や職員とのコミュニケーションに慣れさせる、仕事を少しずつ覚えさせる・・・など、成長のためのサポートを十分にしてくれます。

 そこで、新人職員も積極的にコミュニケーションをして、仕事を覚え、組織の一員として役割を果たしてほしいです。時には趣味の話や世間話なども交えて、和やかな雰囲気を作ってくれます。学生時代の経験なども聞いてくれたり、自分の経験を語ってくれることもあるでしょう。友達関係ではないとしても、どんどん話してほしいと思います。

 地方公務員の仕事は、個人のパフォーマンスが必要なものとチームワークが必要なものが混在しています。個人的なイメージとしては、後者の方が多いと言えるでしょう。だからこそ、チームワークを高めるためのコミュニケーションが必要です。先日、優勝という最高の結果で幕を閉じたワールド・ベースボール・クラシックでも、侍ジャパンのチームワークの高さが注目されていました。個人のレベルの高さももちろんありますが、世界一という大きな目標に向かって全員で結果を残そうという意識がチームワークをもたらしたと思います。ダルビッシュ投手の卓越したアドバイスや飲み会、チームの士気を高めバントさえ厭わなかった大谷選手、そして怪我で離脱した選手もチームの一員としてユニフォームを掲げる仲間思いの全選手だからこそ、成し遂げられた結果だと思います。地方公務員の仕事もそうであってほしいです。

 以上、これから地方公務員として仕事を始められる皆さんへの、私からのささやかなメッセージを贈ります。辞令交付式の後は、現実にトップからの訓示があるはずです。そうしたさまざまな言葉を胸に、公務員の世界で活躍されることを祈っています。

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