井上 武史

東洋大学経済学部総合政策学科 教授(経済学博士・元地方公務員) noteでは、地方公務…

井上 武史

東洋大学経済学部総合政策学科 教授(経済学博士・元地方公務員) noteでは、地方公務員が今後の激動の時代にも地域を支える存在であり続けるための学びをサポートします。多くの人に読んでもらえるよう、易しい内容を心がけています。 ホームページ「地域を支える公務員」もご覧ください。

マガジン

  • 仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと

    現役公務員が仕事力を上げて地方行政に貢献し、さらに自分の生活も豊かにする方法を考えていきたいと思います。学生に伝えている勉強術や自分が実践・試行錯誤してきた仕事術が、現役公務員にも役立つと考えています。ごく当たり前のことから、誰も知らない(効果も人それぞれ)ものまで、紹介していきたいと思います。 よろしくお願いします。

  • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと

  • 一目置かれる!地方公務員が読んでおきたい書籍(21年秋~)

    地方公務員として14年間勤務し、現在も大学教員として政策の研究や地方公務員との交流を続けています。これからの地方公務員が「一目置かれる存在」となるために、どのような書籍を読んでおくと良いのか、読んでどんなことを考えてほしいのかを述べたいと思います。当面は21年秋から22年春まで、目標は毎週更新!

  • 仕事力アップ!地方公務員が身につけたい地域分析の基礎

最近の記事

仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:地方公務員に求められるコミュニケーション能力を考える

 企業や行政の現場で、入庁直後に退職してしまう若者が増えています。社会人に必要な能力として「コミュニケーション能力」が重視されていますが、コミュニケーションが十分に取れていればこうした事態ももっと少なくて済むのではないでしょうか。  コミュニケーション能力とは、一方的に相手に合わせることではありません。双方向のやりとりが重要です。学生のコミュニケーション能力だけでなく、学生を受け入れる現役公務員にも、新採用の若者の考えを受け入れるだけでなく、自分の考えを理解してもらえるよう

    • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:生成AIは地方公務員の大切な相棒になるかもしれない

      はじめに 生成AIは「人間の仕事を奪う」という懸念があるからか、意図的に遠ざけられる可能性があります。地方公務員の場合も同様であることは、前の投稿でも述べました。今回は、もう少し踏み込んでこの問題について述べてみようと思います。  それは、地方公務員の仕事は人間の関与が求められる分野でも重要になる、ということです。 つまり、生成AIは地方公務員がこれから行うべき仕事の質を高めるための強力なツールになる可能性もある、ということです。今回は、こうした点から地方公務員の仕事におけ

      ¥180
      • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:AIが代わりに仕事をしてくれれば、地方公務員は減らされる?

        生成AIの普及は、地方公務員の仕事を奪うのではなく、変えるチャンスだ はじめに  AIの発展は、私たちの生活や仕事に大きな影響を与えつつあります。特に、生成AIと呼ばれる、文章や画像、音声などを自動で生成する技術は、目覚ましい進歩を遂げています。この技術は、地方公務員の仕事にも活用され始めており、仕事の効率化や品質向上に貢献しているようです。これからも、生成AIの活用なくして地方公務員の仕事は進化しない、と言っても過言ではないでしょう。  しかし、一方で、「生成AIの普及

        • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:外国人観光客が地域にもたらす「もう1つの効用」とは

           ゴールデンウィークも後半に入りました。各地で多くの外国人観光客が日本を訪れているようです。外国人観光客の増加は、日本の地域にとって大きなチャンスです。経済的効果はもちろんですが、それだけではありません。外国人観光客は、地域の魅力を再発見するきっかけにもなるものです。なぜなら、彼らが訪れた先で見せてくれる反応をヒントに、地域の商品や体験を磨き上げるすることで、より多くの観光客を引き寄せることができるからです。また、地域の人々の自信や誇りも高まります。このように、外国人観光客が

          ¥300

        仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:地方公務員に求められるコミュニケーション能力を考える

        • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:生成AIは地方公務員の大切な相棒になるかもしれない

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        • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:AIが代わりに仕事をしてくれれば、地方公務員は減らされる?

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        • 仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと
          42本
        • 激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと
          51本
        • 一目置かれる!地方公務員が読んでおきたい書籍(21年秋~)
          40本
        • 仕事力アップ!地方公務員が身につけたい地域分析の基礎
          18本

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          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:いよいよ2024年度、新人公務員の活躍を期待しています!

           今日から2024年度がスタートしました。楽しかった大学生活を終えて、地方公務員として社会人キャリアを始める方には、大きな緊張感があることでしょう。私も(30年以上前のことですが)自分のキャリアがスタートした当日の出来事を、未だにハッキリと覚えています。辞令を受け取った後、配属先の課の先輩が迎えに来てくださり、課まで向かったこと、部長や課長、職員の方々に挨拶して回ったこと、デスクを与えられて引き出しの中にある筆記用具や電卓などを1つひとつ確認したこと⋯など、あっという間に初日

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          仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:人事異動は受け身でも、担当業務は積極的に

           年度末を迎え、地方公務員のみなさんも人事異動が発表されたことと思います。部署が変わる方も変わらなかった方も、年度末を迎えるに際して、現在の業務に一区切りをつけ、新たなステージに向けて準備を進めていることと思います。新しい業務に期待を持って取り組まれることを願っています。  さて、人事異動は「ガチャ」とも揶揄されるように、配属される部署がどこになるかを自分で選ぶことはできません。自分の行きたい部署になれば「運が良かった」と感じる一方で、自分が行きたくない部署になれば「運が悪

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          仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:時間厳守で「プロの力量」が問われるので、注意しよう

              地方公務員にとって、時間を守ることは、社会人基本の行動様式です。言うまでもないことかもしれませんが。ただ、このことは基本以上に、プロフェッショナルとしての総合的な力量を示すものであり、信頼構築の不可欠な土台となります。当たり前すぎて見過ごしてしまいがちですが、そうではないと思いますので、改めて述べたいと思います。     日々の業務では、時間を厳守することの大切さは目に見えにくいかもしれません。しかし、その価値は特に緊急時に明らかになります。緊急時には、余裕を持った

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          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:「ブラタモリ」から学ぶ、地域資源の掘り起こし方

           昨日、全国的に人気の高い番組「ブラタモリ」で、私の地元である福井県敦賀市が取り上げられました。来年の春に北陸新幹線が開業することで注目されていることもあり、放送をご覧になった方も多いのではないでしょうか。敦賀市の魅力が全国に伝わったことが個人的に嬉しく思ったのですが、ここでは、こうした経験を地方公務員としてどう活かしていくか、少し考えてみたいと思います。  まず、放送で紹介されたのは、「北陸新幹線の駅舎」「気比神宮」「港周辺」「疋田」「金ヶ崎」という、敦賀を代表する場所で

          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:「ブラタモリ」から学ぶ、地域資源の掘り起こし方

          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと(番外編):佐々木俊尚さん、敦賀へのコメントありがとうございます!

           今回は、今朝のvoicyでジャーナリストの佐々木俊尚さんが福井県の敦賀について語っておられたので、感想などを述べたいと思います。敦賀は私が24年間暮らし、市役所職員と公立大学教員を経験した場所です(現在は東京に住んでいます)。来春にはいよいよ北陸新幹線が金沢から延伸し、敦賀はその終着駅となります。そこで、首都圏や北信越から多くの来訪客が福井や敦賀を訪れると期待されていて、県内でもホテルやタワーマンションの建設などが進んでいるところです。私も定期的に敦賀を訪れますが、少しづつ

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          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:大学院に行こう(後編)

           3回にわたって、地方公務員が大学院で学ぶことのメリットを紹介する最後は、仕事に対する姿勢が大きく変わることです。地方公務員が大学院で学ぶ際、いわゆる社会人学生ということになります。そこには、地方公務員だけでなく民間企業の社員の方々も学びに来ます。また、学部を卒業して大学院に進んだ学生もいて、さまざまな立場、さまざまな年代の方々が集まることになります。これが地方公務員にとっては、大きな刺激になり、学ぶことや仕事への姿勢に大きな効果をもたらすのです。  まず、他の地方公務員と

          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:大学院に行こう(後編)

          仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:ニュースのチェックは「朝」ではなく「夜」にする

           地方公務員でなくても、ニュースをチェックすることはとても大切です。社会情勢は日々変化していますし、地方公務員が知るべきニュースも毎日のように報道されています。私も子どもの頃、親が必ずニュースをチェックしている姿を見て育ちましたが、それは今も変わらず重要なことだと思います(私の親は地方公務員ではありませんでしたが、社会人にとってニュースのチェックは大切です)。  しかし、ニュースの発信は新聞やテレビだけでなくネットやスマホで瞬時に見ることができる世の中になっています。しかも

          仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:ニュースのチェックは「朝」ではなく「夜」にする

          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:大学院に行こう(中編)

           前回から「大学院に行こう」と題して、大学院で得られる3つの大切なものを1つずつ紹介しています。今回はその2つめとして、貴重な友人が築けることを説明します。  私は福井県立大学大学院で、修士課程と博士課程に在籍しました。特に修士課程は、設立直後ということもあり、実に多様な方々が集結しました。まず、自治体職員です。公立大学のスタートということで、県内自治体から職員が大学院生として派遣されることになり、私もその1人に選んでいただきました。同じ境遇で自分を含めて9名(県庁3名、市

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          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:大学院に行こう(前編)

           今回から3回に分けて、地方公務員が大学院で学ぶ意義について述べたいと思います。私は地方公務員の時代に、大学院で学ぶ機会を得ました。きっかけは上司の業務命令だったので自分の意思ではありませんが、もともと勉強は好きだったので、迷いはありませんでした。そして、大学院での経験が人生の転機となり、今は教員として大学院に在籍して、地方公務員の方々に指導する立場になりました。教わる側でも、教える側でも、大学院は地方公務員に大きな影響を与える機会になると思います。教える側に回る必要はありま

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          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:ふるさと納税報道の過熱について、選挙投票率の低下と絡めて考えてみる

           「10月1日からふるさと納税が改悪される」「ふるさと納税も値上げへ」といった報道が熱を帯びています。どういうことかというと、これまで返礼品や手続きに要する費用には上限があったのですが、そこに含まれていなかった費用も加わるようになったため、これまで含まれていた費用を圧縮しなければならなくなったのです。詳しいことは報道を見ていただきたいのですが、返礼品の費用も圧縮せざるをえなくなり、ふるさと納税の返礼品が少なくなったり、納税額が上がったりすることから「改悪」「値上げ」という報道

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          仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:スーパーマーケットで学ぶ「ニーズの多様性」と「政策パッケージ」

           スーパーマーケットは私たちの日常生活に欠かすことのできない場所です。私も家族とともに頻繁に行き、食料や日用品などを購入しています。家で料理をすることがないため(決して褒められたものではありませんが…)、自分が食べたいものを中心に見ています。また、ショッピングモールに行けばスーパーマーケットだけでなく書店や家電量販店、専門店などもあるので、そうした店を見て回るのも楽しいです。  地方公務員にとって、スーパーマーケットは基本的にプライベートの活動の場です(以前、織田裕二主演の

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          激動を生き抜く!これから地方公務員が考えるべきこと:アナザーストーリーズ「吉野ヶ里遺跡」から

           先日放送されたNHKの番組「アナザーストーリーズ運命の分岐点」で、佐賀県吉野ヶ里遺跡が取り上げられていました。歴史には必ずしも詳しくないのですが、遺跡の存在は知っています。ただ、この遺跡が工業団地の建設に向けた調査で発見され、その後の市民運動から保存への機運が高まり、知事の決断を動かして一部保存が実現した、というストーリーは番組で初めて知りました。住民の粘り強い運動が実って保存されたことは、今から振り返ると本当に良かったと思います。  私は、もう1つのストーリーにも注目し

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