仕事力アップ!地方公務員が身につけたいこと:公共サービスをフル活用して「モトを取る」
今回は残念な話からスタートしますが、公務員は「税金ドロボー」と言われることがあります。以前、映画館でこのセリフがスクリーンから聞こえてきた時に、ドッと笑い声が起きて苦い思いをした経験があります。「国民負担率」の数値から見れば日本の税金は決して高くはないのですが、無駄遣いがあると認識されてしまえば負担が少なくても「税金は高い」と感じてしまうでしょう。まして、「公務員の仕事はラク」というイメージもあったため、「税金ドロボー」と言われてしまうのかもしれません(しかし、今は逆に「ブラック霞が関」とも言われていますが・・・)。
公務員として働いていた私にとって、このようなイメージは辛いものです。自分の仕事が社会の役に立っていない、という自己否定になってしまうからです。仕事に「やりがい」を求める学生にとっても、また、そうした学生を採用する行政機関にとっても、こうした状況から脱却しなければなりません。そのためには、住民が喜んでくれる仕事をするしかないのですが、今回はそのための方法を1つ紹介したいと思います。
それは、自分自身が公共サービスを徹底的に利用することです。公務員は税金から給料をいただいていますが、もちろん納税もしています。自己否定になるかもしれませんが、公務員も税金を高いと思っているかもしれません。つまり、納税者という点では公務員以外の住民と立場は同じではないでしょうか。税金は公平が大切なので公務員を特別扱いすることはできませんが、納めた税金のモトを取ることで、どこまで穴埋めできるか実践するには公務員は非常に優位な立場にあります。それを使いこなせば良いのです。
例えば、公共施設を利用すれば、民間の施設よりも安く済みます。図書館に行けば本を買わなくてよいのです。また、最近電気代が高くなっていますが、公共施設で過ごせばそれもかかりません。公民館で開かれている語学講座に通えば、民間の高額な語学講座の支出も不要です。身体を鍛えるために、公共のジムを使うこともできます(さすがに24時間オープンではないでしょうが・・・)。民間サービスの方が水準は高いかもしれませんが、公共サービスは小さい負担で受けられるので、そのメリットを最大限に生かすのです。
また、行政機関からさまざまなサポートやサービスが提供されていますが、公務員は仕事でそれらを熟知しています。知らなければそれらを受けることさえできないのですが、知っているからこそ受けられるのです。そして、予算枠がなくなったり期限が到来したりすれば終了することも知っているので、そうなる前に受けることもできるわけです。もちろん、公務員だけを優遇するのはルール違反ですが、公務員も納税者ですから皆と同じようにサービスやサポートを受ける権利はあるはずです。
こうすれば、納税者の気持ちになって税金と公共サービスが見合っているかどうかを自ら判断することができますし、また、改善が必要な場合も自らの仕事として行動することができます(言うまでもありませんが、行動する際には自分の利益ではなく納税者の立場に立つことが不可欠です)。公務員は納税者の立場に立つことが求められていますが、まずは自らも納税者であることを活かすべきでしょう。
特に、地方公務員の場合は、住民に身近な公共サービスを提供していますし、自らその地域の住民であり、納税者であることも多いです。仕事の時の自分と、住民・納税者である時の自分、両方の立場を上手に使い分けること、両方を組み合わせることを勧めます。