美術家森村泰昌氏より、甲斐荘楠⾳《島原の⼥》をテーマにした作品の⾐装制作を依頼される。 本文は、その依頼を受け絵画に登場する⼥性について調べた際の問題点を検討したものである。 島原の太夫 「島原」は、京都にある⽇本最古の花街として知られている。 着物の襟を返し⾚い裏地を⾒せていること、前帯をしていることから、この⼥性が島原の遊⼥であり、その中でも「太夫」ではないかと考える。 太夫とは、遊廓における遊⼥の最上の階級名で、中国の官制に倣った官位に由来し、芸事に携わる⼈間の敬称