Man Utd 0-3 Liverpoolの振り返り
初めてnoteを投稿します。
Manchester United のサポーターをしているCheeseといいます。
本当はnoteにするなんて考えていなかったのですが、大きな試合だったので普段よりも力を入れて、この試合の全てを知ろうと8時間くらいかけてディレイしました。今週はエバースの単独を観た意外は全てこれに時間を使いました。
その結果、分量が2万字に達してしまい、Twitter(新:X)には到底収まりが悪くなってしまったため、やむを得ずこの媒体で世に送り出すことになりました。
内容のほとんどは試合のプロットを追っている観戦メモになりますので、試合映像と合わせて読んでいただくのがベストなのかなと思います。
後半にようやく、それを踏まえた試合評と選手評、Unitedが持つ課題についての考察を軽くしているので、できれば全部読んでいただけると嬉しいです。
読後にご意見やご質問などあれば、@cheesemanutd のアカウントに質問箱があるのでそこまでお願いします。
目次もなく、画像も挟まず、試合に対する前書きも、気の利いた行間もありませんが、許してください。それでは、ハードル下げてどうぞ。
【初期設定】
ベース4-2-3-1のLiverpoolの非保持はSzoboszlaiが Jotaと並んで4-2-4。Unitedの保持は2-4-4ベースだが、Mainooの初期位置が普段より高め。JotaがCBにプレスをかけてサイドを限定させると、L. Diazが内からMazraouiにプレスに出てSzoboszlaiがCasemiroを抑える。GravenberchとMac Allisterは誰かを捕まえるというよりは適宜ボールサイドにどんどん圧を増していく。MainooとBrunoがややサイド分担してそれぞれ6-8、8-10の役回りなので、GravenberchとMac Allisterは外のレーンまでそれぞれを捕まえる意識。Liverpoolはミドルブロックを作ってからは、CBへのバックパスを合図にミドルプレスが始まる。
Liverpoolの保持はSBの役割が左右で大きく異なる2-4-4(正確ではないかもしれないけど便宜上そう言う)。TAAは先に2-8移動。それに対してUnitedは今日特別仕様の4-2-4非保持陣形。無闇にプレスには出ず、Zirkzeeと Brunoがまず背中でダブルボランチを消す。GarnachoとRashfordは中を閉める。van Dijkに対してはZirkzeeがプレスに出る、ボールがKonateに渡るとBrunoがGravenberch、GarnachoがMac Allisterを捕まえる。Rashfordは外切りでプレスをかける。サイドフローしてくるTAAはMainooが追いかけていく。
【観戦メモ】
00:16 空中戦で高い打点で先に触るMazraoui。
00:33 Mazraouiから縦に引き取ったGarnacho。背中からのRobertsonの圧は強くなかったが、順足ながら内方向に持ち出して、逆のMainooへ解放。いつもやってるけどナイスプレー。RashfordはKonateのカバーが近くて、ゴールに向かう仕掛けはできず、少しコントロールが乱れてしまい Dalotにパスする事もできず、やり直し。
01:00 ハーフレーンで受けたMazraouiは外を切ってきたL. Diazに対して中に持ち出し、そのタイミングで顔を出したZirkzeeに楔。Casemiroが前向きの3人目になれそうだったけど、止まって待てずにパスがズレて失敗。その後、右サイドでボールが動くが、Garnachoは無理せず空間を使ってde Ligtへやり直し。その瞬間van Dijk主導でラインを上げていくLiverpool。
1:25 外で受けた Dalotに対して、大外は空けておいてハーフレーンで受けるRashford。その大外はワンツーで Dalotが使う。中で待たずにサイドのホルダーの平行に入る傾向が強いZirkzee。しっかりマイナスを閉じるMac Allister。
一本目のコーナー、ニアのGarnachoに低くて速いボール。Casemiroとde Ligtがファーからニアに入ってきてた。
2:30 ハプニングで生まれたチャンス。斜めに走り込んで2人を引きつけるRashfordに対して、その場で止まってしまっているZirkzee。右斜めに開いて引き出すオフザボールが必要だった。
3:05 RashfordのKonateへの寄せの強度は低いかな。なお、この時Unitedの最終ラインはハーフウェイラインから5mほど後方。Casemiroとは15mほどの間隔。
3:22 中にパスコースがないので、Szoboszlaiがすぐサイドフローしてvan Dijkがそこにつける。Szoboszlaiはワンタッチで平行のMac Allisterにパスをつけて、次はL. Diazが内側で接続して逆サイドのSalahに展開、加速。中には4人が飛び込んで来る。1ターン目でこんな綺麗に前進されたらたまったもんじゃない。一回左に振られた後に右の外から中に侵入されたっていうのも大きい。最たるはLiverpoolの選手たちの解決力。
3:45 van Dijkの完璧なインターセプト。Zirkzeeがここも止まってしまっていたとはいえ。
4:20 ハマっても下手なボールロストにはならないMazraoui。de LigtはOnanaへのコースを作ろうとしてるけど、L. Diazの強度的になかなかそこを選ぶには至れない。
4:55 Unitedのミドルブロック。ゾーン2になると、ライン間の長さ5mほど。長すもなく短くもない縦幅の陣形。
5:40 ミドルセットからのLiverpoolの保持。後ろは比較的左右対称に3-2型を作り、Unitedのミドルブロックにそれほど縦幅は無いので、陣形を横に広げるようにTAAが大外に張り、Salahがハーフスペースに立って Dalotをピン留め。RashfordはTAAのケアの意識。UnitedはZirkzee、Bruno、Garnachoでプレスに出る。Konateから横パスを受けると同時にBrunoのプレスを受けたvan Dijkだが、ボディフェイクも挟んで、狭いゲートの間のGravenberchに速いパスを通した。めちゃ上手い。Gravenberchも首を振りワンタッチでMainooを置き去りにした。凄い。こっからGravenberchは斜めに運んで、最後はL. Diazの折り返しにTAA。ただオフサイドでゴール取消。
7:55 二度目の蹴り先となったZirkzee。ただKonate,van Dijkには当然勝れず。Rashfordから平行で受けたZirkzeeは囲まれるもCasemiroに逃がして、Casemiroのサイドチェンジ。ボールの流れは悪くなかったが、RobertsonはGarnachoのコントロールが整わないところに良い対応。Jotaへのロングボールをしっかり潰したde Ligt。そのセカンドへ素早いリアクションを見せるLiverpool。L. Martinezはアングルで騙す。Casemiroのところでごたつくが、Zirkzeeが降りて回収。Zirkzeeは基本的にDFラインの手前側にいるから押し込んだ時のネガトラとか中央のルーズボールの局面でこのようにボール回収に貢献していって欲しい。
8:40 Salahの外切りに対して、L. Martinezは列を上げてレイオフでde Ligtに落とす。これやれるCB世界にどれだけいるか。まあアンカーが役割をこなせてなくてやむを得ずの意味合いもあるけど。de LigtからCasemiroへのパス、Casemiroの受ける準備不足。その後のロストは最低。ただMainooにもDalotを見てほしい。Szoboszlai当たり前にテクニックもあって、逃げるのも上手。
9:05 van DijkからRobertsonにボールが渡ると、Garnachoが寄せる。BrunoがMac Allisterを捕まえる、Zirkzeeが van Dijkを消しにいってサイドに閉じ込めようとする。ただL. Diazに単独で逆に解放される。1v2になってすぐにTAAに預けるSalah。de Ligtは中で頻繁に首振ってリポジし続けてクロスに準備。
9:40 Jotaに対して腕を使いつつ厳しい対応de Ligt。Brunoはde Ligtに俺を見ろって言ってるね。奪ったあとのボール、最初の1,2本繋ぎたいけど、Casemiroのところで手放してるシーンが目立つ。
11:35 Liverpoolが一時的に10人。Casemiroが降りて3-1-5-1形成。サイドを振って、 フリーのDalotからゾーン3侵入。C. Ronaldoリスペクトのシザースから左足クロス、ちょっと雑になりZirkzeeとは合わず。
12:50 Zirkzeeのカット。サボらなかった。
13:15 Liverpoolのゴールキックは2-4-4。Konateにボールが渡るとRashfordがプレス。TAAにはMainoo。GravenberchをBrunoが捕まえ、Mac Allisterは Garnachoがケア、Zirkzeeも戻って対応。SzoboszlaiもCasemiroが捕まえコントロールミスを誘ってボール奪取に成功。
2本目のコーナー。ショートから角度を変えるも、ファーまで届かず。ファーにはCasemiro、de Ligt、Zirkzee、Rashfordの4人がいた。Brunoはシンプルに超えてこない時が割とあるのがな。コーナー後のLiverpoolの押し上げに対して置いてかれてる人がチラホラいる。
15:20 サイドフローするSzoboszlaiに対してハーフスペースで繋がるL. Diaz。オンタイムの良い連動。ウチも当たり前にしたい。ただMazraouiがL. Diazにタイトな対応でボール奪取。
15:45 同サイド圧縮を喰らわないようにハーフレーンで受けるMazraoui。Mac Allisterに勝負を挑んだZirkzee、あんまり良い駆け引きはできずロスト。Mac Allisterも全て分かってたかのような対応。
16:01 サイドに追い込んでから平行のL. Diazをうまく2人で挟んでBrunoのポジトラトリガーパス。ただGarnachoは中の状況に合わせてクロスを入れることはできず。この状況ならBrunoはマイナスに入った方がベターだった気はする。
16:40 大外で受けたRashfordから裏を狙うBrunoへ。不発。Brunoのアクションは van Dijk-Robertson間を縦に動くものだったけど、これが van Dijkの視野外からKonateの背中のスペースとかだったら尚良かったのかな。この場合はBruno利用してGarnachoに届けられたらベストだったかな。
17:10 Mac Allisterを消さず、なんとなくvan Dijkに出ていくBruno。Rashfordは深さを取ったKonateを追わず。Rashfordはだいぶ対応に迷いがあって、間をフワッと埋めてる感じになってるかな。
17:35 de Ligtのそこそこスプリントスピード。ワンタッチで背後のSzoboszlaiをいなすde Ligt、質。
18:20 Liverpoolの4-2-4に対して、Salahの背中側で受けて外でGravenberchを釣り出して Dalotが斜めに覗いたが、Zirkzeeがライン間で受けれたらよかったけど、形が歪でチグハグ。中央のスペースを効果的に活かせず。
18:40 ブロック外に降りたBrunoとタッチライン際のMazraouiに対して、GarnachoはL. Diazみたいに横断受けしてくれると詰まらないかな。
19:03 de Ligtに対して選択肢になれていないBruno。
19:30 再び列上げして今度はターンしたL. Martinezだったが、Mainooの距離が遠くてGravenberchに捕まりボールロスト。
21:30 ここも囲われても奪われないMazraoui。
21:40 コースの作り方が甘いCasemiro、その分もあってひとつ奥が遠くなるBrunoの位置。必然的に捕まる。まあ10人だからしょうがない部分もある。ただde Ligt素晴らしい読み。Gravenberchにボールが出た瞬間、Szoboszlaiに狙いを定めてボールが入ると同時にタックル。
21:58 Zirkzeeはあまり正対して味方待ったりとかは得意ではないのかな。ファウルにはなったけど、Zirkzee悪くない意識。
22:50 Zirkzeeが原則通りvan Dijkにプレスをかけて、ボールはKonateに渡るも、Rashfordは大外のTAAから外切りでプレスには出ず。ZirkzeeはRashfordに要求してるが、確かに状況は整理されてたのでRashfordには出て欲しかった所。SzoboszlaiにMazraouiが縦スライド。跳ね返しに安定感のあるde Ligt、しっかりCasemiroに頭で繋ぐ。Garnachoのパスは厳しい。Konateもずっと壁。
23:30 TAA to Salah、凄い質。興奮する。
24:20 向かい合ってWGとイーブンな1v1になると激強なMazraoui。Casemiroは虚しいロスト。
25:45 スローインに対するアクションの乏しさ。
26:20 Unitedは ローブロックから van Dijkまで押し下げたときにもう少しラインアップしたいかな。あと、ブロックからホルダーに出た後の戻りが甘い。
26:45 Dalotはせっかく逆足だから、ここで逆サイドも選択肢に持てるようになるといいな。Liverpoolはこのように圧縮して近くを埋めに来るので。左足でZirkzeeに鋭いボール送れてるのは良い。手前のZirkzeeに対して大外からではなく内側で奥を取りに行くRashford。ただ角度がない。
27:55 Zirkzeeはvan Dijkに出るけど、大外を取るTAAのケアに関してはRashfordがKonateに行くのは躊躇して下がって対応。ここの意思統一がなかなかできてない。バックパスに合わせてプレスに出て押し返したと思いきや、今度はJotaが良いタイミングでサイドフロー。その後マイボールになって、危険な狭い局面を単独で抜けてくれるMainoo。
28:54 Jotaの動きをコントロールした完璧な対応de Ligt。Zirkzeeへのクリア気味のロングボールの落とし所も狙いが見える。
29:35 ここもボールの動きに対して全くブロックが整ってないな。なんか臨機応変に人抑えに行ってる感じだけど、肝心のSzoboszlaiのとこが。
1本目のコーナー守備。エリア担当はOnanaの周りに3人とストーンに1人。マンマークは4人。
31:20 コーナーからのカウンター、Liverpoolの鬼帰陣。最後画面内に全員帰ってきてるのヤバ過ぎる。
32:00 Casemiroの良いボール奪取からショートカウンター。しかしKonateの壁。
33:45〜失点、0-1。Liverpoolの制限を受けたが良い距離感でOnanaの+1を活かして、Casemiroの脇でMainooがフリーでターン。ただMainooは自分に余裕があったもののBrunoに余裕を与えるようなタイミングでリリースできず(横のDalotであれば加速してた)Brunoは囲まれ、前向きのCasemiroに託せたもののパスエラー。ポジトラに移行しかけていたUnitedはひっくり返され数的不利。Gravenberchは十分に目線を引きつけてSalahに託し、Salahは丁寧に余っていたファーにクロスを送ってL. Diaz。Mazraouiはそこまで頑張って追い越さなくても良かったかな。リスク管理はチームとしての課題。まあMazraouiが残っていたとしても足りてなかったんだけども。Gravenberchもよく読んで閉じてる。
36:00 強いプレスを受けたde Ligtに対してGarnachoが縦の選択肢になろうとする。
36:40 リスタートから右に偏った状況でLiverpoolの前線4枚の制限を受けるところからUnitedの保持。まずL. Martinezが奥を覗いたタイミングでZirkzeeはもっと素早くパスコースに入れたら開通した気がするし、Rashfordは奥へのアクションの素振りを見せるべき。Casemiroが右奥を覗いたタイミングも見えてないけど同様。de Ligtに入ったところのL. Diazの寄せの強度、中を切りながらそのまま足先で外も消しに行く。ただCasemiroのパスもde Ligtに身体を開かせるようなメッセージがない。CasemiroがホルダーのタイミングはZirkzeeがおそらく縦方向に裏抜けに出たが、縦縦は厳しい。L. Martinezにボールが渡るタイミングでのDalotはいい位置のサポート、ボールが入ればRashfordに展開できたはず。MainooはずっとJotaに消されてるのに、動きが無くて中のスペースが埋まり続けてる。Brunoも同じ場所にずっと留まっている。
37:05 相手のボランチ周りにMazraoui,Bruno,Dalot, で3v2。難しいしリスクもあるけどOnanaからMazraouiに出せたらなとも思う。de Ligtに渡って開くMazraoui。de Ligtはアングルを変えてMazraouiに出せると最高。Brunoが繋がりに来ないのが一番悪いが。そうこうしてる間にJotaの2度追いで追い込まれて、de Ligtはロングボールを選択するもボールはvan Dijkへ。
38:45 2-6移動したDalotはL. Martinezに近づいてSzoboszlaiを釣ると、バックステップでフリーになりそのままターン、右足で逆の大外に展開。最高すぎるプレー。これを見せられると、昨季終盤のようにDalot2-6の3-2-5を基本の型にして脇にUgarteを添えるのがベストだと思えてくる。手前に当てちゃうBruno。クロスに対してGK-DF間を埋めるのがめちゃ早いKonate,van Dijk。カウンターへ完璧なスルーパスをL. Diazに供給するvan Dijk。Mainooよく戻って閉じた。以前よりも帰陣の意識は高まってる。
39:40 L. Martinezのイエローカード。こーゆーとこの van Dijkのキャプテンシーというか試合巧者感、すごい頼りになる。
40:40 GKに戻させたところ、Alissonは L. Diazへロングボール。 SzoboszlaiはUnitedのボランチの後ろでフリーになってるため楽々セカンド回収。なお、この時Unitedの最終ラインはほぼハーフウェイライン。
41:15 縦に向かって行って引っ掛かるGarnacho。Gravenberchの寄せも強く速い。
41:30 失点、0-2。ペナルティエリア手前で奪ったが、間で受けてターンしたCasemiroがコントロールしてる間にL. Diazがプレスバックでボール奪取し、一度外のSalahに託す。Salahはダブルチームの間をアウトサイドで中に送り、L. Martinezもタイミングを外され、再びL. Diazが右足で正確に強く流し込んでゴール。
43:10 Liverpoolの外誘導からタッチライン際で受けたMazraouiに対して斜めに繋がったGarnacho、ここから逆方向へボールを広げたいところで、近い距離だったのでMazraouiがワンツーを試みるもパスがズレてやり直し。Garnachoは右利きだからファーストタッチで内向きになるのは難しかったかな。
43:27 L. Martinezが受けると同時に2列目から大外で繋がりにくる選手がいない。ボールが入ってからDalotが取りに行く始末。Rashfordが降りてもTAAについて来られるだけだからこの状況ではMainooが降りるのがベター。右サイドに戻すことになり、Salahが言うようにJotaが de Ligtに出ていれば完全にハマっていた。ただ de Ligtがゲートを覗いてもそこには誰もいなかった。やり直し。
43:39 再び左に周り、外でDalot。きちんと体を開いて逆足で止めたがすぐに選べる選択肢はなかったようで、Szoboszlaiの圧を受けて、逆足故に顔を上げられず雑に前線に逃げることに。ここでMainooはGravenberchを引き連れてサイドフローしてるが、Dalotのリリースタイミングだった時にはまだ外に到着しておらずうちのスペースは空いておらずZirkzeeが手前に降りるのが遅れたと見られる。何にせよLiverpoolの強度が高い。
43:55 再び外に追い込まれたde LigtはMazraouiを経由してOnanaに戻そうという意図のパスだったが、Mazraouiとは合わず。
44:17 外に追い出した時に、Rashfordの目の前を通過してSalahに入るボールってこれ悪いと捉えた方がいいのかな。Garnachoでも同じことあったけど、何とも言い難い。
45:25 ten HagはこのプレーでCasemiroの交代を決意しただろうな。
47:25 Mac Allisterの対角フィード、ドンピシャストレート。L. Diazに対してMazraouiはギリ後ろ足で引っ掛ける。
48:50 Casemiro、雑。
49:05 意気消沈気味で強度が伴わない寄せ。
49:40 スローイン時にボールが出ると同時フワッと前に人を捕まえに行くMainoo、中央に大きなスペースができてSzoboszlaiがフリー。GarnachoもSzoboszlaiへの意識が薄い。
49:52 MainooがファーストプレッシャーをかわしてBrunoは渡りカウンター。しかしBrunoのパスはZirkzeeの足元に行ってしまいスピードダウン。Brunoにvan Dijkが厳しすぎる対応。
前半終了。
前半のシュート数はUnited2、Liverpool4。2だけだけど、4だけ。
HT Casemiro→Collyer PL Debut !!
出場前のCollyerに何やら声をかけるDalot。多分頼もしい言葉をかけてくれているのだろう。
Collyerはボランチの左に入り、Mainooがアンカー。
後半立ち上がりから勢いを持って試合に入ってくるJota。
Jotaの膝がMazraouiの後頭部に当たって一時試合ストップ。
50:03 van DijkからTAAにボールが入る直前に首を振ってTAAを確認して、ボールが入った瞬間にしっかりボールを奪いに寄せれているCollyer。
50:09 Dalotのパスから数的同数になって受けたRashford。Konateはスペースを埋めることを優先して後退したが、RashfordはKonateと勝負せずに横のBrunoへ。しかし、パスはマイナスに入ってしまい、Szoboszlaiが素早い戻りでカット。このシーンのRashford、パスをした判断が悪いのでは無くて、パスするという選択肢が前提のプレーになってしまったのが残念。自らの強みを活かす絶好の場面を自らの手で手放してしまった。意識改革の最中なのでこういう事が起こるのも理解できるが。
50:22 華麗とプレスバックを交わすDalot。後半のUnitedの保持はゾーン1からDalotの2-6移動がベースに。
50:30 1stプレス隊の手前に降りて前を向くMainooに対して、間で受けて前向きを使うCollyer。これによってde Ligtに時間ができ、de Ligtは外に出すボディフェイクを挟みながらフリーでボールを運ぶ。Mac Allisterの脇のMazraoui。一旦やり直し。
50:51 L. Martinezは左に選択肢が無く、de Ligtに返し、L. MartinezにリターンがきたタイミングでCollyerがサイドフローしてタイミング良く外の選択肢を作る。
51:03 Jotaの背後からスプリントでスペースに入りMazraouiへのレイオフを狙ったMainoo。ただボールは出ず。やり直し。
51:11 Liverpoolは前半に引き続き、Onanaも含んだビルドアップに対しては、前線の4人がU字型になり、ボランチを2トップが背中で消し、WGが外切りでプレスに出る。大外のサポートにはボランチが捕まえる。
51:22 OnanaからL. Diazの背中側のMazraouiに高精度なボールが出る。狙いは良かったが、Mac Allisterがボールサイドに間に合って対応。Liverpoolのボランチ2人は前半から外で受ける人に対して中のスペースはそれほど気にせずに強く出ていく。
51:30 Alissonに長距離スプリントでプレスをかけてロングボールを蹴らせたBruno。これは偉い。
51:35 Rashfordが足元でボールをも持つととすぐに奥にアクションを始めるCollyer。そこにMainooからロブパス。Collyerは頭で落として、手前で溢れを待っていたZirkzeeが拾って枠内へ惜しいシュート。Alisson好セーブ。早速可動範囲の広いCollyer効果が出て、Zirkzeeも得意のエリアで前を向いてフィニッシュ。
51:55 スローインからGarnachoの縦への仕掛け。しかしクロスは速すぎてしまう。
52:15 このヘディングもしっかりGarnacho目がけて飛ばしてる de Ligt。
52:22 Szoboszlaiの背中を追うようにしてその斜め後ろで受けるCollyer。素晴らしい。180℃ターンできるスペースはあったが横に持ち出す。
52:40 このMainooもSzoboszlaiの斜め後ろを作ろうとする、ただ場所に入るまでに距離がありGravenberchの睨みを受けたためL. MartinezはOnanaに回避。
52:46 スペースを見つけたので降りてきたBruno。de LigtはMainooをうまく見つけたように見えたがパスがズレて被ショートカウンター、かと思いきやここはDalotの戻りが間に合った。
53:20 押し返されたLiverpoolだったが、すぐに連続してサポートが降りてくる。無理せずGKまで戻る。ただUnitedもRashfordが外切りから二度追いして van Dijkにロングボールを蹴らせて、de Ligtが Jotaとの競り合いにしっかり勝つ。 Dalotのボールが、ちょっと雑に。
53:58 セカンドを回収されて株カウンター。CollyerはTAAとの並走でスプリントスピードを披露。de Ligtの見事なシュートブロック。
55:02 良く見るとBrunoって、ターンする際のの被ファウルめっちゃ多いな。
55:10 前後の人数比を考えると、de Ligtはここで奥をみれるといいけど、この試合のこれまでの前線のアクションとか含めて目線が合ってないからしょうがない。
55:14 失点、0-3。間で引き取ろうとするも、直前でMac Allisterに寄せられていることに気づいて焦るMainoo。身体で守ろうとするも厳しく潰されて被ショートカウンター。Szoboszlaiは丁寧に引き付けて、SalahがダイレクトでOnanaの逆をついて流し込み。Mainooとしては受ける前の準備不足が露呈されるロストになってしまった。
得点後のキックオフも油断させないLiverpoolの圧力。L. Martinezもたまらずエラー。
57:10 Salahにボールキープされて、振り回される…。そしてあわや立て続けの4失点目。
2本目のコーナー守備。CollyerはCasemiroに代わってエリア担当。溢れ玉のKonateのところ、細かいけどフリーにしたくない。
58:42 セカンドの球際強度低くないCollyer。ここ結構サイドに圧かかってるけど、TAAもSalahも空間使ったパスを正確に使った逃げてるのすごい。
59:05 ここも蹴らせたけど、ロングボールに対してL. Diazがきちんとセカンドを回収できる場所を取れてる。戻ってカットインのコースを埋めれてるCollyer。
59:32 スペースを埋めつつ、遠距離からタイミング良く狙いを定めて迎撃して奪い切るCollyer。
59:40 ここのRashfordはいい角度で持って縦に仕掛ける十分なスペースがあって、選択肢も持っていただろう。さすがにRashfordに期待される役割を考えると消極的と言わざるを得ないかな。これで平行へのリリースとかなら全然分かるけど。
60:00 この位置でこんな強度のプレスバックが来るなんて人生で初めてだろうなCollyer。
後半は割とその場で適宜人基準にアグレッシブにプレスをかけられてるUnited。Liverpoolがロングボールを選択する回数は増えた。
61:11 このスローインも、Mainooは Szoboszlaiを自分の前に置くべきだと思う。de Ligtが飛び出して危険なシーンになりかけた。
61:25 Liverpoolのチェイシングと囲い込み、早すぎ。
61:55 Konateの対応の確実性ほんと高い。
62:15 L. Martinezが列を上げてオンタイムでDalotも開いてうまくフリーを作れたが次の選択肢(Zirkzee)が間に合ってない感じ。
62:40 浮いたボールのコントロールで外に押し出されるが、中向きの体勢を使ってZirkzeeの高さを活かすふんわりクロス、Rashford。
63:30 この試合通してだけど、Mac Allisterつって対人めっちゃ固い。なんか全部掌の上って感じ。
63:45 de Ligtで加速を殺せずにカウンターを喰らうも、追いついてSzoboszlaiのところを埋められるCollyer、まじで貴重。L. Martinezも全身を目いっぱい使った素晴らしい対応。
65: L. Diaz→Gakpo
66:07 中の2人ともクロス対応はうまくやれてる。Szoboszlaiのクロスの質が高すぎてそりゃ先に触られたけど。
66:52 スローインに対して連続でアクションを起こしてスペースを作ったZirkzeeいい。Collyerもうまくベクトルを見て前向いた。
67:34 Brunoのプレスバックで囲い込み。
68: de Ligt, Garnacho→Maguire,Amad
69:55 Mainooは受ける時にホルダーと向き合って受けるのは良くないけど、その分相手を釣り出して逆ベクトル取れるから成立してるんだな。
70:05 Rashfordの仕掛け、ちょっと正直すぎたかな。
70:40 Brunoのサイドフローから中を経由して前進していく。Amadはボールを受けてすぐに返さずに数mでも押し下げてるの偉い。再びMainooが1stプレスの手前で引き取ることでCBに余裕ができる。その恩恵でRashfordが接続して、大外のDalotは逆足の利を生かして相手を押し下げてる横断していく。ただLiverpoolもAmadに対してすぐダブルチーム。まあチャレンジを悪いとは言わないけど、今のタイミングで1v2になったならAmadは後方サポートを使った方がベターだったと思う。まあ全然悪くないけど。
3本目のコーナー、右からはAmadのインスイング。L. Martinezも中に加わる。
Amadの相手固定しながらのふんわりクロス。L. Martinezよか当てるわそれ。
73:10 その前のファウルも含めて、Salahに対して決して遅れを取らずフィジカルでも劣らずクリーンな対応ができるDalot。安定感抜群。
74: Jota,TAA→Darwin,Bradley
76:50 2人に寄せられても懐でボールを隠して逃げられるAmad。
77:15 一度縦を匂わせてから、カットインして van Dijkの背中ファーポストにおとす完璧な球質のボールを送ったRashford。Zirkzeeもクロスが上がるタイミングで場所に入れていた。ただうまく当てられず。非常に惜しいシーン。Rashfordは直前のシーンで仕掛けずにブーイングを受けていたが、自らの選択を完全に正当化するような素晴らしいクロスでした。頑張ってほしい。
77:58 こーゆーとこも足が届くDalot。
78:10 Liverpoolうますぎ。Mazraouiよく粘った。
78:25 Maguireの受ける位置。意味ない。
78:55 Brunoにはもっとこーゆーところで受けて前向きになってもらいたい。Amadもタイミングよく繋がって、相手の遠い方にファーストタッチを置いた。Mazraouiこんだけ挟まれても両足をうまく使って奪われない。Amad、シンプルにゴールへの迫力は出る。
4本目のコーナー。キッカーAmad。ニアに弾道の低いボールは簡単に跳ね返される。
80:30 Liverpoolのゴールキックに対するRashfordの追い方が正面からすぎるな。てか、これでも良いとしても強度の問題か。
80:43 ここも2トップの手前(ちょうど中間)で受けたMainooが前向いて、今度は自分で踏み込む。Mainooがアンカーに入って、出し手側はだいぶ安定してきた。
80:53 Bruno降りる時、もうちょい深さ取れるし、その方が余裕できて中も覗けると思うけどな。あとやっぱサイドフローって場所に入る速さ大事。
81:34 ここもCollyerが1stプレスの手前に降りて前向きになる事で、Salahに影響力を持って外切りを止める。これは通らなかったけど、角度次第ではSBへのパスラインも作れる。
82:03 van Dijkに対して素直にプレスに出すぎていなされるZirkzee。
82:10 Maguireそこはスライドじゃ無くてDarwinマークじゃないか。
82:15 Collyerがバックステップ踏んでフリーになりかけたけど、ボール動いてる間にSzoboszlaiの圧が来てSalahも加勢で追い込まれる。Szoboszlai本当にプレー強度が全くもって落ちないな。
82: Robertson→Tsimikas
83:22 OnanaはZirkzee狙いかな。Zirkzeeはせっかくデカいからターゲットとしても成長して欲しいな。
84:10 Collyer、ゲートに対しての良い立ち位置。左外空いてなかったのかな。
84:25 さっきまでMainooを捕まえてなのに今度は逆でCollyerに少しの時間も与えないSzoboszlai。邪魔すぎ。
85: Zirkzee→Eriksen
85:54 わかりやすく雑になるBruno。
87:10 Mazraouiが2-8移動しててGakpoのこと釣ってるのに、手前のスペースに降りてこないBruno。Brunoはプレーエリアの制限がされてないからこーゆーところでスペースに来ない現象に繋がってるんだよな。でもBrunoに制限をしないのも分からなくもないしな。
87:30 Rashford戻れてないな。中寄りの最前線にいる時にネガトラ発生したら、意識落ちちゃうよね。まあバランス的に分からなくは無いが。
88:02 たぶんまだDalotでファーストライン超えてる。大外Rashfordに託して良い前進。
88:15 Amadここも2人のの間を抜くことが頭の大半だ。キャンセル。
88:42 Mazraouiの懸命なマイナスケア。
90:35 Eriksen、ちゃんと背中でMac Allister消してるな。
93:42 このL. Martinezが開けたタイミングの奥、もっと狙いたい。
94:00 なんか中盤にいる一連のBradleyうますぎる。
94:10 Darwinは全然怖くなさそうなMaguire。Collyerはプレーベクトル変えるのスムーズだな。
94:40 間にはアウトサイドでうまく通すAmad。
試合終了。0-3、負け。
【試合評】
結果は3-0でLiverpoolの快勝。あらゆる面で新生Slot Liverpoolがten Hag Unitedを上回った、そう言って異論なし。ただこの試合において結果に直結した要素というのは限られており、スコアが与える印象ほどLiverpoolが圧倒したという内容ではなかった。
Unitedは先制されるまでは概ね互角に闘えていた。Liverpoolのビルドアップに対しては、この試合仕様のハイプレスを用意していたように見えた。しかしLiverpoolは早々に出口を見出してUnitedの拡大されたライン間を利用してゴール前に迫った。ただUnitedの守備設計はそこまでは想定内で、MFラインを超えて一気にゴールへと加速してくるLiverpoolに対して4バックが守備者としての質を見せて、決定機は作らせなかった。特に初スタメンのde Ligtは期待通りの輝きをみせた。Jotaへの対応は全勝、適切な準備でクロスやシュートを跳ね返し続けた。Mazraoui、DalotもL. Diaz,Salahに質的優位を取られることはなかった。
ただ自陣に侵入されたUnitedはそこから敵陣に押し返していく術を見出せなかった。Liverpoolの出所に対して積極的に圧をかけて外に追い込んでいくプレスに対してUnitedの2,3列目の距離は遠く、ボールを引き出す工夫も乏しかった。いざ中で前向きになっても、Liverpoolの強度の前に屈する。試合を通してSzoboszlai、Mac Allister、Konateは特に大きく立ちはだかった。
とはいえ、先制を許したシーンのロストはあまりにも淡白だった。Casemiroが前向きで受けたものの、割と取り柄の加速トリガーパスを引っ掛けてしまった。最後はLiverpoolの選手2枚が余る地獄絵図。
まあミスが起こったのは仕方ないので、仕切り直せればよかったが、引き続き自陣から出るのに苦労している間にCasemiroがカウンタープレスを受けてロスト。今度は人数はいたけどSalahとL. Diazの質で破られた。
後半は、Liverpoolがより非保持でリスクを負わなくなったことも起因してくるが、アンカーに入ったMainooが相手1stプレスの手前で前向きにボールを引き取るようになり後方に余裕ができるようになった。お陰でゾーン2→3の侵入回数は格段に増え、左サイドからRashfordの素晴らしいクロスが2本、決定機を演出した。途中出場のAmadも良くも悪くもゴールへの直接的なアクションを見せて、得点への期待度は上がった。また、HTから入ったCollyerも、まだPLという環境に慣れていない部分は散見されたが、ビルドアップへの関与やネガトラの背走才能などで十分に戦力として機能することを証明した。
失点は後半もビルドアップから。今度はMainooが中央で囲い込まれて再びショートカウンターを受けて失点という形になり、3-0というスコアに終わった。
試合全体を振り返ってみると、まずLiverpoolの保持にそこまで苦しんだ訳ではなかった。もちろんUnitedの非保持強度は勝利を得るには不十分だったし、Liverpoolの選手たちの保持においてのベースの能力のところには違いを作られたが、組織対組織というところでそこまでUnitedが瓦解していた訳ではなかった。
敗因は明らかに自分たちの保持にあった。前進がままならないため、ボールが自陣ゴールに近い時間が増えてくる。さまざまな理由で保持が安定しないため、そういう危険な地域でトランジションが発生する。Liverpoolといえばトランジション、トランジションといえばLiverpool。そこに世界最高峰の質が伴い、奪ってはフィニッシュまで完結させる、奪われてはすぐに囲い込む、全員が全力で帰陣してカウンターを完結させない。
こうして試合の中でLiverpoolが優位性を握り続けた。
【選手評】
Onana:
セーブは0、というかセーブ機会がほぼ0だった。1,2失点目はノーチャンスだし、3失点目はOnanaっぽい読みでファーを消したけど、単純にSalahがそれを上回ったに過ぎない。
保持面では、前半にフリーのMazraouiのところに落とせたらなと思っていたら、後半そこに落とす高精度のボールが見られたので、さすがでした。
L. Martinez:
守備対応に関しては、僕が見つけて批判できることは特になかった。カードを貰った迎撃タックルは失点後のストレス発散的なものになってしまった。
保持面でも特に問題があったかと言うと、彼周りで起きたエラーが彼由来であることはなかったと思う。外切りに対しての列上げは、苦しいビルドアップの中で、組織にできている穴を逆に利用してチームにプラスをもたらす素晴らしい動きだった。
de Ligt:
試合評でも触れたけど、本当に素晴らしい守備対応をしていたと思う。初先発でLiverpool相手にこれだけのパフォーマンスの質だったので、信頼度は相当高まった。
保持面では、選択肢が少なくて苦しい中でも、悪目立ちするようなプレーは見受けられなかった。余裕があるシーンでは、ボールを前に運んでからリリースすることもできていたし、リポジも無難にできてたかな。
Dalot:
改めて、凄い選手に成長している。
あまり分かりやすく対峙するシーンは多くなかったが、Salahに対して負けず劣らず。
保持面ではゾーン1の大外で受けた際に右足で中向きになった後に、左足で外向きにアングルを作り替えることができたり。2-6移動後は、手前で選択肢になったり。ゲートの奥で引き取って前を向いて逆に広げたり。Rashfordにもその都度適切なサポートを作ったり。
組織的な安定が伴えば、もっともっと成長していけるんだろうなと思う。
Mazraoui:
非保持では、WGとの対人性能(対面、ハーフレーン迎撃、空中戦)、マイナスに対するケア。保持面では、プレス耐性、ポジショニングとアングルのバリエーション。
この試合でも改めて、文句のつけどころが難しい良質な選手を獲得したなと感じた。
そもそもお門違いな訳だが、彼に少なからず不安を持っていたサポーターも、もう信頼し切ってるだろう。
Casemiro:
今まではある程度隠せていた弱点がLiverpoolによって完全に丸裸にされ、強みの部分でもミスが出て、巷では怒りを通り越して哀しみが湧き出てきているほどの戦犯扱い。UgarteがOld Traffodに到着したまさにその日にHTで交代となり、残念ながら完全に彼に引導を渡すような象徴的な試合になった。
実際にプレーの質はどうだったかというと、Liverpool相手ということで普段よりより早く早く、カウンタープレスを受ける前に帰陣される前にポジトラを、という強い意識が見られ、それがプラスに出ることがなかったというところではないだろうか。
Mainoo:
Casemiroの脇としてのプレーは評価するのが難しいのだが、間違いなく言えるのはトランジション局面でLiverpoolのカウンタープレスを剥がすボール捌きと身のこなしはさすがだった。また後半はアンカーとしてのプレーになったが、積極的にボールを手前で引き取って、味方に時間を配り、Unitedのゾーン2以降の保持を安定させた。
ただ失点シーンも含めたボールレシーブの距離感やアングルの作り方と首振り、せっかくボールプレーは上手だがリリースの選択肢はやや乏しいなと感じる。
あと、帰陣の意識の高まりが日を追うごとに良化傾向にある。球際も果敢に頑張っている。
Bruno:
正直言って、この試合に関して、保持面でどこを褒めれば良いのかあまり分からない。
チームとして前進に苦しんでいる中で、Zirkzeeとの連携の未成熟や、全体の立ち位置のチグハグ感を考慮したとしても、手前にも奥にも、あまりにもアクションが乏しかった。あり得ないくらい。
ボールを持っても安易に引っ掛けたり、キャプテンであるにも関わらずフラストレーションをボールに込めてしまうシーンも見受けられた。
Mountが不在の状況で、寄せの甘さが見られたり、プレスの統率者としてもまだ不十分であった。
Garnacho:
全体的に彼が生きるようなオープンな場面はほとんど無かった。
ただ非保持では十分にタスクをこなし、ボールサイドへの寄せの強度の高さは継続的に良かった。
気になったのは、ポジトラに入ってからのプレー判断の粗さと、Mazraouiに対して見えてないところでどれくらい奥へのアクションを見せられていたのかなというところ。
Rashford:
非保持面ではTAAの管理に手を焼いて、前に出るか後ろを埋めるか、難しい判断を迫られていた。迷いがある分もあって、プレスの強度も足りていなかったし、ポジトラ待機の役割も大きかったと思うので、ネガトラの積極性が見られるシーンはあまり無かったかな。
ホームサポーターからブーイングを受ける要因にもなったプレー判断のところは試合の観察メモのところで触れてるので割愛するが、Rashfordは結局押し込み状況を作って、そっから自らのクロスでチャンスを演出しているので、ブーイングを食らう筋合いなんて本当は無い。
前進過程で大外に張らないのは恐らくベンチの指示なのでしょうが今のところあまりハマってるとは思えていない。ここはもうしばらく様子を見たい。
Zirkzee:
初スタメン。非保持のタスクはまあまあの強度や精度ながらも忠実に遂行はしていたし、中央のセカンド回収にも関与できていて概ね良かったと思う。
ただ保持面では、ライン間でうまく接続できるシーンを作れなかった。これはチームの構造的な問題も大きいが、味方とのタイミング調整を合わせられなかった部分もあったと思う。画面外だからあんまり分からないけど。
ロングボールの競り合いは苦手と聞いていたけど、それは見ててよく分かった。
二度あったクロスからのチャンスシーン。あれをゴールにする可能性が高まるように、Højlundと共に練習して成長していって欲しい。
Collyer:
PLデビュー。試合評でも触れたけど、PSMの活躍そのまま、投入から良いプレーの連続だったと思う。
特に印象に残ったプレーは51:35のシーンで、手前でのビルド補助だけでは無くて、このようにプレーの連続性の中で相手の背後を狙って動けるのは素晴らしいなと思ったし、ちゃんと頭でZirkzeeに落とせてるのも凄い。
出場機会を得てこの環境に徐々に慣らしていけば、今シーズン間違いなく飛躍していくだろう。
Amad:
大外の基準として前進に貢献したり、内側のレーンで前向きになれたり、ゴールへの意欲的なアクションは面白みがあった。
ただ、課題が良い意味で浮き彫りになったと思う。ダブルチームに作られた時に二度とも間を強引に割ろうとして失敗した。スピードを調節して、後方の味方を利用できるようになって欲しい。
Maguire・Eriksen:
観戦メモ以外で特に取り立てて言うこと無し。
すみません。
【課題考察】
Unitedにとって最大で明白な課題はビルドアップ、特に自陣深くからピッチ中央まで前進するフェーズだ。
まず前提としてHøjlundの離脱や、McTominayの放出によって、前線に雑に預けて時間を作ることができる選手、高さを活かしてセカンドボールを拾うチャンスを生むことができる2人の存在がいないのが大きい。この試合でも、そもそも空中戦に強みがある訳ではないZirkzeeは蹴り先になってもKonateとvan Dijkに尽くクリーンに敗れるだけだった。
さらに今夏の大きな変化のひとつになるであろう、Ugarteはお披露目がやっとの状況にあった。
Unitedの保持の問題は配置どうこうの原因もあるが、重大なのはとにかく受け手がポイントに立てず・入れずにボヤけて選択肢になれない部分にある。Casemiroがその象徴で、それが横や前の選手、その隣の選手のズレにも波及するから組織として停滞する。個人的には開幕節から特に左サイドの立ち位置のチグハグ感を感じているのだが、起因しているところはここだろう。
また、ボールを動かせる状況を作れたとしても、今度は相手を動かせない。この試合、最終ラインはボールを横に振りつつ入り口を探し続けたが、中央の選手がマークを引き連れつつ降りて出し入れだけでもしてみようとしたり、前線は奥に向かう効果的なボールも引き出せていなかった。とにかく各個人が行うアクションの量と質が足りない。
さらに、仮にボールが一個前に進んでも、すぐ正直に2個前に進もうとして相手に捕まることもしばしば。
一方でLiverpoolを見てみると、サポートの距離感や角度を確保できていて、運動量も含めた連続性が伴うため、寄せられても近くの選択肢をその都度使い続けられる。
また、試合の流れの中で、角度や距離感、タイミングが合わない時があるのは当たり前だが、それを補うことができる質も揃ってる。特に、Gravenberch,Mac Allister,Szoboszlaiはフィジカル的にもテクニック的にも非常にレベルが高い。
しかし、Unitedはこれらの選手たちと比較すると保持面での質が見劣りする選手が多く使われてきて、今も使われている。Mainooでさえ、ポテンシャル採用の意味合いもある。(じゃあそもそもCasemiro使うなよ、的な話はピッチ外の話もあって長くなるので割愛する。)
ただ今夏、Mazraouiとde Ligtが入り、早速前任者たちとの違いをみせ、代表ウィーク明けからはCasemiroに代わってUgarteを観ることもできる。
Ugarteは先に述べたポイントに立つ事ができる選手である上で、Unitedのもう一つの課題であるネガトラでも重要な役割を担える。Ugarteの加入は波及的にチームに大きな進歩を生むと信じている。
そもそもten Hagのやり方じゃ、という気持ちも分からなくもないが、ten Hagと新フロントは長期的な目線を持った上で、夏を経てここからまた新たなスタートを切る。丁寧に見守っていきたい。
一応後書き
僕程度のサッカーウォッチャーでも、Unitedについてもっと話したいこと、話せることがいっぱいある気がするので、今後も時々書くかもしれません。
それこそten Hag のことの深掘りとか。
ご完読ありがとうございました。
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