ハメを外せるようになりたくて、夜中のラーメンを解禁した
昨日の夜も、早々と布団へ入った。たぶん23時前だったと思う。
家族や友達と集まって、夜ふかししがちな正月とは思えない地味さ。なんか、休みの無駄使いをしているような気にすらなってくる。
でも眠いのだから仕方がない。
飛行機代の高さに驚愕して帰省を諦めたのだし、好きなように過ごしてやる。
お風呂もドライヤーもおわったことだし、ベッドへ直行だ。おやすみなさい。
が、そのまま朝まで熟睡とはいかず、パッと目が覚めた。
0時25分。思った以上に時間がたっていない。
また寝よう、としばし目を閉じるもすぐには無理そうだと悟った。
トイレに行きたいし、何よりめっちゃお腹が空いている…。
寝るだけだし我慢しようと考えたけれど、今日は圧倒的に眠気<空腹の感じだ。
明日も休みで早起きする必要などないのだし、せっかくだからなんか食べて動画でも見よう。いつもなら、バナナや冷凍ごはんでおにぎりをこしらえる。のだけれどあいにくどちらも切らしていたんだっけ。
どうしよう…と考えて、ふとあいつの存在を思い出した。
戸棚のはしっこに鎮座する、袋麺。
明らかに、禁断の香りがただよう。まじめをこじらせた気にしいのわたしには、普段のお昼にすら罪深くて手を出しづらい。ジャンキー代表、インスタント麺。
夜中に食べるなんて、26年生きてて一度もない。要するにパンドラの箱だった。
何度も書いている我が推しあいみょんは、月1でオールナイトニッポンのパーソナリティーを務めている。数か月前の放送で、こんな話をしていた。
「わたし、夜中にお腹空いて寝れへんとき、袋麺ゆでて食べることある。二袋とかいっちゃう。」
なんでもないことのように話し、しまいには、
「今日食べた分、明日すぐ太るわけやないから大丈夫と思ってる。」
謎の哲学じみた自論まで展開していた。
なんだそりゃ、と思うより先に、自由な発想がうらやましくなった。
わたしが、言うのも憚られる…と考えていたジャンキーの象徴を、いとも容易く解禁しているなんて。もちろんあいみょんだって、頻繁にしているわけではないだろう。不健康な行為であることなんて、承知しているはず。
でも、食べたければ食べるし、あっさりとラジオで公言もする。
常々思っていたけどあいみょんは自分の感覚に素直な人だ。
お酒やキャラグッズ、そして本やCD…。
好きの対象へ愛を注ぐことに、躊躇を一切感じない。清々しいほど、「好き」をさらけ出している。もしかしたら、公にできていない「推し」もあるのかもしれないけれど。
一方のわたしは。
「お昼マック食べたいけど、肌荒れしそうだな…」「昨日見たシャツ、ほしいけどお金もったいないか…手持ちの服で足りてるしやめとこ。」
なんて調子で、すぐ世の中の「こうした方がいい」にとらわれる。そして自分の「好き」を封じ込めてばかり。もっと楽しまなきゃもったいないぞ、とはたびたび思う。
推しの流されない姿に勇気をもらいつつ、どこかで線引きしてもいた。
「あいみょんは自分と違って、才能を認められてるすごい存在だからな…」なんて。
他の誰かが言っていたら、確実に腹をたてる類の言葉のくせして。そんな自分、かっこ悪くて嫌いになりそう。
もう推しのかっこよさを指くわえて眺めるだけで終わりたくない。
ちょうど新年が始まったタイミング。身にまとったダサい自分を脱ぎ捨てる絶好の機会じゃないの。
よし、決めた。今日は楽しいに全振りだ。
戸棚から袋麺を取り出し、鍋に火をかける。茹でて、うつわに盛りつけて…。
もう引き返せない。
初めまして、夜中のラーメン。初めまして、新しい自分。
あとはひたすら、目の前の麺に集中した。
カロリー、塩分？今は無視するに限る。
余計な思考に捉われながら食べるなんて、ラーメンに失礼しちゃう。
この時間は忘れられないものになりそうだ。大げさに感じて恥ずかしいけど、そう思う。
いつも以上に背徳感が強めの袋麺は、お腹だけじゃなく、心も満タンにしてくれた。
一つ、無意味に自分を縛り付けていた「やっちゃダメ」を脱ぎ捨てられた気がする。
そりゃ夜中にラーメンを食べるのは不健康だけど、たまにはハメを外してこそ人生の醍醐味。
健康は人生の必須科目だけど、健康になるためだけに生きているわけではないのだから。
2025年は、適度なおふざけをもっと楽しもう。
ちなみに、今日14000歩もあるいたので、ラーメンはチャラってことで。
おしまい
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