猟師の正月風景
猟師に正月休みは無し。という事で、サラリーマン猟師の我が家の夫は、本業はお休み。ゴールデン狩猟ウィークの始まりとあって、実家がある山梨へ。
夢の鹿猟への挑戦
お正月に実家に帰省するついで、兼ねてから夫の夢だった鹿猟を挑戦することになった。茨城在住であるため、山梨で狩猟をする場合、登録料と税金を合わせて1万円の費用が掛かる。
正直、なんで税金を二回も払わねばならんのだ?と思ったが、国ではなく自治体に収める税金だそうで、違う県で狩猟をするたび、この支払がつきまとうらしい。ハッキリ言ってコスパが非常に悪い。
こんなにコスパが悪いのだが、まるっきり正月休み期間を鹿猟に費やせるわけでもなく、私の仕事の都合上、たった三日で山梨を撤退するため、実質二日しか鹿猟のチャンスはない。
鹿猟のフィールド
鹿猟をするにあたり、フィールドのチェックはお盆帰省をした際に、すでにチェック済みだった。家から車で5分ほどの場所に、鹿避けのために作られている頑丈な扉がある。そこから、山へ入ると、簡単に鹿だか猪だかの痕跡を見つけることができた。やはり、近くに獣はいるのだ。
結論を先に言えば、沢へと向かう道筋にポイントを仕掛けたが、残念ながら2日で捕らえることは出来なかった。しかし、普段私たちがいる猟場とは異なり、雄大な山梨の大自然で狩猟を体験できた事は、良い勉強になったし、とてつもなくロマンを感じた。
というのも、私はいま古代史にハマっているものだから、先人が切り拓いた土地や石積みが残る景色の中で、古代人のように狩猟が出来ることが面白くて仕方がない。
ヤマトタケルが山梨で心が折れて筑波に想いを馳せる歌が残っている。私たちは車でやってきたが、険しい山越えの先に富士山を見た時の彼の心情を察する。
猪でお正月料理
早々、山梨から茨城へと帰り、私が二日ほど仕事をしている間、夫は一人いつもの猪のフィールドへ。私たちのフィールドには、元々有害鳥獣をしている猟師が一人いるのだが、恐らくその方が一頭獲ったであろう痕跡を残してから、パタリと猪の気配を感じなくなった。特に、正月期間中は動物の雰囲気がなく、「これは神様の元に集まってるのかね~」なんて干支の話になぞって諦めモードでいた。せっかくの狩猟ウィークだが、当たりがこないので、夫は料理を勤しむ。
猪のロースト
じっくり丁寧にグリルで焼いたローストポークならぬロースト猪。良質な脂で柔らかな味わいは、正月気分にさせてくれる。わさび醤油でサッパリと頂く。
猪鍋
定番ながらも飽きのこない猪鍋。霜が降りた後の白菜とたっぷりの根菜で、旨味たっぷり。料亭のような品の良い猪の甘さが広がる。
叶えたい夢
こうして、あっという間に終えた正月。
やはり、来期はしっかり時間を取って鹿を捕らえたい。
そして、気になったことがある。それは山のゴミ。詳しくは別途記載予定だが、茨城は山のゴミが多すぎるので、環境美化に携わりたいと考えている。綺麗な里山の回復が私と夫の夢の一つに加わった。