TARO

夫が猟師になった妻の日々の徒然です youtubeでも猟の様子を配信中

TARO

夫が猟師になった妻の日々の徒然です youtubeでも猟の様子を配信中

最近の記事

仕掛けて次の日に獲る罠猟

2024年の狩猟シーズンが到来。 11月15日から解禁となった。 例年に比べて暖かい日が続き、11月の半ばとは思えぬ気温。 紅葉も今ひとつで、落ち葉どころか草がまだまだ生い茂っている。しばらく来ていなかった山は、すっかり表情を変え、歩けたはずの道は大自然と一体化して消えていた。 猟期が始まる少し前、11月の頭に山の状態を確認するため、ひとまず前回仕留めた竹藪へと、ほぼ藪漕ぎ状態で向かう。すると、猪が住みやすそうなヌタ場は干上がり、秘密基地のようになっていた竹藪は綺麗に消え

    • 猟師になると肉嫌いになる?

      肉の解禁夫が猟師として猪をゲットしてから、我が家の食卓には、猪肉料理が並ぶようになった。夫婦二人で、1頭あたり約2~3か月分の肉は、あの手この手でさまざまな料理になり、消費されていった。 そして、いよいよ猪肉から解放される時が来た。 猪肉に飽きが生じてきた頃だった。これまでは牛肉、豚肉、鶏肉を使う事が出来ていたので、3種類の肉を楽しめたのだが、猪肉が来てからは、他の肉を食べることに、後ろめたさを感じるので、猪しばりが続いていたのだ。 初めての解禁肉に選んだのは、「豚肉」だ

      • 初めてのイノシシ解体

        解体前の心構え 猟師になった夫と初となる獲物は雄の猪だった。 ビギナーズラックで直ぐに掛かる人もいれば、我々のように1か月近く経って、ようやくの人もいると思う。いずれにせよ、いつ獲物が掛かっても良いように心構えておく必要がある。 解体の手順、注意点の勉強。これを怠ると、いざという時に何も出来ない。そのため、免許を持つ夫はイメトレをしながら繰り返し学び、その日に備えた。一方私は、今期は捕れないとあぐらをかいていた。 解体への恐怖心四つ足動物の解体。こんな物騒なことは、大

        • 残酷な猟師の現実

          動物の命を奪う時猟を始め、猟期が迫ったある朝。とうとう猪が罠に掛かった。 土曜日のよく晴れた日で、春めいた空気に、今季は無理か・・・と私は油断していた。そのため、慌てて里山を下って、一切合切の道具を持ちながら夫の元へ走った。 走りながら、私はついにこの日が来てしまった・・・と思った。獲物が捕らえられた嬉しさの反面、夫は動物を殺すのだから、憂鬱さ極まりない。 しかし、野生の猪を目の当たりした時、すぐに違う感情が押し寄せた。 「あ・・・もしかしたら、夫の命は今日で最後

          猟師に見られたい新米猟師

          メルカリで見つけた狩猟ベスト狩猟を始めるうえで揃えておきたい狩猟服。特に決まりはないのだが、夫は形から入るタイプなので、どうせならカッコイイ狩猟ファッションで挑みたい!という気持ちを持っていた。しかし、本格的な狩猟服は、お値段がそれないに高いため、フリマアプリでお馴染みのメルカリを利用した。 メルカリには、実にニッチなアイテムも出品されている。夫が見つけ出したのは、オレンジ色のハンターベスト。 実は、このベストを購入した時、夫は狩猟試験前だったので、実際には猟師にすらな

          猟師に見られたい新米猟師

          猟師が頂く山の恵み

          出猟2週間目山へ猟に出始めて2週間が経った頃、少し飽きが生じてきた。 わな猟は、仕掛けた後は見回り以外、基本やることがない。見回りの時に、わながズレていたら直す程度で、銃猟のような獲物を待つ緊張感がない。 幸い熊すら出ない地域のため、見回りに慣れてくると、ハイキング気分すら抜けて只の散歩である。当初は、夫と二人で見回りをしていたが、次第に夫より帰りが早い私が、日が暮れる前の夕方に、一人山へ見回りに行くことが増えた。 決して猪の痕跡が無いわけではない。毎回、何かしらの新し

          猟師が頂く山の恵み

          出猟1週間目、山で人が死んでた

          藪から棒なタイトルにしてしまったのだが、事実そのまんまの出来事が起きた。狩猟を始めて一週間ほど経った頃の出来事だった。 山で絶つ命罠を仕掛けた猟場へ、我々は毎日獲物が掛かっていないか見回りをしていた。ある朝、いつものように山へ向かうと、猟師たちが使う道の入り口に、警察のパトカーが止まっていた。パトカーの横に我々は車を止め、近くにいた警察官に尋ねた。 「おはようございます、何かあったんですか?」 すると、警察官は目を泳がせながら、「お察しください」とだけ言った。 よく見る

          出猟1週間目、山で人が死んでた

          猪にバレた罠の取り扱い法

          いよいよ罠猟デビューした夫。さっそく山で、お手製のくくり罠を仕掛けることにしたのだが、師匠がいない我々は、勉強不足で罠を仕掛けてしまった事に翌日気づいた。 猪に嘲笑られる我々が罠を仕掛けた場所は、猪の足跡、泥のすり跡、獣道、寝床、ヌタ場。これでもかというほど、猪の痕跡が残っていた。だから、絶対にポイントとして間違ってはいなかった。 ところが、私たちは大きな過ちを犯していた事に気づいた。なぜ、ミスに気付いたかというと、ヌタ場で、前日は無かったはずの、とてもくつろいだ跡があっ

          猪にバレた罠の取り扱い法

          現役猟師の仕事術

          夫は会社員をしながら狩猟を行っている。そんな夫の仕事に対する考えをまとめてみた。 対応力が自信に夫はいつも、対応力の無い人間になりたくないと言っている。対応力は、咄嗟の出来事に対して、どれくらい臨機応変に対応できるのか?という力な訳だが、狩猟を行っている人は、柔軟性を持った対応力が高い人間が多いと思う。 当たり前だが、狩猟は想定外のことが起きやすい。想像以上の獲物が掛かったり、狙った動物ですらなかったり。でも、どんな時も自分の安全を優先しながら、狩猟を遂行しなければいけな

          現役猟師の仕事術

          初めての狩猟デビュー戦

          目指すは報奨金 免許を取得し、めでたくバッチをもらった夫。 晴れて狩猟デビューとなるわけだが、狩猟は期間が決められており、我が地域のわな猟は、11月15日から3月31日までだった。バッチが届いたのは、1月下旬。年度内で狩猟ができる期間は、およそ2か月という短い間しか残っていなかった。 ちなみに、新人ハンター賞という県主催の報奨金がゲットできるのは、2月15日まで。できることならゲットしたい。夫は報奨金目的で狩猟をやるわけじゃないとカッコつけているが、道具を揃えるだけでも出

          初めての狩猟デビュー戦

          猟師に向いている人って?

          猟師になれるのか?という不安狩猟は未知の世界で不安に感じる。実際、危険な事もあるだろうし、予期せぬ事態も起きるだろう。でも、何かを始める時は、狩猟に限らず怖くなる。本当に自分にできるのだろうか?続けれらるだろうか?と自分を信じられなかったり、起きてもいない事を悪い方向へと想像を巡らせてみたり。でも、考えても仕方ないのである。やってみないと自分に適しているのか?なんて事はわからないから、とりあえずやってみたいのなら、始めてみれば良いのである。 そんな感じで、割とポジティブ

          猟師に向いている人って?

          スタイルは「夫婦忍び罠猟」

          単独忍び猟「単独忍び猟」それは、猟師にとって何だかカッコイイ言葉である。 その名の通り、ひとりで山に入って獲物を捕る猟のスタイルなのだ。 すべて自己責任になってくるので、知識や技術が必要なうえ、万が一のリスクも高いが、自由度がある点が魅力的だ。 銃猟の場合、この単独忍び猟の他、複数人のグループで行う「巻狩り」というスタイルが一般的で、初心者はベテランハンターと共に同行して、知識と技術を磨くことになる。役割があるので色々学べたり、心強い一方でグループならではのルールや責任が生

          スタイルは「夫婦忍び罠猟」

          平日サラリーマン休日猟師

          会社員が猟師になれるの?現在、狩猟で生計を立てられる人は、ほんのわずか。 ほとんどの人が本業を別に持っている。 私の夫も普段は会社員だ。 狩猟を始めたい人の中には、会社員として働きながら狩猟生活を送ることができるのか?と疑問を抱いている人も多いだろう。実際、参加した狩猟体験会でも、先輩ハンターへ質問で「両立することはできるのか?」という質問は多かった。結論から言うと、会社員でも狩猟を行うことはできる。両立は可能だ。 しかしながら、働きながら狩猟することは、本当に大変だ。

          平日サラリーマン休日猟師

          狩猟の準備したら犯罪者みたいになった

          わな猟の道具を揃える 狩猟免許の中には、かっこいい銃猟もあるが、我が家の財政事情において銃猟は難しい。銃は、とにかくお金が掛かる。銃代、弾代、登録料、ロッカー代など・・・・わな猟と比べるとだいぶ出費が多い。とはいえ、実際に始めようと思うと、わな猟においても、それなりに道具が必要になる。夫は、免許取得のための勉強と並行しながら、受かる気満々で、少しずつ通販で道具を揃えていた。 鉄バット わな猟では、罠に掛かった猪を仕留める時に、電気で気絶させるやり方もあるが、主人は最もコ

          狩猟の準備したら犯罪者みたいになった

          夫が猟師になりました

          茨城県で夫婦二人暮らしをしています。 夫がこの度、狩猟免許を取得し、猟師になったので、狩猟生活について書いていきたいと思います。 狩猟を目指すきっかけ夫はもともと狩猟に興味があった。 昔から山好きで、登山を趣味にしていたので、狩猟に興味を抱くのは、自然な流れだったように思う。しかし、忙しい日々を過ごしていると、心の隅で描いた小さな夢を実現するには、やや腰が重かった。 そんな折、アベマTVの「世界の果てに、ひろゆきを置いてきた」という番組を見た。そこには、2ちゃんねる創設者

          夫が猟師になりました