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賃貸で猟師は出来るのか?
猟師を目指す人の中には、賃貸の人もいると思う。
実際、私たちも賃貸暮らしだ。
結論から言えば、賃貸でも猟師になることは可能だが、賃貸アパートの方は当然ながら、一軒家の持ち家と比べると非常に大変だ。
賃貸によるスペースの制限
取得する狩猟免許によっても異なるが、基本的に狩猟道具の収納が必要になる。大きな部屋で、部屋数も多く余っている人なら、十分な収納スペースがあると思う。我が家は1LDKの賃貸のため、非常に狭い。
そこで、天井がいささか高めなのでロフトベッドをDIYで作り、下部分にスペースを増やして道具を置いている。それでも、物騒な道具が見え隠れしている。おまけに昨今、冷蔵庫にプラスして、肉を保管するための冷凍庫を買った。自分で獲った肉を食べる予定の人は、やはり大きな冷凍庫は必需品だ。なんとか分解すれば1頭は収まるが、2頭は通常の冷蔵庫では収まりきれない。
銃の場合は、専用ロッカーを備えるか、銃砲店で預かってもらう必要があるので、その分費用がかさむ。そもそもに金銭的余裕がある人は、持ち家を購入した方が、明らかに狩猟はやりやすい。うちのように金銭的な問題で賃貸な方は、銃猟はコスト面でオススメできない。
賃貸でも狩猟を可能にしている理由
賃貸物件で狩猟を始める人は、物件選びのポイントがある。
①フィールドの近さ
まず、狩猟ができるフィールドが近いこと。狩猟のために1時間も二時間も往復するのは大変だ。週末だけ出かけるにしろ、猟に出ると疲弊するため、近いに越したことはない。獲れた後も考えると、日が暮れる前に解体などをやりたいので、家が遠いと大変なことになる。ちなみに我が家は、フィールドまで車で5分程度。
②車は必須
賃貸でも車がないと狩猟は厳しい。山へ行くにも獲物を運ぶにも、車がないと、どうしようもない。汚れを気にするなら、軽トラックが最適なように思うが、我が家は軽バン(ホンダNバン)で運んでいる。一応汚れは気になるので、ビニールシートを敷いている。もともとブルーシートを敷いていたが、使い捨てのシートの方が効率が良いと気づき、塗装用のテープ付きを最近購入したので、次回からそれを使おうと思っている。
東出昌大君もプリウスで狩猟しているので、獲物が載せられる広さと山道に強い4wdなら何でも良いと思う。(車幅は狭い方が良い)
③解体スペース
獲物を駆除目的なら、山に還してあげれば良いだけの話だが、食べるなら解体できるスペースがないとマズイ。賃貸の場合、非常に気まずいのが獲物の搬入だ。
我が家は、大家さんちの一角を賃貸しているため、ちょくちょく大家さん一家に遭遇する。穏やかな大家さん一家を恐怖に陥らせないためにも、狩猟をしていること自体を内緒にしている。だが、たまに忘れ物をして、車に猪を乗せたまま自宅に戻ることがあるが、洋服には血がついている。車にも隠したいものがある。だから、犯罪者のような気持ちでビクビクしながら、”山登りしてきました”みたいな顔で挨拶をする。
ビニールに包まれた命の塊とバッド、ナイフ・・・。通報案件待ったなしの状態になるため、搬入と解体するスペースは別に確保した方が良い。
では、どこで解体スペースを確保するか?賃貸物件での解体は、色々と問題がある。キッチンでは解体できないので、風呂場での解体になってしまう。それこそ殺人鬼がすることだ。
だから、狩猟仲間や狩猟に理解ある人を探して、水場があるスペースを借りる必要がある。猟友会などを通して人脈を広げれば、そういったスペースを借りることも出来ると思う。つまり、コミュ力次第である。
私にコミュ力は皆無だ。夫は猟友会に入っていない。
幸い、車で30分程走らせると、庭に水道がついた私の実家がある。キャンプ用のテーブルを出して、愛犬が眠る墓の横で猪を解体している。一時保管用として、米用の貯蔵庫を借りて(勝手に使っている)肉の鮮度を保ちながら、ある程度解体したら賃貸に戻ってくる。大量の肉の塊をビニールに入れて帰ってくるのだ。
こうした条件の有無で、工夫を凝らしながら賃貸猟師を実現させている。
ただ、なんとかやっているものの、何も気にせず自由に狩猟をするなら、持ち家が良いなぁと一軒家への憧れを馳せる今日この頃。