大阪都構想の住民投票が危ない!
大阪都構想の住民投票が危ない!
コロナ禍での吉村知事の活躍もあって楽勝だと思っていたら、接戦になっており、世論調査によっては負けそうなのだ。
なぜか。既得権益の側の自民党と共産党がデマ情報を盛んに流しており、大阪市の名称が消えると情緒に訴えて功を奏している。
デマ情報は、抵抗勢力の大阪市役所の財政局職員が毎日新聞と組んで流したもので、大阪市を4区に再編すると毎年200億円の赤字が生じ、これを自民党は15年で3000億円になると大々的なキャンペーンにした。
大阪市財政局が出した数字(基準財政需要額)は、大阪市を4つに分けた区の一つ一つを政令市として計算したものの合計だ。ところが特別区は政令市ではない。消防や大学など広域行政は大阪府が担うからだ。
明らか意図的に間違った抵抗勢力の市職員の試算がリークされ、それを流したのは毎日新聞だった。さらに悪いのは、他の新聞やテレビもいっせいに後追い記事を書いた。間違いを指摘された朝日新聞は訂正記事を載せたが、短くて目立たない場所だ。
こんなデマで歪められた情報で住民投票が否決されたら日本はおしまいだ。
毎日新聞さんへ、特別区単位での基準財政需要額の計算式は総務省にありません。東京23区も合算方式で基準財政需要額を算出しています。計算式の無いものは出しようがありません。だから、財政シュミレーションは実際の予算で計算したのです。 https://t.co/UdLtqn627O
— 松井一郎(大阪市長) (@gogoichiro) October 28, 2020
毎日新聞の記事は明らかに間違っている。
①基準財政需要額で特別区のコスト増を測れるか?
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
・基準財政需要額は交付税算定上の理論値。実際の行財政運営の実態と関係ない。
② 都構想に伴うコストは、庁舎の整備や人件費など、実態に即し事務局が試算、法定協でオープンに議論されてきた。成果が特別区設置協定書だ。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
③ ·にもかかわらず、住民投票が迫ったこの時期に、実態に合わない「218億円増」という試算を「コスト増」とする報道は、住民をミスリードするものだ。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
④ ·そもそもの試算を見てみると、あくまで政令市・大阪市を4等分し、仕事はそのままに67万人の小さい4つの政令市を作るという前提という。政令市と特別区では権能自体に違いがあり、極めて乱暴で、無意味な試算というほかない。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
⑤ ·例えば、消防。これは東京と同様、まとめて大阪府に移管されるのでスケールデメリットなど働くはずはない。にもかかわらず、これも単純に4分割することで「コスト増」カウントとなっている。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
⑥ ·加えて、住民票や税などのシステムも、特別区で共同利用すると聞いていたが、試算だと4つのミニ政令市それぞれに独自システムを抱える前提になっているはずだ。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
⑦ ·かように制度案に基づく実際の財政需要と単なる理論値たる基準財政需要額は、そもそも乖離したもの。それを同じ土俵に載せて報道すること自体問題だ。いたずらに大きな数字を試算して「コスト増」のイメージを植え付け、住民の不安を煽るのはフェアな議論とはいえない。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
大阪都構想を否定するため、巧妙にいかにも理論的に見えるようなコスト増のデマが拡散しているので、その誤りを糾すため①〜⑦まで連投しました。◎大阪だけでなく日本の未来がかかっている重要な局面です。フェイクニュースによって判断を間違えないように!
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
大阪市が無くなる、と感情に訴える反対派は既得権益にしがみついている人たちであり、メディアはそうした声をわざわざ反映させる必要はない。メディアの中立を装い、双方の意見を半分ずつ載せるという欺瞞的な姿勢が既得権益に半分加担することだと気づくべきだ。
「都構想」に賛成の方も反対の方も、まずはこの猪瀬元東京都知事の①から⑦の連投をお読み下さい。218億円のコスト増という毎日新聞のミスリードを頭の中から消し去り、フェアな住民投票をお願いします。大阪は震災時に首都機能を代替する場所。また、全国の政令指定都市に影響力を持つ場所ですので。 https://t.co/mJ99GbGHoX
— 野村修也 (@NomuraShuya) October 28, 2020
以下、1年前の大阪都構想の僕の説明を改めて掲載する。
これは1年前のツイートです。東京側からの視点、全国の視点で、大阪都構想を説明しています。大阪の復興と担う役割は、1ローカルの問題ではありません。 https://t.co/fgwoJYzXdO
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) October 28, 2020
NewsPicksに載せた全文は以下にあります。
東京のメディアがきちんと説明しないから、東京側からは大阪都構想はあまり理解されていない。そのこと自体がすでに問題なのである。
東京が首都なら、大阪は副首都であり、本来はもう一つの中心でなければいけない。
首都にいったんことあれば大阪がバックアップセンターの役割を担う必要があるのだから。
横浜市と神奈川県の関係は、ある意味では横浜県と西神奈川県と行政区域が2つと考えられる。しかし大阪市と大阪府は、饅頭のアンコと皮の部分に例えてみると地域で分割はできない。二重行政がいかに非効率と無駄をつくり上げているか理解できると思う。
千葉県は台風被害で対応が遅れたのは、県という行政当局に実体がないことも一因であった。千葉市は政令市でそれなりの規模の消防や水道を持っているが、その他の市町村はたいしたものではない。県が動くといっても市町村の寄せ集めの動員になってしまう。だから3.11のときにも、千葉県が動けなかったから東京消防と東京水道の大軍団が液状化した浦安市を救った。そればかりでなく津波と火災で炎上した気仙沼市や福島の原発事故現場にも出場した。
東京消防や東京水道は広域を一元化した組織なので高度な装備の機動部隊なのだ。
そこで問題なのは大阪市消防も東京消防に次ぐ軍団を持っていても、大阪府下のそれぞれ小さな組織しかない40余の市町村はばらばらなのだ。市と府が一元化されると東京のように大軍団ができる。東と西の中心に大軍団ができると、他の県に何か起きたらすぐに救援に駆けつけられる。
なお霞ヶ関は現業部隊をもっていない。消防庁はわずか100人の政策官庁にすぎない。政府が指揮できるのは自衛隊だけである。
幕末の戊辰戦争で幕府軍が薩長に負けたのは、幕府軍は名前は大きくても実体は市町村の寄せ集めにすぎなかった。指揮命令系統も装備の高度化もできていない。薩長はいわば政令市規模の一元化軍団であった。
日本の副首都としての大阪都の役割を国家的な観点からも見直しておきたいし、理解していただきたい重要な事柄である。
東京都と競うような大阪都にならなければ大阪の地盤沈下は止められないだろう。