財務省(税金)が分配する予算(第一の動脈)に対して、寄付の総本山・公益庁(第二の動脈)をつくることで官僚主権から国民主権の元気が出る経済を目指せ! 日本維新の会の国家改造計画です。

 日本は官僚国家であり、その官僚の集積地である東京を中心に近代化が展開してきました。国民や企業から税金を集め、政府が予算案をつくり、富の再分配をする。これが国家の役割の重要な部分です。しかし、官僚機構による分配はだんだん既得権益化されてきてしまい、固定化されていく構造になりがちです。
 この状況を打破するために、首都・東京の機能分散として副首都・大阪に「公益庁」をつくろうと、日本維新の会は提案しています。単に東京の機能が大阪に移すという意味ではありません。それでは根本的な変化にはつながりません。
 政府でも民間でもない第三の道である「フィランソロピー」は世界では大きな潮流になっています。一言でいうなら寄付文化ですが、日本語では色褪せて聞こえます。あのフェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグが5兆円を寄付する、と二ュースになりました。自分で稼いだものを自分の判断で、必要としている団体や個人に直接に渡す。それがフィランソロピーの意味するところです。
 納税による所得の再分配が第一の動脈だとしたら、公益部門への投資(減税対象)が第二の動脈にあたります。政治家や官僚による硬直的な富の再分配の構造を打ち破るかたちで国家のあり方、民主主義のあり方を変えていく、そういう思想です。
 かつて「マネーの虎」というテレビ番組がありましたが、あれは最近のクラウドファンディングに近いものでした。要するに巨大な「マネーの虎」をつくるのです。フェイスブック創業者ザッカーバーグの5兆円は単なる寄付ではなく、組織をつくって自分が寄付をしたいところに分配するハイブリッド型の寄付行為です。こういった政府でもない企業でもない第三極のサードセクター、必要な場所に国家を介さずに必要なお金を直接持っていくという考え方が、国のかたちを柔軟性のある姿へとつくり変えていくのが新しい民主主義の形であり、経済の成長要因ではないかと思います。
 ふるさと納税は定着していますが、あれは単に地方税の行き先変えただけで総額は変わりません。ほんとうの寄付文化、自分で稼いだものをすべて納税させられるのではなく寄付により控除できる、つまり自分で分配する、そういう総本山としての公益庁を副首都大阪につくり、東京一極集中(官僚主権)の是正し、国民主権の第一歩としたい。
 あまり知られていませんが、日本維新の会は、こうしたスケールの大きい国家改造計画を掲げています。このまま惰性の行き詰まりのビジョンしかない既成政党とは一線を画するゆえんです。

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