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これからの解放運動『部落解放』819号

 雑誌『部落解放』の2022年819号に、部落解放同盟の幹部が参加した「これからの解放運動」という座談会の報告が掲載されました。
 今後の運動の展望を語る座談会の中で、部落解放同盟大阪府連合会委員長赤井隆史氏が、大阪の現状について、次のように述べています。

 大阪は都市型の部落が中心だということを前提として聞いていただきたいのですが、大阪の各部落ではこの10年間くらいで半数以上の住民が入れ替わっています。出ていく人は多く、帰ってくる人・入ってくる人はすくないので、全体的に人口減になっています。
 「部落に住んでいるけど同和地区出身者ではない」という人たちも、大阪では非常に増えてきている状況で、この人たちに対して「解放同盟に結集せよ」と言っても、なかなか届きません。そういう意味で、「ここがほんとうに部落出身者が集まっている地域なのか」(同和地区なのか)という問いもあります。
 そういったことも踏まえてわれわれがいま取り組んでいるのは、隣保館を中心としながら地域コミュニティをどう再生するのかということです。考え方としては、昨日今日部落に移り住んできた人や、部落の周辺も含めてまちづくりを考えていこうというものです。
 「地域共生社会」という言い方をしていますが、7、8年前から一支部一社会起業という取り組みをしています。つまりNPO法人なのか財団法人なのかはべつにして、各支部が一つずつ社会的企業を立ち上げ、「地域」を「経営」するという理念で取り組みを進めています。

人権のまちづくり運動について
『部落解放』2022年 819号 p19
特集:全国水平社創立100周年 座談会:これからの解放運動

 部落問題の解決を考えるにあたっては、現状がどうなっているかの把握が欠かせません。当事者団体の間でも現状についての認識は大きく隔たっていますが、かつて同和対策事業が実施された地域において、住民の移動、特に外から流入する人がいることは注目すべきことではないでしょうか。


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