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1922年3月3日、京都岡崎公会堂で全国水平社の創立大会が開催されてから、100年となる2022年に、水平社宣言について考えてみました。
設立当時の資料『よき日のために』(水平社…
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#水平社
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【水平社宣言を読む】ケモノの皮はぐ報酬として、生々しき人間の皮をはぎ取られ、ケモノの心臓を裂く代価として、暖かい人間の心臓を引き裂かれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた
水平社宣言には、当時の差別への怒りが書き込まれていますが、その一つとして、「ケモノの皮はぐ」「ケモノの心臓を裂く」という表現が使われています。これは部落差別が江戸時代の身分差別に起因し、被差別身分の中に、死んだ牛馬の処理に従事した人びとがいたことを意味しています。 そこで、江戸時代の身分制度と死牛馬(斃牛馬)処理について、簡単に説明しておきたいと思います。 ●死んだ牛馬の処理と関連産業 江戸時代の村では、農作業で使う牛馬が死んだ時に、その処理をする人を特定して任