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『試すとフィードバック』(4−5)社会を変える革新的な「試す」はBig-c

 他者に影響のない「試す」はmini-c、(4−3)他者に影響のある「試す」はlittle-c(4−4)専門分野の「試す」はPro-c
解説してきたので、今回はBig-Cに焦点をあてる。

Big-C:社会を変える⾰新的な創造性
糸川さんのロケット開発はまさにBig-Cの創造性と言えるが、ペンシルロケットは、当時朝鮮戦争が終わったばかりで、日本油脂にあったバズーカ砲の在庫の燃料と、中島飛行機のエンジンの試作工場にあった丸棒「チ−201」(ジュラルミンの中島独自規格)を組み合わせたもの。『糸川英夫のインベーション』より

 糸川英夫は宇宙開発の父、ロケットの父と呼ばれている。IT業界でいうとビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズ、自動車業界でいうと豊田喜一郎や本田宗一郎、漫画の世界でいう手塚治虫のような存在だ。ペンシルロケットとセットで名前ぐらいは知っているという方が多いのではないだろうか。(あなたは「国産ロケットの父」を知っているか

 これはまさに日本の歴史に残るBig-Cの一例だろう。このBig-Cの生まれ方に、複雑なものをそのまま対象にする米国のシステム工学の方法論と糸川流には違いがある。

 (4−4)専門分野の「試す」はPro-cでは、「試す」のプロセスをペラと一直線の翼の2段階にわけていることからフィードバックが分岐している理由を解説した。

 ロケット開発というBig-Cでは次の4段階にわけている。

  1. ペンシルロケット

  2. ベビーロケット

  3. カッパーロケット

  4. ラムダロケット

 それぞれの段階で糸川さんはどう考えていたのかを考察することで、米国のシステム工学と違うCreative Organized Technology(糸川流システム工学)の特徴が浮き彫りになってくる。


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