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『生成AI 真の勝者』電気が心配になる(業界の歴史)

 現在の生成AIをめぐる業界の歴史をサクッと理解するのには適した1冊だ。

 生成AI分野でマイクロソフトが躍進を遂げている理由に、ナデラCEOが設けたシニア・リーダーシップ・チームの存在があるという。部門横断的な約15人の最高幹部会が毎週金曜日に開催し、サプライチェーンや技術的な積み重ねをその場で議論していく。つまり、生成AIという一つのイノベーションはすぐに複数サービスに横展開されるのである。

 また、AWSの提携しているアンソロピックのAIモデルの安全性への取り組みは好感がもてる。国際連合の世界人権宣言や他のAI企業が発表するガイドラインを学習させているのである。

 意外だったのは、AI関連特許の出願件数が1位はアドビだとうことだ。アドビの生成AIについては知り得ないが、何らかのものを準備しているのだろうか。相変わらず日本勢の弱さが目立つIT業界だが、中国の驚異がそれをさらに鮮明にしていくのだろう。

 現実的に毎日のように生成AIを使う限りにおいて、大した変化にはなっていない。しかし、生成AIの脅威は従来のサービスにそれが付加されることが標準となると、それでないものは淘汰されてしまうところにあるのではないだろうか。いずれにしても電力だけは膨大に必要になることだけは確かだろう。


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Creative Organized Technology 研究会(創造性組織工学研究会)
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。