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『試すとフィードバック』(4−2)他者に影響のない「試す」はmini-c
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カフマンの4つの創造性の段階についは、『働き方改革のイノベーション』(まとめ)カフマンの4つの創造性ですでに解説した。さらに、 「創造性=新しい組み合わせ」という例を『仕事を減らす』『糸川英夫のインベーション』で解説してきたことを、『組み合わせとオルタナティブ』(3−1)4つの創造性と組み合わせで整理してあるので、改めて再読いただきたい。その上で今回は、mini-cに視点をあててみる。
mini-c:学習プロセスの⼀部である個⼈内の創造性
ガラス管とマッチ棒を組み合わせた大砲、ガラス管に電磁石を組み合わせた大砲、いろいろな液体を組み合わせた液体磁石など、完成していないが組み合わせの学習になったもの。『糸川英夫のインベーション』より
共有されやすいプレゼントして、その内容を1行や1枚に凝縮したものなど、成果につながっていないが組み合わせの試行錯誤をしたもの。 『仕事を減らす』より
糸川さんやプレゼンの例にあるように、mini-cとは、創造性のもっとも初期の段階で、経験、活動、事象に対して個人的に意味のある新しい解釈をすることと定義されている。まとめると次のようになる。
mini-cの特徴
個人にとって新しく意味のあるアイデアであること
日常生活の中で生み出されること
必ずしも他者から評価される必要はないこと
mini-cの例
レシピを工夫して新しい料理を作る
模様替えをして部屋を快適にする
趣味として新しい音楽やダンスを作る
仕事のやり方を工夫する
mini-cの重要性
mini-cは、日常生活をより豊かに、より楽しくするために重要な役割を果たします。また、Big-Cにつながる可能性も秘めています。
mini-cを育む方法
好奇心を持ち、新しいことに挑戦する
失敗を恐れず、自由に表現する
周囲の人と意見交換をする
創造性を刺激するような環境を作る
糸川さんのガラス管とマッチ棒を組み合わせた大砲、ガラス管に電磁石を組み合わせた大砲などの幼少期のmini-cは、他者によって創造的である評価されているBig-Cのロケット開発の発生源として考えられる。
つまり、その組織のmini-cを経営者が明確に意識し、それが生まれやすい環境をビルトインすれば、little-cやBig-Cが生まれやすいということになる。このことは、人口減少社会においての経営に直結するので、さらに深掘りしてみよう。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。