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『コピーライティング技術大全 百年売れ続ける言葉の原則 』買いやすくするためのコピーではない(使命分析)

 歴史上のコピーライティングでもっとも成功した例は、ローマ帝国(マーケット)にキリスト教(新サービス)を浸透させるための前提条件として、イエス(創業者)の「神のものは神へ、皇帝のこもは皇帝へ」(マタイ伝22章)というコピーを、徹底的に活用したパウロの例だろう。

 この本は、マーケティングを「自分の商品が欲しい人に手を挙げてもらうこと、目の前の顧客に売るのがセールス、目の前に顧客を連れてくるのがマーケティング」と考える神田昌典氏のコピーライティングのテクニック集だ。

 前述のパウロと神田昌典氏を比較すると、前者は新サービスを買わせるため(布教)に前提条件を浸透させたもの、後者は新商品を売るためのものということになる。

 これは、通常の流通業の考え方とドン・キホーテとの違いと似ている。

「ドンキ内部では商品を陳列している場所を売り場ではなく『買い場』と呼んでいることです。売り手目線ではなくお客さま目線で、いかに楽しい買い物の場所になっているかという発想で店をつくっているからです。その意味でも、店に入って最初に目につく値札やPOPの見せ方には徹底的にこだわっていますね。」

 つまり、売るためのコピーと買いやすくするためのコピーとは決定的に違うということ。

 売り込む営業と買いやすくする営業の違いと同様に、アプローチの方法が違うとおのずとコピーも違ってくる。本書は、広告で直販するためのコピー大全になる。どちらかというと「もの」が対象で、「コト」が対象ではない。

Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。