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『フラガール』地方創生のベクトルが顧客創造(やむにやまれぬ事情を自分でつくる)
昭和40年代(1965年)、福島県いわき市の町興しとして作られた「常磐ハワイアンセンター」の誕生秘話を映画化したもの。産業構造の転換がいかに難しいかを知ることができる。1965年というと、現在グローバル展開している日本企業がグローバル展開をはじめた年だ。この頃、海外の安い高品質な石炭が輸入され、労働争議が頻発する炭鉱が閉鎖されるようになってきた。また、石炭が石油に変わり、1974年には第一次オイルショックを迎えることになり、円高環境でグローバル企業はイエローモンキーと呼ばれつつグローバル展開を行っていった。
ひとつの地域に、ひとつの産業が集約していると、そこに雇用が生まれ、産業が豊かであれば地域は栄える。しかし、炭鉱のように石油や海外の安い石炭が輸入されるようになると夕張の例を見るまでもなく、どんどん雇用は失われてしまう。
2011年の東日本大震災をきっかけに石炭発電が盛んになっている日本では、CO2排出量の少ない火力発電所での石炭の需要があるが、一度産業が枯れてしまうと、再興するのは難しい。また、このいわき市の例のように、サービス業に転換することは普通は難しいものだ。
この映画は、公開前はそれほど注目されていなかったようが、口コミによって評判が伝わり、ロングラン上映をする劇場が多く、最終的には目標を上回る観客動員125万人、興収14億円という大ヒットとなったという。確かに一人ひとりの踊り子に感情移入され、滅びゆく産業からの構造転換における人間のストーリーは感動的だ。
この映画から学ぶべき点は、地方創生のベクトルを名産品を作るのではなく、顧客創造に向けた点であるろう。 スパリゾートハワイアンズ(常磐ハワイセンター)には行ったことがないが、現在のサイトを見ると、スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコース、ハワイアンズホテルウエディング、常磐音楽舞踊学院(福島県知事認可各種学校)とたくさんの雇用を創造している。逆境を成長の糧にした好例だ。
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