『何度踏みつけられても 「最後に笑う人」になる 88の絶対法則 』「成功=失敗の法則」とは、失敗とはバイプロダクション(副産物)という発想(失敗研究)
マック赤坂の映画を観たら、なぜ彼は立候補するのか、その理由が知りたくなり、本書を読んでみた。
マック赤坂は理系脳で東大を目指していたが、受験に失敗し、1浪。その後、京都大学の農学部に入学。財閥企業でないことから伊藤忠商事に入社し、レアアース担当になる。反権威、反中央、反骨心が原動力で、大江健三郎、三島由紀夫を敬愛し、彼らのように、心を曲げて生きていくことをしない「実存主義」を実践している。
マック赤坂は、伊藤忠商事で日本のビジネス界ではノーマークだったレアアースを扱うプロフェッショナルとなった。それらは日本の国家の基盤をなす重要な事業に成長する。前人未到、権威を壊すことを生きがいとし、全社員的な考え方を全否定する会社員だった。その後独立し、レアアースの貿易会社を創業した。
また、伊藤忠で海外出張を繰り返す中、欧米人の本質的な性格である、他者に対してはオープンだが、日本人の何倍も疑り深く、本当の友人になるには、相当苦労することを身をもって実感することになる。日本の商社マンは肩書で偉そうにしているが、語学力は最低で、ろくにスマイルもできないので、世界の舞台で通用しない。そこで、生み出されたのがスマイルセラピーだ。日本人だから、日本の文脈で生きていけば大丈夫という時代は、もう終わったという意識が根底にある。
・「マック赤坂を見て、腹から笑った。いろいろあって会社を辞めようかと思っていたけど、なんだか立ち直れそうだ」
・「人生が辛くて自殺するつもりだった。でもマック赤坂みたいな変なおっさんが笑わせてくれたから、死ぬのとか、どうでもよくなった。」
・末期がんの男性が演説中に来て「あなたを見て久しぶりに笑顔になれた」と。
マック赤坂はパッチ・アダムスと同じ方向を見ている。また、彼のいう、「成功=失敗の法則」は完全同意だ。つまり、失敗とはバイプロダクション(副産物)だという考え方で、失敗という副産物を生んでくれるのが成功であり、失敗はマイナスの結果ではない。失敗とは、次のステージにつながる成功である。
本当のバカをやりきれば、非難はやがて畏敬になる、人の目は変わると、マック赤坂はいう。現在彼は、港区議員だが、単なる泡沫候補というより、日本にもっとも必要な、信念と反骨精神に溢れたイノベータだ。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。