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『サーミの血』北欧の歴史の汚点(環境研究)

 スウェーデンは900万人の人口の1/20もの難民を受け入れている多文化共生国家という印象がある。この映画は1930年代にスウェーデンに住むサーミ人(ラップ人とも呼ばれる。人口2万人)という少数民族の物語だ。トナカイとともに生きるサーミはコーカソイドで、アイヌやイヌイットのようなモンゴロイではない。しかし、体格が小さくスウェーデン人の平均身長が175cm程度なのに、152cmという小柄な体格なので見た目も全然違う。

 もともとサーミは、シャーマニズムで生きていたが、それを強制的に放棄され、キリスト教文化に吸収された。子どもたちは寄宿学校に送られ、人類学者によって非人間的に研究された。主人公は、サーミの脳は文化に適応できないから進学できないと先生に言い放たれる。寮生活ではサーミ語も禁止され、途中、これは中国のウイグル問題と変わらないのではないか、と思ったぐらいだ。

 スウェーデンのような多文化共生社会においても、少数民族は存在し、異質である故に迫害を受けていたことを知ることができた。現在のスウェーデンでは考えれないが、北欧諸国の歴史の汚点として今も語り継がれているそうだ。

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